2010/12/3 福岡国際マラソン前々日会見
前編
「力の衰えは確実に来ていると感じていますが、今できるベストを尽くしたい」(国近)
「思うような走りができていませんが、経験を生かしたい」(尾方)
「昔と比べてどうだという取り組み方はしていません。現時点で最高の状態」
(入船)

Q:(代表質問)自身で一番最高だったと思えるレースのときと比べ、どういう状態にあるか? それと日本選手がここ5大会勝てていないことへの思いは?
国近友昭 2003年のこの大会での優勝が一番印象に残っています。当時と比べると年齢的にもかなり経ちましたし、その間に故障によるブランクもありましたし、力の衰えは確実に来ていると感じています。練習もここ1〜2年、当時と比べると質、量ともできていませんが、その状況でもこうしてレースに参加させてもらっているので、今できるベストを尽くしたいと思います。この5回日本選手が勝っていないことについては、外国人選手との差は誰が見ても歴然としています。勝つことはなかなか難しいですけど、若くて勢いのある選手が日本人にも出てきてほしいですね。私も30歳の頃はそういう役を果たしていました。日本の若い選手にはどんどん、マラソンに挑戦してもらいたい。
諏訪利成 僕も2003年の福岡が会心のレース。その頃と比べ年齢を重ねてきましたが、それとともに経験も積んできました。勢いはないかもしれませんが、自分の力を発揮して、今あるすべてを出し切るレースをしたいと思います。
尾方剛 (優勝した)2004年の福岡や(銅メダルを取った)2005年の世界選手権ヘルシンキ大会あたりが、思ったようなレースができていた頃です。それと比べて思うような走りができていないっていうのが、(特に)北京オリンピック以降はあります。その分、成功もしたり失敗もしたりしてきましたが、経験を積み重ねてきたことは強みです。現状は納得できるレースができる状態ではありませんが、そういう経験を生かせるように走りたい。あと、マラソンは最後まで粘った者しかレースに参加できないと思うので、持っているものすべてを出せるようにしたい。
入船敏 自分の中で最高のレースというのはいまだかつてありません。最高だという手応えは。自己記録は2年前の福岡ですが、あまり昔と比べてどうだという取り組み方はしていません。現時点で最高の状態に持ってこられるような練習をしてきました。今までで一番良い状態だと思って臨んでいます。5年間勝っていないのは、世界との差が開いていることを考えたら当たり前ですが、そこをあきらめずにチャレンジするのが僕ら選手、これからの選手の役目だと思います。
清水智也 2008年のびわ湖は2時間10分を切るレースでしたが、そのときと比べて変わらない思います。まずまず体調は上げてこられたと思います。今回のような実績のある選手が多いレースに一緒に参加できるだけで光栄ですし、しっかりと肌で実感して学びたいと思っています。
井川重史 まだマラソンは2回目なので、今までのベストと言っても別大しかないのですが、そのときと比べて納得のいく練習はできていません。でも、このように強い選手がいっぱいいらっしゃるわけですから、とことんチャレンジしていこうと思います。

Q.国近選手、諏訪選手、尾方選手の3人に。1km3分を切るペースになったらついていくかどうしますか。どのあたりで判断しますか。
国近 ペースがどうなるか聞いていませんが、現状では3分を切って1km毎を推移していくのは無謀なことだと思います。走り出してみないとわかりませんが、速いようでしたら自分の中で42kmを考えながら、42kmを走りきったときに100%の力が出せるように、レース配分を感覚で判断していきます。
諏訪 レース展開を申し上げること自体、できないくらいな感じです。今回はペースというよりも、レース自体が苦しいものになると思います。とにかくゴールして、そのゴールを一番良い状態で迎えられたらと思っているので、ペースにこだわらずにしっかりと行きたいと思っています。
尾方 2時間6分台とかを狙える状態ではないので、3分切りは苦しいと思います。2人が言ったように僕も、マラソンをまとめることで良い結果が出ればと思っています。レース全体を見て、流れもあることですし、自分の中で上手くまとめられたらいいな、と。


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