2009/7/1 富士通本社
過去最多の8人が代表に
富士通の世界選手権代表5選手が会見
「富士通らしさもベルリンで出したい」(田野中)

福嶋正監督 日本選手権で5名が世界選手権代表の座をつかみました。今回は10名近く出したいと考えていましたが、現時点で富士通から(競歩の3人と合わせて)8名が世界選手権代表に選ばれています(※)。ユニバーシアードの結果次第でマイル(4×400 mR)が追加される可能性もある。そのときは堀籠(佳宏)にも頑張ってほしい。世界選手権本番では、それぞれが自己新を目標にしてもらいたい。それができれば上位に進出できる。日本を牽引して、勇気と感動を与えられるパフォーマンスをしてほしい。
塚原直貴(短距離) 日本選手権の決勝を棄権してしまい、悔しい思いをしています。この悔しさをバネに、ベルリンでは最高の走りをしたい。今回も記録は良かったのですが、それに劣らない記録、勝負、パフォーマンスをしたい。ケガは日に日に回復しています。2週間程度は時間を要するようですが、来週から動けると思います。元気な姿で走れればと思っています。
高平慎士(短距離) 日本選手権は勝つべくして勝ったと思うが、タイムとしてはもう少し狙える手応えがあります。ヨーロッパ、世界選手権で自己新で走りたい。リレーは去年(北京五輪の銅メダル)のような結果を求められると思いますが、大人の競技者としてチームに良い方向付けしていければと思っています。世界選手権は“終わりよければ”ではなく、最初から最後まで良い結果を出したい。そのためにも、これからメンタル面の強化もしていきます。
田野中輔(ハードル) 日本選手権は自分らしい走りがボチボチできてきました。大阪大会(2007年)に続いて2回目の代表ですが、前回は自分らしさを出して準決勝まで行くことができました。ベルリンでも自分らしさを出せればと思っています。また、富士通として8人の代表を出しています。富士通らしさもベルリンで出したいですね。
岩水嘉孝(長距離) 今回の世界選手権は決勝進出を目指して思い切った走りをして、皆さんを驚かせるようなレースをしたい。期待していてください。
醍醐直幸(跳躍) 日本選手権は(アキレス腱の故障で)万全ではありませんでしたが、しっかり勝ててよかったです。ベルリンで力を出せればメダルの可能性もあると思っていますが、まずは決勝までしっかりと残りたいと思っています。

Q.塚原選手は、今季の新しい走りの手応えは?
塚原 日本選手権の予選からいうと、風の力も借りることでリラックスして走れました。日本選手権に至るまでに右のアキレス腱に痛みがあって、左右差があって、それを修正するための走りでした。バランスを保って走ることを心掛けたので、10秒09が出るとは思いませんでした。予選ということもあって変な力が入らず、スーッと行けましたね。後でビデオを見ると、後半もしっかりと重心をとらえていました。ストライドを今季広げていますが、出来としてはまずまずでした。
 準決勝は1組目の江里口(匡史・早大)君が10秒07と僕の記録を上回って、気合い、力が入りすぎちゃったかな、と思います。上手くスピードに乗れませんでした。
Q.夢の9秒台の手応えは?
塚原 そのとき感じたのは、楽じゃない、簡単には出ないな、ということです。ただ、つかみかけている部分もあり、ここで逃したくないという思いもあります。準決勝ではちょっと力が入ったこともあり(走りがよくなかったが)、正直、悔しいですし、端からは“逃げ”じゃないかと思われているかもしれません。この借りはベルリンで、100億倍にして返したい。

Q.ベルリンまでのテーマや、技術面やトレーニングでの課題は?
塚原 ひとまずケガの治療ですが、感覚の引き出しというかイメージを、アイドリングを保ちつつ、練習に復帰したときのイメージを描きつつ、治療に全力を傾けます。そんなにこれといった新しいことはありませんが、合宿などで報告できればと思っています。
高平 スタートがよくなったと朝原(宣治)さんにも言われましたが、意識はしていなくて、1〜2月にアメリカでやったものが自然とできているのだと思います。1つやりたいのは、日本選手権の決勝でも試したことですが、コーナーを抜けるときに外側を走っていくことです。去年まではインから行ってそのままインを走っていましたが、テレツさんからスピードを殺していると指摘されました。日本選手権では、自然と、ではないのですが、外側に走り抜けていく感じを試して、そこそこ上手く行きました。コーナーの遠心力で外側に振られないようにするのは、その方がいいかな、と思います。世界選手権まで練習の中身は変えませんが、そこを心掛けて練習していきます。あとはヨーロッパ遠征で課題も出てくるかもしれません。(気持ち的には)日本選手権前と変わらず、マイペースで行きます。
田野中 特に変えていくことはしないと思います。長くハードルをやってきて、積み重ねた技術を上手く表現できればと思います。自分の持ち味は前半型のところ。そこを研いて、(後半への)つなぎが上手く行けば記録も出ます。つなぎを意識して、マイペースでやっていきます。
岩水 毎年、日本選手権にピークを合わせて、ヨーロッパで維持して、そのまま世界選手権やオリンピックに臨んでいました。本番でくたびれていたことも多かったので、今年に関してはシーズンインがケガで遅れたこともあり、単純にこれから調子を上げて、世界選手権に一発懸けたいと思います。
醍醐 塚原君と同様、ケガを治すことが一番です。日本選手権は練習ができていない状態であそこ(2m24)まで跳ぶことができました。気持ちがすごく大事だとわかりました。技術的にもたくさん変えないといけないことがありますが、気持ちが一番だと思います。昨日、子ども(※※)も生まれましたが、それだけで5cmくらい伸びそうです。

※富士通の世界選手権代表人数としては、福嶋監督が出場した1993年シュツットガルト大会と、97年アテネ大会の6人。
●1993年代表
伊東浩司、福嶋正、苅部俊二、仲村明、今村文男、松田克彦
●アテネ大会
土江寛裕、伊東浩司、林弘幸、小苗久信、苅部俊二、今村文男
※※2940gの男の子。名前はいくつか考えている候補のなかから、これから決定する。



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