2011/11/6 全日本大学駅伝
有力選手たちの伊勢路
その1 2区編
青学大・出岐が10人抜きの快走。区間記録に5秒と肉薄
鎧坂、大迫にアクシデント


●出岐の一問一答
「区間賞を取れると思っていなかったので自信になりました」
Q.今日の感想は?
出岐雄大 個人的には満足していますが、チームの目標だったシード権を達成できず悔しい思いが強いです。
Q.設定タイムは?
出岐 個人的な設定はしていませんでした。区間順位もそれほど考えていませんでした。いつも通りに力を出そうと。
Q.13位でタスキを受け取ったときは、どういう走りをしようと?
出岐 1区で福田(雄大)が出遅れたな、と思いましたが、シード権争いには絡めるよう、どんどん前に行こうと思いました。そうしたら前の選手が見えてきて、さらに行くことができました。
Q.5km、10kmの通過タイムは?
出岐 5kmは14分17秒でした。10kmはわかりません。
Q.大迫傑選手(早大2年)との差が縮まっているのはわかった?
出岐 全然わかりませんでした。ただ前を追いかけた感じです。大迫選手が前にいる、という認識はしていたのですが、強い選手と同じくらいで行くことができればいいかな、と思っていました。そうしたら落ちてきてくれて、抜くことができました。
Q.このメンバーで区間賞を取れたことは?
出岐 自信になりました。取れるとは思っていなかったので。ただ、チームがシード権を取れなかったので…。
Q.力がついていることを実感できた?
出岐 どこまでやれるか自分でもわかりませんでした。でも、トラックよりも駅伝の方がチームのために走ることができる。力を最大限に発揮できます。
Q.今季、特に強化した部分は?
出岐 去年よりもスピードがつきました。箱根駅伝の2区(区間4位)が自信になり、トラック・レースでも1年間、しっかりと戦わないといけない、という意識にもなりました。去年までは、箱根だけでいいかな、という意識でしたから。1年間を通して戦うことができています。
Q.大迫選手や鎧坂哲哉選手(明大4年)を抜いたときの気持ちは?
出岐 調子が良くなかったのだと思いますが、強い選手たちですから、気持ちよかったですね。
Q.箱根駅伝の目標は?
出岐 だいぶ自信がついてきました。村澤(明伸・東海大3年)君たちもいますが、区間賞を目指してやっていこうという気持ちになってきました。

●鎧坂は腰の痛みで力を出し切れず
 2区の区間記録保持者で、1万mで五輪A標準を破っている鎧坂哲哉(明大4年)。日大と7秒差でタスキを受け取り、トップに立つのは間違いないと思われた。ところが、なかなか集団から抜け出せない。それどころか、6km付近では集団の先頭に立ったが、7km付近で村山謙太(駒大1年)がスパートするとつくことができなかった。38分48秒で区間4位。チームの順位も4位をキープするのが精一杯だった。
 思い切っていけなかったのは、腰に不安があったからだった。
「1週間前から腰が気になっていました。西(弘美)監督とも相談をしていたのですが、出たいと言いました。しかし今日も、5kmあたりでちょっと痛みを感じました。後ろに下がって冷静に自分を分析しました。フォームが違うとというか、痛みがあるというか…。力が入らない感じなんです。完全な状態で臨めなかったことがすごく悔しいです」

●快調に飛ばした大迫は6km過ぎで腹痛
 対照的に好調を自覚して走り始めたのは、ユニバーシアード1万m金メダリストの大迫傑(早大2年)だ。最初の3kmは8分13秒、5kmは14分00秒で通過した。ところが、6km付近で腹痛が起きてしまった。「今まで腹痛を起こした経験はありません。残り2kmで回復して走ることができましたが…」
 区間新を出せたと思うか? という問いかけには「そうは言いたくありません。これが今の実力です」と否定した。

●合格点の村山と“失格”の設楽悠太
 2区では1年生の村山謙太(駒大1年)が先頭集団から抜け出し、1位で3区に中継した。トップ集団がスローで進んだため出岐には40秒差をつけられたが、区間3位ときっちり走った。出雲の1区では区間13位と失敗したが、大八木弘明監督は「エコパ(静岡県長距離強化記録会で28分17秒57のジュニア歴代6位)で自分の体調をキチッとコントロールできたから」と、出雲に続いて序盤の重要区間に抜擢した。
 村山自身は「65点くらい。もっと改善しないといけないところばかり」と反省するが、学生駅伝初戦の失敗をすぐに取り返したのはさすがである。
 東洋大は2区に設楽悠太(2年)を起用してきたが区間7位。順位は1つ上げて6位になったが、期待は下回った。「ラスト2kmだけで25秒やられています。優勝争いをするチームの2区としては失格です」と、酒井俊幸監督は厳しく評価していた。


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