2009/3/22 東京マラソン
土佐、北京五輪で完走できなかったマラソンに“区切り”
「勝負をしたい気持ちになったら、またマラソンをやりたい」


「マラソンは、最後までしっかりと走って、ゴールまで行かないと充実感がありません」
Q.引退レースを振り返ると?
土佐 スタート前に旦那から「コケるのだけは気をつけろ」と言われていたのですが、5kmでコケてしまって。それで目が覚めて、最後まで粘って走れたとのだと思います。
Q.北京五輪で切れなかったゴールテープを切った感想は?
土佐 やっぱりマラソンは、最後までしっかりと走って、ゴールまで行かないと充実感がありません。ゴールできて良かったです。
Q.転倒したときの状況は?
土佐 道路のでこぼこに気づかず、つまずいてしまいました。
Q.ゴールでご主人に出迎えられ、涙を流していたように見えましたが、そのときの気持ちは? 
土佐 今日は笑顔でゴールしてね、あと万歳してね、と旦那から言われていました。それなのに、私は笑っているのに旦那はすでに泣いていて、泣いてるじゃんと思ったらもらい泣きしてしまいました。
Q.今回のマラソンで一区切りということですが、次の目標は?
土佐 マラソンは一区切りですが、来年度からも三井住友海上の所属で、ゲストランナーやそういう活動だったり、チームの方に顔を出して練習したりという形でやっていきます。
Q.途中棄権に終わった北京のレースに、これで区切りをつけられたのでしょうか。
土佐 北京が終わってここまで来るのに、気持ちが盛り上がってこなくて、やっとスタートラインに立てたような感じでしたが、今日は納得のいくレースができました。悔いなく、一区切りができます。

「後半勝負でしか自分の持ち味を表現できない。そこだけを自信にやってきました」
Q.スタート前はみんなで「トーキョー」と声を出したりしてリラックスされた感じでしたが、最後はここまで頑張るんだ、という走りでした。その辺はどういう思いでしたか。
土佐 楽しみながら走ろうと思っていましたが、全体では苦しみの方が大きいだろうな、というのはわかっていました。最後まで自分らしい、粘りのあるレースをしようと思っていましたから、追い込むことができてよかった(※)。沿道の方たちの応援がすごくて、ちょっと頑張れたと思います。
※土佐のラスト2.195kmは7分56秒で、男子を含めても10何番目の速さ。
Q.今回はチームを離れて作り上げてきたマラソンだったと思いますが、その点で、どういう思いがあったのでしょうか。それと、将来また、本気で走ることがあるのでしょうか。
土佐 今回は松山に帰って旦那のメニューでやってきて、自分としてはすごく不安がありました。気楽なところもありましたが、それでも、いつもの自分と比べてしまって、走れないことを旦那に当たり散らしてここまで来ました。なんとか走れてよかったな、という思いがあります。もしも子供ができたあと、また勝負をしたい気持ちになれば、またマラソンをやりたいな、という気持ちはあります。
Q.土佐さんの粘りを他のランナー達も目標にしているのですが、ご自分の何が、それを可能にしていたと思われますか。
土佐 やっぱり、後半勝負でしか自分の持ち味を表現できないというか、今までそこだけを自信にやってきました。そこだけは外せない、最後までしっかり走ろうと。
Q.土佐選手に続く選手にメッセージをお願いします。
土佐 これからスピードのある皆さんがマラソンをやっていくと思うのですが、ガンガン攻めて、そして最後までしっかり粘る走りをしてもらいたいな、と思います。


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