2010/12/5 福岡国際マラソン
終盤で失速も“攻めの走り”をした今井
「今日はマラソンというものを走った感覚」


レース後会見
「ここは勝負したいな、という思いがありました」
Q.ペースダウンをどうとらえていますか。
今井正人 もちろん走っているときはペースダウンをすると思っていなかったのですが、これが現状だと受け止めています。
Q.何kmくらいから、どうきつくなったのですか。
今井 35km前後で動かなくなったというより、少しずつ重くなってきました。いつもの悪いときよりも動かせているなかで、歩幅が小さくなったり、脚がきつくなってきたな、という感じです。
Q.15kmでペースが急激に変わったときの流れの中であの位置を走ることになった?
今井 自分の中で、ここは勝負したいなっていう部分がありました。実際のところ、前は一気にペースアップしましたが、自分がいた集団は少しのペースアップはありましたが、じっくり行った感じでした。
Q.ガリブは眼中になく、自分のペースで走った?
今井 あのペースアップには完全につけませんでした。
Q.15kmからペースアップすることは事前に知っていた?
今井 予想はしていませんでしたが、前の方でペースメーカー同士が話をしていたので、ちょっと動くのかなと思ったら一気に上がって。***がいらいらしているのはわかりましたが、そんなに気にせずに行こうと思いました。
Q.15kmから30kmで少し無理があった?
今井 そういう感じはなく、多少きつくなるのは当たり前と思っていました。その中でしっかり、攻めの気持ちをもって走れたと思います。
Q.(質問不詳)
今井 今回のレースは世界選手権選考にもなっていました。そこはしっかりと視野に入れていました。
Q.途中、それが見えていたところと、見えなくなったところは?
今井 3人で走っているときと、その後ケベデがスパートして1人になったときは、このあとしっかり粘っていれば前も落ちてくるだろう、という気持ちでした。35km過ぎくらいからは思ったように上がっていない感じでしたが、その中でも残りをしっかりと粘ってまとめられれば、と思っていました。そこをしっかりできなかったのが、今回の走りでした。
Q.松宮選手が来ているのはどこでわかりましたか。35kmのカーブで後ろを振り返っていましたが。
今井 応援の声で来ていることは情報として入っていました。どのくらいの距離にいるのかと思って後ろを振り向いてみました。
Q.そのとき、こんなに近いんだと思った?
今井 はい、そうですね。

「箱根は大学4年間でしっかり終わったもの」
Q.マラソンで期待されているという印象を持ちましたか。
今井 今回、大変多くの応援をいただいたことは自分にとって追い風になったし、また頑張ろうという気持ちにもなりました。でも、箱根は大学4年間でしっかり終わったものですし、これから実業団で陸上をやっていく上で、マラソンでしっかり結果を残したい思っているので、それに合う走りをしていきたいと思います。
Q.(質問不詳。九州を拠点にしていることに関して)
今井 福岡を拠点としてやらせていただいていて、沿道から途切れることなく声援をいただいたことは、自分にとって力になりました。追い風になったと思います。それに応える走りができず悔しいし不甲斐なかった。ただ、それもゴールして終わったこと。また、新たなスタートを切りたいと思います。すでに(次へ向けて)始まっています。
Q.練習のここを変えたらいいという反省点、課題などは?
今井 ちょっと、ゆっくり考えます。

「あそこはじっと我慢してほしかったが…」(森下監督)
Q.森下監督に。準備面も含め、どういう評価をされていますか。
森下広一監督 準備としては、やれる練習はすべてやったというところです。本人とも話したのですが、あとはレース中に成長する部分も必要なので、そこを大切にしていこうと話してスタートしました。15kmで外国人選手に付いて行くところは本人任せでした。あそこはじっと我慢してほしかったんですが、行ってしまったものは(仕方ないというか)、失速もあるかもしれないと考えていました。でも、気持ちで走る選手なので気持ちで走りきってくれたらとも思いましたが、体がいうことを聞かなかったのでしょう。まだまだ練習しないといけないと私も思いましたし、本人も思ったでしょう。
Q.15kmで他の日本選手がつかなかったとき、あれ? という思いはあったのか、それとも行けると感じたのか。
今井 あそこは特に迷いはありませんでした。集団が分かれたことはわかりましたが、後ろのことを考えてレースをするところではないと思いました。ガリブ選手も前に行っていましたし、そこで走るのを目標にしていましたから。後ろが離れたからあれ? というのはありませんでした。
Q.意外には感じなかったと?
今井 どの選手も日本人トップを目指していたので、集団が分かれたとき、そこを狙っているんだろうな、と思いましたが、自分のカラーというか、自分のタイプはそこじゃないと思っていたので、前でしっかりついて残ったメンバーでどう戦うか、その中で日本人トップをとるということを考えていました。特に今回は2時間09分30秒を切って日本人トップという最低条件があったので、気象条件もありましたが、それを達成するには後ろじゃダメだと感じていました。

「レースの中で成長できるマラソンランナーになりたい」
Q.次のレースは何を考えていますか。年明けにも選考レースはありますが。
今井 気持ちに整理をつけて、冷静に判断できるときに考えたいと思います。
Q.(初マラソンの)北海道を走った後と今とでは、気持ち的に違いがありますか。
今井 北海道では自分を***レースも、ただ42.195kmをきつい思いをして走ったマラソンでした。今回は自分の攻めのカラーを少しでも出すことができました。北海道は42.195kmを走った感覚ですが、今回はマラソンというものを走った感覚です。
Q.マラソン選手としてやっていく手応えが得られた?
今井 まだまだマラソン選手といえる結果ではありませんが、そういう意味で、マラソン選手として戦っていける基礎的な部分はできたのかな、と思います。監督からあったように、レースの中で成長できるマラソンランナーになりたいです。


寺田的陸上競技WEBトップ