2011/1/28 大阪国際女子マラソン前々日
初マラソンから1年
木崎、練習&レースに大きな進歩
現在のコンディションを問われた木崎良子(ダイハツ)は次のように答えた。
「昨年よりもアキレス腱の状態も良く、体の芯の疲れもとれています。昨日の刺激も良かった。左の臀部の後ろが少し気になりますが、集中すればカバーできる程度です。昨年、の初マラソンは反省も多く、マラソンは後半勝負だなと痛感しました。トラックとかもありましたが、この1年間はマラソン練習を中心にやってきました。毎月距離走を行い、その後にスピード強化を取り入れてきました」
昨年、初マラソンの大阪では2時間27分34秒で6位。23km付近で先頭集団から後れ、それでも35km付近では4番手にいたが、40km手前でシモン(ルーマニア)に、残り2kmでは小幡佳代子(アコム)にかわされて6位に。優勝争いに参加することはできなかった。
レース直後に2つの誓いを立てた。1つは「スピードを研かないとダメ」ということ。もう1つは「来年も大阪で走りたい」ということだった。
2010年の木崎はトラックで快進撃。日本選手権の5000m&1万mでともに、福士加代子(ワコール)に次いで2位を占めアジア大会代表に。7月には1万mで31分38秒71の自己新。9月の全日本実業団1万mでは福士や赤羽有紀子(ホクレン)を破って優勝した。
10月には実業団女子駅伝西日本大会5区で圧倒的な区間賞で2連覇の立て役者に。11月のアジア大会、12月の全日本実業団対抗女子駅伝と走り続けた。
林清司監督によれば、レース間の日程が詰まっているとき以外は、レースの1週間前に35km走を行なったという。木崎の言う「毎月距離走を行い、その後にスピード強化を取り入れてきました」という部分だ。
年間を通して35km走を、スピード練習またはレースの前に取り入れた点が大きな違いの1つ。
40km走はそれほど多くしなかったが、40km走翌日の練習が1年前の「ゆっくりのジョッグ」(林監督)しかできなかったのが、「速めのジョッグや流し」(同)ができるようになった。これが大きな違いの2つ目だ。
35km走の回数が多くなり、40km走の翌日の練習も変わったが、木崎は走り込めるタイプではないという。多くても「1カ月に800kmくらいでは?」というのが林監督の感触だ。それ以上短い期間にやろうとすると、木崎選手のコメントに出てきた臀部やアキレス腱に痛みが出てしまう。
逆に、レースが多かった印象の木崎だが、短期間に走り込まないからそれが可能になった、レースを強化に上手く利用した、ともいえる。
弱点を回避しながらも、練習での進歩を示し、さらにレースで結果を出し続けた。それが木崎の、初マラソンからの1年間だったといえる。2時間26分を切って日本人トップは世界選手権代表に決まる。木崎もそこを目標としているが、勝敗に関しては相手次第。2度目のマラソンでどれだけの成長ぶりを示してくれるのか、そこが一番の楽しみでもある。
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