2010/3/14 名古屋国際女子マラソン
レース後の共同会見
加納由理 優勝・2時間27分11秒
「絶対に勝ちたかったのはチームメイトのことを考えてのこと」

「プレッシャーで眠れない夜も」
Q.プレッシャーのかかるなかで我慢し、そしてスパートした展開を振り返っての感想と、優勝の喜びをあらためてお聞かせください。
加納 優勝経験はないにもかかわらず一番の注目選手になってしまい、アルバカーキ合宿から帰国して、プレッシャーで眠れない夜もありました。でも、1週間前からプレッシャーが大きかったせいか、レース前になったら落ち着けたように思います。今回は記録よりも勝つレースをすることがテーマでした。そして勝負所で自分からスパートできました。海外のマラソンなどに挑戦する上で、良いステップになったと思います。今回の優勝はこれからの自分のためだったし、今回絶対に勝ちたかったのはチームメイトのことを考えてのことです。セカンドウィンドACには三大マラソン優勝者がまだいません。監督やコーチのためにも絶対に優勝したかった。それをプレゼントできよかったです。

「練習でも涙が出てしまいました」
Q.ゴール後には涙も見られました。脳裏に浮かんだことは?
加納 今回のレースに臨むにあたってすごく緊張していました。合宿で練習していても、レースのことをイメージしながら走っていました。絶対に優勝したいと思いながら走っていたら、練習でも涙が出ることがありました。優勝したら泣いてしまうかもしれないと思っていたら、本当に涙が出てしまいました。優勝するんだという夢が現実になったら、本当に涙が出ました。

「2年前の名古屋でも…」
Q.涙はいつ以来ですか。
加納 2年前の名古屋を走ったときも(2カ月前の大阪国際女子マラソンを途中棄権した)ケガがあって、練習もあまりできていませんでした。そのときに周りの人たちに感謝の気持ちを持って走りました。そのとき実際には出ませんでしたが、泣きたい心境になりました。みんながいてくれるから自分がこの場にいられる。感謝の気持ちが涙になっていました。

「31kmの坂を上りきってからもう1回…」
Q.大南選手がずっと先頭を走っていて、25km付近で一度加納さんが前に出ました。あれはどういうタイミングだったのですか。
加納 大南さんがずっと引っ張ってくれていました。自分にも余裕があり、15km付近で本当にスローペースが続くようなら、25kmから行こうかと考えていました。徐々にペースが上がっていたので、30kmまで我慢することに変更しました。そこからスパートしましたが、1回のスパートだけではついて来られると思って、上りきってからもう1回スピードアップするつもりで行きました。欲を言えばもう少し30km以降をペースアップしたかったのですが、35kmから向かい風になって上げられませんでした。今回、勝ちにこだわってやってきて、アルバカーキのクロカンコースで名古屋のレースをイメージしてやってきた成果を生かすことができました。これからも世界のマラソンを見ながら、自分もステップアップしていきたい。


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