2009/7/24 陸連短距離合宿公開練習
練習後の合同取材時コメント
その2 ユニバー・メダリスト編

@江里口匡史(早大)

「勝ちを意識して、走りが崩れてしまいました」
Q.ユニバーシアードの100 mは最後でかわされたと聞きましたが?
江里口 気持ち的に、勝ちを意識してしまいました。そういうときは走りが崩れます。相手が普通に走って自分が走りを悪くしてしまったら、相手を利することになります。自分の走りを悪くしないようにしないと。リレーでも1・2走の(バトンパスでミスをして)詰めが甘いと感じました。世界選手権は1次予選から勝負を気にせず、自分の走りに集中した方が結果が出ると思います。
ユニバーシアード男子100 mリザルト
1 302 HON - Palacios Cruz Rolando 03/05/1987 5 0.195 10.30 F1
2 210 EGY - Ibrahim Seoud Amr 10/06/1986 6 0.167 10.31
3 344 JPN - Eriguchi Masashi 17/12/1988 4 0.140 10.33
4 141 CHI - Becerra Kael 04/11/1985 1 0.139 10.38 SB
5 439 LTU - Sakalauskas Rytis 27/06/1987 3 0.166 10.41
6 585 RUS - Petryashov Konstantin 16/12/1983 8 0.161 10.42
7 483 NZL - Ambler David 15/09/1989 7 0.157 10.44
8 135 CAN - Smith Oluseyi 21/02/1987 2 0.168 10.48

Q.帰国後は?
江里口 一度、熊本の実家に帰り、報告に行ったり壮行会に出たり。疲れもありましたから、この合宿までは休むことを一番に考えてやってきました。合宿に入っていきなり質が上がりましたが、すごく集中して、良い練習ができていると思います。
Q.刺激になっている?
江里口 一緒に走る機会はリレー練習しかありませんが、リレー練習では速度も技術も安定して、これが日本のトップの人の練習かと、肌で実感しました。冬期から陸連合宿に参加していましたが、シーズンになると動きが違います。

「高平さん→藤光さんで良いタイムが出てチーム内の意識が高まりました」
Q.今日のリレー練習で意識した点は?
江里口 バトンは今日は渡す方だけでしたが、リレーは渡す方も受ける方もスピードがないと成り立ちません。自分の状態をそこに合わせました。バトンはそれ以前に、日頃のコミュニケーションが大事です。積極的にコミュニケーションをとるようにしていました。先輩たちに気を遣わせるのもイヤなので。
Q.塚原選手からプレッシャーをかけられていたようにも見えました。
江里口 バトンの1組目に高平(慎士)さん→藤光(謙司)さんで良いタイム(土江式の40m計測で3秒76?)が出たので、それを越えようとチーム内の意識が高まりました(3組目に江里口→塚原)。それを口にされたのだと思います。
Q.3秒7台の数字はどうなのですか。
江里口 まったく同じ方法で大学でもやっていますが、3秒8台が出れば良い方です。3秒7台があれだけ出るというのは、全員のスピードが高いということです。タイムを見ても、走り自体を見ても、今日の練習は質が高かったと思います。
Q.走順は?
江里口 具体的にこうとは、はっきり言われていません。練習はどこでもできるようにやっています。2日前は渡す方も、受ける方も練習しました。自分でもどこと限定しないで、カーブも直線も走れるようにしておきます。

「100 mとリレーの2つで1つという意識で臨みます」
Q.北京五輪に出られなかった去年と比べると?
江里口 去年も代表を狙っていたので悔しい思いをしていました。目標を切り換えていましたが、それが世界選手権です。代表入りを喜びたい気持ちもありますが、まだ走るところまでは至っていません。走って何を得られるか、だと思うので、そこまで気を抜けません。喜んではいますが、気を緩めてもいない。世界選手権に向けて、体も気持ちも一直線です。
Q.スタートラインに立ったところをイメージしていますか。
江里口 スタート位置についたら体格が全然違うと思うんです。走りも違うと思います。でも、それに左右されず、自分を見失わずに、自分も固まっているものがあるので、それを出したい。それはそれ、これはこれと。
Q.ベルリンへの意気込みを。
江里口 リレーもそうですが、個人もしっかりと走りたい。先に行われるのは個人種目です。ここ(合宿)で良くても、個人種目がすごく悪かったら、リレーに使われません。かといって、個人種目だけを念頭に置くのもよくない。まずは100 mで個人の力を発揮するためにも、リレーに集中しすぎて100 mが薄くならないようにしないといけません。100 mとリレーの2つで1つという意識で臨みます。


寺田的陸上競技WEBトップ