2009/9/27 全日本実業団最終日
渡辺が11秒53のセカンド記録
収穫は30〜40mで加速が途切れなかったこと
大会新などの“新記録”ではなかったが、女子100 mに優勝した渡辺真弓(ナチュリル)が成長を感じさせる走りを見せた。11秒53(±0)はセカンド記録。自己記録の11秒50は好タイムが続出した6月の日本選手権(2位)のときで、風も追い風1.0mだった。
スーパー陸上では高橋萌木子(平成国際大)と、11秒28の記録を持つ外国人選手に競り勝った。今大会2日目の200 mは23秒61(+1.9)の自己新、最終日の4×100 mRでも2走で大きくリードを奪う快走を見せた。
渡辺によれば前日の200 mの方が「頑張りどころ」だった。同じ世界選手権4×100 mR代表の和田麻希(セブン)を前半からリードすることができ、400 m日本記録保持者の丹野麻美(ナチュリル)の追い上げを最小限にとどめた。「200 mに勝てたことで、100 mに弾みがつきました」
福島千里(北海道ハイテクAC)と高橋の2強不在ではあったが、100 mは横綱レースに近かった。30〜40m付近でグンと前に出て、その後も2位以下の追随を許さなかった。
「最近のなかではまとまったレース内容でした。スーパー陸上では30〜40mまでは良かったのですが、フェリックス(米国)が出たところで加速が途切れ、引き離されてしまいました。今日は、自分の中では途切れることなく後半につなげられたと思います。11秒4台、3台と自己記録を更新していくことも必要ですが、必ずしも条件が良くないなかで11秒5台を出す安定性も大事にしていくべきこと。そういう意味では良かったと思いますし、条件の良いところに行けば記録も出せると思います」
それでも、世界に近づくには「30〜40mでもっと乗っていくことが必要」だと、気を引き締める。そして、100 mと同じではないが、200 mの課題も前半にある。前半から“95%”の力で出たいが、“85%”でしか出られない。
「練習ではプレッシャーがないので出られるんですが、試合になると思い切り出られなくなるんです」
全日本実業団の200 mは“85%”の前半だったが、これまでで最も良かった。その走りで勝ったことで100 mに勢いがついた。その100 mで課題克服ができたことで、次の200 mでの“95%”の前半につなげられる可能性が高まったか。
スタートが抜群に速い福島と対戦する国体が、次の200 m。渡辺がどのくらいまで迫るかが注目される。
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