2011/11/6 全日本大学駅伝
上位校監督コメント
酒井、渡辺両監督の共通認識は
「力を出し切らないと駒大には勝てない」


優勝(5時間15分46秒)
駒大・大八木弘明監督
●「1、2区で乗ってくれた。ユニバーシアード・コンビも立て直した」
「前半行かないと何が起きるかわからないという意味で1、2区で心配もあったが、その2区間で上手く乗ってくれた。3区の油布(郁人・2年)も走れたし、7区まで思うように走ってくれた。上手く走れなかったのは8区の窪田(忍・2年)だけ。暑さもあったが、もう少し走ってよかった。プレッシャーがあったのかな。それでも最後は逃げてくれたので、箱根に向けてはよかった」
「(2区・村山謙太=1年のスパートは)どこかで行けとは言ったが、具体的には本人の判断。(明大・鎧坂哲哉=4年の)ペースが遅かったので、行かないといけなかった。余裕もあった。(出雲の1区の失敗は)力はあったが1年生の初めての駅伝はそういうところが出てしまう。1回大学駅伝を経験したら前で走ることもできるようになるが。今日も6区の中村(匠吾・1年)はもう少し走る計算だった。プレッシャーのようなものが1年生にはかかる」
「撹上(宏光・3年)と油布(郁人・2年)のユニバーシアード・コンビは、出雲まで良い練習ができなかった。ユニバーシアードがあって合宿があり、体調を崩したりして疲労が残ってしまった。それで、出雲ではあんな結果(撹上が3区6位、油布が4区4位)に終わった。ユニバーシアードで練習をしていないので流れが難しくなったが、その2人が今日は立て直して走ってくれた」
「(6区の連続区間賞が途切れたが)仕方がない。去年は1年生(窪田忍)で運良く取れたところもあるし、いずれは途切れること。10年続けて取ったことでもすごいでしょう」
「箱根駅伝は1年生2人をちゃんと使えるようにしたい。(千葉健太=3年は)大丈夫です。体調が戻ってきている。あとは井上(翔太・4年)をちゃんと走らせないと」

2位(5時間16分19秒)
東洋大・酒井俊幸監督
●「1、2区で思い切り行けず、後手後手に回った。力を100%発揮しないと駒大さんには勝てない」
「柏原(竜二・4年)は前半から攻めるレースをしてくれた。スタートする前にどういう心境かを聞いたら、『行くしかない』と言っていた。2位でもそれ以下でも、優勝でなければ同じという気持ちだったのでしょう。戦術的なところで、気温が上がっているので後半気をつけよう、とは言いましたが、具体的な走りは本人に任せた。後半は思うように上がらなかったが、よく走ったと思う」
「柏原はいつも前半の区間で、駅伝の流れを作る役割を果たしてくれた。柏原の攻めの姿勢が後半につながっていた。今回は前半の下級生、設楽兄弟が思いきった走りをしてほしかったが、(全体的に)後手後手に回ってしまった。悠太(2年)を思い切って2区に起用したが、それほど速い展開ではないのにラスト2kmであれだけ置いていかれた。2kmで村山(謙太・1年)君に25秒はやられている。あそこは10秒以内に抑えておかないと。優勝争いをするチームの2区としては失格でしょう。1区の啓太(2年)も駒大さんに5秒負けていたが、その5秒で2区の入りが変わってくる」
「今日は力を出し切れなかったと思う。前半も4、5区も、駒大さんとそんなに力の差はないはずなのに、タイム差となって出てしまった。出雲の駒大さんもそうだったが、追いかける展開になるとアクセルが踏めない。中間走で硬くなって伸びなかった。これが駅伝なのかな、とも思う。6区(区間賞)の山本(憲二・4年)は頑張ったし、7区の市川(孝徳・3年)も地力がついたと思う。しかし3、4、5区の4年生がもう少し粘ってほしかった。全体的に悪くはないが、結果的に30数秒負けている。今年のテーマは“1秒を削り出せ”だが、それができなかった。最後の1秒の負けが、次の走者、次、次と倍になって影響が出てしまった」
「今日は主導権を取ることが一度もできなかった。1区の啓太は周りを見るのでなく、最後は強気で行ってほしかった。1区のラスト、2区のラストと課題が多く残った。(柏原2区の方が良かったかというと)流れだけを考えたらその方が流れに乗ったと思うが、それで優勝できたかどうかはタラレバの話になってしまう。あとは7区が痛かった。駒大の7区は代役だとテレビで紹介されていたが、そこで区間賞を取られた。東洋としては6区に続いて7区でも区間賞を取って、良いリズムで柏原につなぎたかった」
「大きなミスはなかったが、それだけでは駒大さんには勝てない。力を100%発揮しないと。駒大さんも出雲は序盤で崩れて立て直せなかったが、今日は1区を僅差でつなぐと、2区の村山(謙太・1年)君が良いところでスパートして、3区以降の先輩たちに力を与えた。油布(郁人・2年)君も攻めの走りをしていた。6区と8区以外では差を広げられているのだから、力負けとしか言いようがない。駒大さんはトラックのタイムを持っていて能力が高い。そういう選手は先頭で走ると力を出してくるし、強いと思う。力を出し切らないと勝てる相手ではない」

3位(5時間21分06秒)
早大・渡辺康幸監督
●「つなぎの区間で離されていく最悪のパターン。故障者が復帰しないと厳しい」
「順位そのままの結果…です。去年は1区で出遅れても、立て直して優勝している。選手層の厚さとか、全てを含めて今年は3位なのかな、受け容れたくはないが。自分たちの力は3番目だが、しっかり準備をしていけばまだ勝てるチャンスはあると思う」
「1区は本来、矢沢(曜・4年)がいるが、そこまで戻っていない。山本(修平・1年)ももう少し我慢できたはず。1年生なので悪い方に行く可能性もあったが、30秒以内では走れたと思う。大迫(傑・2年)もレースなので、もう少しまとめてほしかった。なかなか噛み合わないのが駅伝の難しいところ」
「今日は本当に何もできなかった。つなぎの区間でどんどん離されていく最悪のパターンだった。やはり、ベストメンバーでないときつい。今年は上2校が強いので、120%というか200%のオーダーを組めないと。層が昨年ほど厚くないので、早く故障者が、経験者が戻ってくれないと厳しい。八木(勇樹・4年)と志方(文典・2年)ですね。志方は回復してきているが、八木はぎりぎり間に合うかどうか」
「でも、無冠では終われない。東洋と駒沢が1つずつ取っているので、次は早稲田が勝ちたい。(12月の集中練習は)予定通りやる。そこをはしょったら勝てないので。何人故障者が出ようがやる」


寺田的陸上競技WEBトップ