2012/3/3 びわ湖マラソン前日
日本人招待5選手が会見
東京マラソンの藤原新の走りが刺激に


「(藤原新が)25kmから最後まで行けるとは思いませんでした」(中本)
「東京は東京、ここはここのレースになる」(今井)

Q.(代表質問)先週の東京マラソンで藤原新選手が2時間7分台で日本人1位になりましたが、そのレースの印象と、そのことも含めてオリンピックへの意気込みを聞かせてください。
堀端宏行 先週のレースでは25kmから藤原新さんが出られて、最後までペースダウンすることなく、15分台で押し通しました。順位も上げて行かれて、すごく良い走りでした。サブテンも3人出て、好記録が出た良い大会でした。明日の選考レース(に出る自分たち)もしっかり走りたい。日本人トップを狙って、練習の成果を十二分に発揮できるように頑張ります。
中本健太郎 大学(拓大)の1つ上の新さんが好走されて良い刺激になりました。25kmから最後まで行けるとは思いませんでしたから、勇気の要る決断だったと思います。明日も25kmまでペースメーカーがつきます。新さんみたいに勇気を持って行ってみたい気持ちもありますが、慎重にレースを進めたい。最後の選考レースですが、(東京で)8分台、7分台が出ています。順位とともにタイムも求められますが、そこを狙っていきたい。
佐藤智之 東京の25kmからの藤原君は素晴らしい走りでした。自分は12月の福岡国際マラソンで一度失敗していますが、オリンピックの可能性もゼロではありません。今の自分の力をしっかりと出し切って、納得できる走りをしたい。
今井正人 東京はすごく良いレースを見せてもらって、刺激を受けました。しかし明日のびわ湖は場所も天候も、すべてが違う条件になります。ここはここのレースになる。その中でしっかり勝負をしたい。
北岡幸浩 東京は新さんが25kmから飛び出しましたが、飛び出したというよりも自分のペースで行ったという印象です。周りの選手と格の違い見せてくれた刺激的なレースでした。今回は最終選考会。日本人1位は絶対条件ですが、そこを意識しすぎると苦しくなります。アジア大会(2010年大会銀メダル)のときのように全体でどこに入るかを狙って走りたい。

「25km以降仕掛けてくる外国選手に積極的について行きたい」(堀端)
「35km以降にどのくらい余力を残して3分で走れるか」(北岡)

Q.(代表質問)25kmでペースメーカーが外れてアフリカ勢が出ていく可能性が高いと思われますが、日本人1位、五輪代表をつかむため、どうレースを進めたいですか。
堀端 レースの状況と、自分の脚の余裕度などによりますが、外国人選手は仕掛けてくると思うので、それに積極的について行きたいです。
中本 25km以降の余裕度によりますが、周りを見て、どの選手について行くかを見極めたい。やはり、日本人選手の動きが気になると思います。
佐藤 25kmまでは集団の流れに上手く乗って、25kmからが勝負です。そこで粘って走りたい。
今井 そのときの自分の状況がどうか、ですが、残り17kmの勝負。17km後に前にいられるような走りをイメージしていきたい。
北岡 25kmまで3分ペースで進みます。日本人にしたら速いペースで、2時間6分台も望めるペース。どこまで維持できるかを意識して走りたい。25kmでスパートをかける意識よりも、35km以降にどのくらい余力を残して3分で走れるかを意識して走りたい。

「40km走で去年までだったらいっぱいいっぱいのペースでも余裕を持って走れました」(堀端)
Q.福岡国際マラソン、ニューイヤー駅伝と戦った選手もいますが、びわ湖に向けてのマラソン・トレーニングに限った場合、手応えはどうでしょうか。その中で特によくできたと印象に残っている練習はありますか。
堀端 練習で良い手応えをつかめました。それがどこかといったら、僕の場合は40km走になります。去年までだったらいっぱいいっぱいになるようなペースで練習しても、今回は案外余裕を持って走れました。それが一番の手応えを感じた練習です。
中本 流れとしては昨年と同じで、1月までは調子が上がりませんでした。**でやったんですが。2月に入って30km走や20km走をやりましたが、去年より良い手応えでした。それを明日、生かしたいと思います。
佐藤 びわ湖に向けては1月からトレーニングをしてきましたが、故障もなく、まずまず良い流れで練習ができています。その成果を明日、発揮できればと思います。印象に残っている練習は特にありません。
今井 自分の感覚として1月は苦しい時期を迎えましたが、そこで我慢をした月でした。ただ、2月中旬から状態が少しずつ上げてこられた感覚があります。昨年とちょっとパターンを変えてきたので、それをしっかりと出せればいいな、と思います。
北岡 練習の量と質としてはアジア大会のときと比べて8割くらいの出来でしたが、最終の25kmをマラソン前に毎回やるのですが、いつもと同じようなタイムで行けたので、今の状態としてはしっかり上げてこられたかな、と思っています。

「(地元に)少しでも光が射すような走り、光を感じてもらえるような走りを」(今井)
Q.今井選手に。間もなく東日本大震災から1年になるのですが、どういう気持ちでこのレースを走ろうとしていますか。
今井 早いもので1年が経とうとしています。レースに臨む気持ちはいつもと変わりませんが、やはり少しでも前へという気持ちです。地元はまだ灯りが見えない状態といいますか、どこに住んでいいのかもわからない状態で、皆さんご苦労をされています。そこに少しでも光が射すような走り、光を感じてもらえるような走りをしたいな、と思います。

「7位という順位はアピールという点では微妙だと思った」(堀端)
Q.堀端選手に。世界選手権で7位に入賞して、過去に例があったように、そのまま様子を見る選択もあったと思うのですが、びわ湖に出ると決めたのはいつで、どういう経緯で決めたのか教えてください。
堀端 世界選手権が終わって、そんなに経たず、間もなく決めました。理由は日本人トップで入賞という結果を残しましたが、7位という順位でアピールという点では微妙だと思ったからです。それとロンドン五輪を見据えたとき、丸1年マラソンをやらないとレースに対する感覚にブランクができてしまいます。そういったことを色々と考慮して、出ると決めました。

「マラソンの経験は一番。その経験を利用して最後まで粘り強く走りたい」(佐藤智之)
「自分の持ち味は攻めの走りと根性」(今井)

Q.自分はここだけは負けないぞ、という点を、走りでも気持ちでもいいので教えてください。
堀端 僕が負けない自信があるのはスタミナかな。それはさっきの練習の手応えを話したように、40km走を余裕を持って走れたのがその根拠です。
中本 昨年堀端君に負けて言うのも**ですが、後半の粘りが持ち味です。そこはしっかり、みんなに負けないようにしたい。
佐藤 自分の持ち味は、この中でも一番年上だと思いますが、マラソンの経験は悪い経験もたくさんしていますが、その経験を上手く利用して、最後まで粘り強く走りたい。
今井 自分の持ち味は攻めの走りと、根性だと思っています。
北岡 持ち味は粘り強さだと思っています。粘り強さだけなら、川内(優輝)選手にも勝ちたい。


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