2009/5/7 世界選手権マラソン&競歩代表発表
マラソン5人目と補欠、競歩選手の選考の経緯は?
補欠選手の位置づけが従来とは違ったものに

 日本陸連は7日、男女マラソンの5人目の代表と補欠選手、競歩の代表選手を発表した。世界選手権ベルリン大会開催まで、ちょうど100日にあたるこの日、ロード種目のメンバーが出そろった。

●マラソン
男子:佐藤敦之(中国電力)
女子:赤羽有紀子(ホクレン)
男子補欠:高橋謙介(トヨタ自動車)
女子補欠:森本友(天満屋)
●競歩
男子20kmW:森岡紘一朗(富士通)、藤澤勇(山梨学大)、鈴木雄介(順大)
男子50kmW:山崎勇喜(長谷川体育施設)、森岡紘一朗(富士通)、谷井孝行(佐川急便)
女子20kmW:渕瀬真寿美(大塚製薬)、川崎真裕美(富士通)、大利久美(富士通)

 マラソンの5人目と補欠選手を選考した経緯を、会見に出席した河野匡・長距離・ロード特別対策委員会副委員長は、次のように話した。
「佐藤敦之選手は北京五輪で思う結果が出せませんでしたが、ロンドン・マラソンで選考会でのベストタイムを出した。よく復帰してきた。高橋謙介選手と別大優勝の小林誠治選手は、東京マラソン終了時に、高橋・小林の順でランク付けをしています。女子は森本友選手がロンドンで8位になりましたが、レース内容、記録とも大阪国際女子マラソンの赤羽有紀子選手の方が上と判断しました。補欠は大阪3位の原裕美子選手との比較になりましたが、レース内容などで森本選手を選びました」

 なお、マラソンの補欠選手が、従来とは若干ニュアンスが違う扱いになる。
「マラソンは5名ではなく、6名で戦うという意識」(澤木専務理事)
「補欠という意味合いよりも、6人目の選手という位置づけ。ぎりぎりまで帯同して、選手として戦ってもらう。エントリーのルールを最大限に活用すれば、2日前、1日前という時点まで解除しないことも可能です。選手の動向を見ながら見極めていきたい」(河野副委員長)

 競歩は昨年の北京五輪の入賞で山崎の代表入りは決定済み。男女20kmWの日本選手権優勝者の森岡、渕瀬も自動的に内定していた。
 2人目以降は選考基準の範囲に複数の選手が該当する。競歩は標準記録突破者が男子20kmWが5人、50kmWが6人、女子20kmWが5人と多い。
 選考に際しての判断基準は
「1つめは前期と今期の2シーズンの記録の伸び。2つめは直接対決の結果。3つめは直近の選考レースの結果」(木内敏夫・長距離・ロード特別対策委員会委員長代理)
 だという。
 男子20kmWは1月の日本選手権2位の鈴木雄介と3位の藤澤勇が、3月の全日本競歩能美大会でも(順位は入れ替わったが)日本選手1、2位だった。
 男子50kmWは山崎が優勝した昨年10月の全日本競歩高畠大会で2位・明石顕(ALSOK)、3位・森岡で、谷井は出場していなかった。だが、4月の日本選手権で2位・森岡、3位・谷井で、こちらが直近の大会となる。
 女子20kmWは日本選手権で1位・渕瀬、2位・川崎、3位・小西祥子(大阪陸協)、4位・大利だった。3月の能美大会では1位・渕瀬、2位・大利、3位・小西の順(日本選手だけの順位)。記録の伸びという点では
 小西:1時間30分26秒→1時間29分39秒(47秒)
 大利:1時間32分30秒→1時間31分42秒(48秒)
 と甲乙つけがたいが、直近の直接対決の結果が重視された。

 世界選手権本番での目標については、以下のような回答だった。
「強化としてはメダルを最低でも1、入賞1か2を提案しようと思っている」(木内委員長代理)
「私の立場からすると、もう少し厳しい数字になると思っている」(澤木専務理事)
「各国のエントリー選手を見て、最終的に設定したい」(木内委員長代理)
「50kmWでなんとかメダルを。女子も含めてメダル1つと入賞2が目標」(鈴木従道・長距離・ロード特別対策委員会副委員長)
 目標は“予想”ではないとはいえ、これらの数字が達成されることは関係者の願いである。個人的には、マラソンの入賞数がもう少し多くなれば、という希望を持っている。


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