2011/1/1 ニューイヤー駅伝
秋葉は“快調ジョッグ”の技で5区区間賞
東京マラソンにも自信
5区の区間賞を取った秋葉啓太(小森コーポレーション)は、故障に悩まされている期間が長い。「根本的には座骨からくる脚の故障」(若倉監督)で、特に2年前の別大マラソン(3位・2時間10分53秒)後は、1回1回の故障が長引くようになったという。
しかし秋葉は、その欠点を補う“技”を身につけた。秋葉の言うところの“快調ジョッグ”で、それを身につけたことにより、俗に言う“戻し”が驚異的に早くなっている。
今回は東日本予選も欠場せざるを得なかった秋葉。練習を再開したのが11月半ばだったが、11月25日には1万mを1人で走って29分15秒をマークした。「2分55秒で押していって、最後は追い込まずに余力を残して上がりました」。頑張れば28分台も出せた走りだったようだ。
どうして、ここまで早い“戻し”が可能なのか。
「ポイント練習はできなくても、長めのジョッグで脚はつくっていました。脚づくりだけでなく、“快調ジョッグ”で精神的にも追い込んでいましたから」
秋葉の言う“快調ジョッグ”とはどんな練習なのだろうか。
「ジョッグのつもりでペースを上げると、ポイント練習でペースを上げるよりも精神的な負荷が大きくなるんです。例えば、ジョッグで3分半まで上げると、レースの3分に匹敵する。快調ジョッグで30分走った感覚が、レースで30分、10kmを走った感覚と同じになる。結果として、体に負荷をかけないで感覚を鍛えることができるのです」
ニューイヤー駅伝でも、区間賞の走りよりも「以前にやった快調ジョッグの方がきつかった」と打ち明けた。実際の速度は、レースの方が速いに決まっている。快調ジョッグでは上げたとしても3分30秒から3分20秒台らしい。「でも、ジョッグとして走るからきつい。ペースがどうこうでなく、感覚を鍛えるのが目的なんです」
2月の東京で2回目のマラソンを予定している。故障が多く「距離を踏めていない不安はある」(秋葉)が、前述の“快調ジョッグ”で感覚を鍛えることで克服できると考えている。
「2時間の“快調ジョッグ”でマラソンの2時間と感覚が一致すれば走れるはずです。今までやってきていないからきつくなると考えたらマイナスです。プラスに考えていかないと。2年前もニューイヤー駅伝で区間賞を取って2時間10分台でした。今回も区間賞を取れたので、今度の東京でも2時間10分台では行けると思っています」
31歳のベテランは穏やかに、しかし、自信を垣間見せるように言い切った。
世界選手権代表入りも意識している。2時間09分29秒を狙うか、日本人トップを狙うかは、当日のレース展開によって判断するつもりだ。
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