2009/8/18 世界選手権4日目
コメント集4日目高平慎士
2次予選敗退の要因は“コーナーの抜け”の力み
「あそこで勝負がつくと言っても過言ではないくらい」

「(出力が出ない感じ?)そうなんですよ。なぜだか。1000分の何秒かで準決勝を逃したので、そのチャンスを生かせなかった自分が不甲斐ないとしか言いようがないです。前半はそこそこいい感じで進んでいたかなと思ったのですが、勝負の鍵となるコーナーの抜けの部分でちょっと力んでしまいました。
(左側をちらちら見ていたが?)内側のラインを確認していたのだと思います。レーンの中の外側へ振れていく課題のために、左側のラインに自然と目が行ったかもしれません。
 ラスト100mの走り方だけであれだけが違ったのだと思うので、修正できれば(通過ラインの)3番に入れたのではないかという感じはありました。カナダの選手が失格するとは思っていなかったですから、(ラスト10mは)力みましたね。それが勝負勘のなさというか。知らない選手だったら落ち着いて行けたが、知っている選手たちだったので、こいつ来るな、と感じてしまった。まあ、自分の力のなさが出たというだけだと思います。
(コーナーの抜けで力んだ理由は?)自分の体が思い通りに進んでいなかったところから来たのかな。120mまで自分で進もうと思うようには進まなかった。あそこを楽に行けば変わっていたと思うんです。隣がどうとか気にしたのはラストだけなので。1位か2位で通過するイメージだったんですが、そういう状況でも立て直せないと。時速44kmとかは出ないですけど、トップスピードに入るところですし、コーナーの抜けで差がつくので。あそこで勝負がつくと言っても過言ではないくらいなんです。一概には言えませんが。リレーでアンカーにバトンが渡るところと一緒ですね。そこが上手く行けばだいたい通りますから、スピアモンなんかもそうですが。前半の速い遅いよりも、抜けのポジションをどう生かすか。
(準決勝に余力を残そうという気持ちが働いた?)それはないですね。準決勝は意識しましたが、周りには声を掛け合える選手も多い状況で、これくらいで準決勝に行けるだろうというのがわかっている中でどう戦うか、でした。戦術が見えている中で、それが実行できなかった失敗です。(突破ラインは)予想しているタイムにはなっているんです。向かい風だったらこのくらいになるだろう、という予想通りには。

 これから、こういう経験を生かすとかいうのじゃなくて、一発一発勝負しなきゃやっていけない。正直、このタイムで競っているようじゃダメなんですよ。20秒6台で競っているようじゃ、国内で走るのと変わらないですから。準決勝や決勝を狙うのだったら、20秒3とかが当たり前に出ないと。末續さんがメダルを取ったときも、そのくらいで行っているので。塚原も同じように感じて、10秒0台前半を普通に出さないと、と言っているのだと思いますし。もう経験だとか、「次に」とかと言っていることが許されないんです。これが引退レースだというくらいの覚悟で行かないと、世界で勝負させてもらえません。
 自分たちの持ちタイムもそうですが、これから先、チームジャパンを引っ張っていく中心のブロックになるには、世界と戦う力を示せないと意味がないと思います。
(リレーに向けては?)北京五輪のような個人種目の成績になってしまいましたが、朝原さんと末續さんが抜けて、僕らははい上がるために、ファイナルに残るために戦わないといけません。メンバーは誰が入っても、どこに入っても、決勝に残れるようにしないといけません。何も残せないまま日本に帰ったら、今後への暗雲になってしまうう。残っている力をどれだけ発揮できるか。今回はマイルの分まで頑張らないといけませんし。これから個々の力を上げることはできないので、自分たちにできることをしていくしかない。決勝に残り続けることが、去年のような結果につながることなので。今年、メダルを狙っていないわけではありませんが」


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