2010/12/18 全日本実業団対抗女子駅伝前日
天満屋の初Ｖは中村次第？
第一生命、ダイハツ、三井住友海上、ワコール監督コメントも紹介
天満屋の初優勝の可能性は「フィフティ、フィフティ」か。
エースの中村友梨香は、２週前の記録会5000ｍでは16分20秒台、前週は16分04秒台と“らしからぬ”記録。エース区間への起用が不安視されたが、「その後の練習で少し良くなっているし、去年に近いくらいに戻っている」（篠原太コーチ）という。
去年は３区で区間２位（31分39秒）。区間新の大快走でトップに躍り出た福士加代子（ワコール）には抜かれたが、７位から２位に進出し、天満屋の２度目の２位に貢献した。
１区は５年連続で泉有花で、崩れることはない。トップと秒差、または10数秒差で２区に渡すのは間違いないだろう。２区は外国人選手がいるので予想が難しいが、２年目の小原怜も好調が伝えられている。距離も短いので、１分以上の大差をつけられることはないだろう。昨年は３区で、トップのデンソーから39秒差でタスキを受けた中村が、前述のように２位にまでチームを押し上げた。
後半は天満屋の選手層の厚さが表れている。
５区の重友梨佐は「去年よりだいぶ良い」（篠原コーチ）という状態。そして、アンカーの６区に浦田佳小里を置けるのが天満屋の強み。昨年の区間賞選手で、今季は5000ｍで15分31秒47と自己記録を大幅に更新している。
「もしも優勝争いをしたとしたら、浦田がいるのといないのでは全然違う」と篠原コーチも盤石の信頼を置く。
過去10年間で４位以内が７回、５位、６位、９位が１回ずつという天満屋。
「ウチも後半は強い。他チームと遜色ないので、前半で良い位置につけられるかどうか」（同コーチ）が悲願の初Ｖへの条件となる。
「中村次第ですね」
その中村が走れるかどうかが「フィフティ、フィフティ」だという。篠原コーチは謙遜気味に話すが、50％の優勝確率が天満屋にあることになる。
第一生命・山下佐知子監督
「尾崎（好美）は大理（中国）合宿中に転倒して右膝を痛め、今はもう治っているのですが、チーム状況を見ながら使わないことにしました。１、２区も練習はできていますが、尾崎（を１区に起用した場合）の安定感と比べると、不安もあります。未知の楽しみな部分もありますけど。尾崎もハーフだと味がありますけど、駅伝の距離ならそれほど戦力ダウンとなるのかどうか。
後半追い上げ型のオーダーなので、３区か４区か５区でトップに立てれば。
東日本予選を外れた垣見（優佳）と藤本（知佐）が、ここに来て出てきました。アンカーの安藤（美由紀）が駅伝ラストラン。ウチの功労者なので、良い終わり方をさせてあげたい」
ダイハツ・林清司監督
「ウチとしてはベストメンバーが組めました。木崎（良子）はアジア大会のダメージはちょっとあるかもしれませんが、大阪国際女子マラソンの準備をしながら良い流れで来ています。１区のメンバーで誰が行くのかわかりませんが、チャンスがあれば先頭の方で行けるでしょう。運悪く後ろの方になっても、木崎で５位くらいには上がりたい。木崎には10番以内、20〜30秒差でタスキが渡ればいいですね。西日本は独走でしたが、全日本は強い選手がいっぱいいるので、そういう選手たちの集団に入った方がいい。４区が終わって先頭集団にいれば、５区の中里（麗美）でトップに出られる可能性もあります。（優勝の手応えは）10％くらいですが、１区の坂井田も６区の出田も４区の中島も調子が良くなっています。特に坂井田（歩）は5000ｍで10秒自己記録を更新し、色んな選手と戦っても引け目を感じなくなっています。西日本予選は前半が悪かったですけれど、坂井田が調子を上げているので（チャンスが出てきました）」
三井住友海上・渡辺重治監督
「１区の山下でトップの方に行きますが、２区は外国人がいませんし、団子になってくれたらいい。３区の渋井も団子のまま行ってくれたらいいですね。３区に起用はできましたが絶好調で突っ走れる状態ではありません。去年よりはいいですし、体重も軽くなっていますが、走ってみないとわかりません。４区が終わった時点で、去年みたいに先頭に近い位置にいるのが理想ですね。５区は一番タイム差がつきやすい区間。（５区の）大平は東日本予選（３区で区間７位）が１分以上悪かったのですが、あんなことはないと思います。アンカーの高吉は２区と４区で区間賞を取ったことのある選手。スピードもあり、他に適任者はいません」
ワコール・永山忠幸監督
「優勝を狙って１〜３区に稲富、野田頭、福士と並べました。（稲富に学生チームに敗れた国際千葉駅伝のショックは）あったかもしれませんが、本人なりに苦労して上がってきました。明日は開き直って１区としての役割を果たしてくれるでしょう。トップ集団と秒差で２区に渡し、２区の野田頭も秒差で福士に渡す。３区の福士でトップに立ち、４区でトップに立てていれば、あとは＊＊の勢いの問題。５区の高藤は１年生ですけど強い選手です。順位を上げられるタイプではないかもしれませんが、もらった順位を大幅に下げることはありません。福士に次いで良い練習ができています。5000ｍなら稲富の方が強いでしょうが、長い距離なら引けを取りません。トップを死守してくれるでしょう。後半３区間の持ちタイムは他より劣りますが、決して見劣りはしないメンバーです」
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