2009/3/23
世界選手権マラソン代表1次発表
選考理由、今後の選考手順などを陸連が発表
日本陸連は23日、今夏のベルリン世界選手権マラソン代表として、以下の男女8選手を発表した。
入船 敏(カネボウ)
清水将也(旭化成)
前田和浩(九電工)
藤原 新(JR東日本)
尾崎好美(第一生命)
渋井陽子(三井住友海上)
藤永佳子(資生堂)
加納由理(セカンドウィンドAC)
国内の選考競技会男女各3大会の日本人1位選手に加え、男子は福岡で入船に続いた藤原が、女子は東京2位の加納が選ばれた。
陸連長距離・マラソン対策委員会と記者団との質疑応答から、一部を抜粋する。
●4番目2選手の選考理由
Q.4番手のとして選ばれた藤原選手と加納選手の選考理由は?
木内委員長代理 藤原選手は福岡で2番目で、すべての選考レースの中で(2番手以下の選手のなかで)最上位の記録。オリンピック翌年の世界選手権ということで、現在の日本人トップと若手を(上手く組み合わせて)派遣することを大前提にしていた。2011年の世界選手権はまた新たな選考になるが、ロンドン五輪まで中期的に見て、もっと若手が育ってほしいとは思うが、現状では、そういう理由で藤原選手となった。加納選手は東京で2位で、記録的にも安定性でも、すべての面で優先される選手だと判断した。
Q.世界選手権本番での目標は?
木内委員長代理 メダルを取りたいと思っています。それにプラスして入賞者も出したい。
Q.5人目の選考はどういう手順になりそうか。
木内委員長代理 男子の別大、女子の北海道、IAAF公認のマラソンの中で選ぶ。4月にIAAF承認大会が9つ残っている。4月30日までが選考可能な期限と公示している。現時点で海外レースを予定しているのは、全員がロンドンですが、男子の佐藤敦之選手(中国電力)、女子の森本友選手(天満屋)、奥永美香選手(九電工)の3人。ロンドンを待って5、6番目の選手を決定したい。今までに終了しているなかでは、東京で日本人2位の高橋謙介選手(トヨタ自動車)、別大優勝の小林誠治選手(三菱重工長崎)を含めた中での選考になる。女子は赤羽有紀子選手(ホクレン)、原裕美子選手(京セラ)を含めた中で選考したい。
●オリンピック翌年の世界選手権選考
Q.赤羽選手はトラックでも有望な選手だが、4月末まで決定を待つと影響があるのでは?
木内委員長代理 この1年で5000m、1万m、ハーフマラソンで日本歴代上位に入る記録を出している選手。戦える選手の1人と期待している選手。ただちに対応したい。
河野匡副委員長 赤羽周平コーチとの話で、本人がマラソンに重きを置きたい考えを確認している。トラックに移行できるのか、マラソンをやるのか、4月末時点の判断で大丈夫という確認はしている。
Q.今回の選考基準にタイムを設定しなかったことが、選手のパフォーマンスに影響があったと考えますか。
河野匡副委員長 記録だけを見ると皆さんの判断になりますが、今回の選考はオリンピック翌年ということで、入り口を広げよう、選考の門戸を広げようと考えた。現場の指導者たちから、3月末まで決定しないで、不安定な状態でトレーニングをするのは精神衛生上よくない、という意見が出ていた。勝負強い選手を育てるという意味でも、日本人1位の選手を選ぶのも1つの方法だと判断した。そのなかでも、タイムのことを重視する考えも含めておいておく意味で、海外のレースも選考対象にした。これはオリンピック翌年の世界選手権ということでの選考規定。来年のアジア大会、ロンドン五輪前年の世界選手権、オリンピックの選考会は、そのなかでより強い選手、良い選手を輩出する流れを作りたい。
●東京の女子の扱いについて
Q.5番目の候補に、福岡で2時間9分台の佐藤智之選手が入っていない理由は?
木内委員長代理 渋井選手と小林選手も含め、何人かが2度の挑戦をしている。渋井選手は大阪で優勝して(最初の失敗を)大きく払拭する結果を出した。小林選手は、主催と後援の差ということと、福岡で失敗している。日本人最上位、タイム、その他の条件などを考慮し、どうずべきかという議論の上で決定した。佐藤智之選手は福岡の結果では選ばれないと自覚しての再チャレンジだった。そこで敗れているので納得をすると思う。再チャレンジは、日本人1位でないと難しい。
Q.東京の女子は選考対象に含まれないが、昨日の那須川瑞穂選手(アルゼ)の、あの条件を考えると2時間25分台は良いレコードだったかと思う。東京はIAAFの承認レースでもある。今後のことを考えると、東京が大きな大会になっていく。もしもそこから選ばれないとなると、一般の人にはわかりにくいことになると思うが?
河野匡副委員長 議論に上がってはいる。今回は唯一の男女混合レースであり、記録の出るシチュエーションも大きく違った。選考対象にはできなかった。今後となると東京の規模、レベルなどから、その考え方が発展していくのはまぬかれないと我々も認識している。那須川選手の昨日の記録は、強化指定に反映させるなど、強化としては評価している。
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