2009/2/12 横浜国際女子駅伝FINAL!記者発表
渋井、加納、小林らファイナルにふさわしいメンバー

ヨコハマ
が果たしてきた役割と今年の展望
 横浜国際女子駅伝(2月22日)の記者発表が12日、東京汐留駅近くの日本テレビで行われた。来年から陸連主催の国際女子マラソンが横浜で行われるため、今年が最後の開催となる。冒頭で挨拶に立った河野匡陸連長距離・ロード特別対策委員会副委員長は、「作り上げてきた思いと、伝統を大切に、一生懸命の走りを期待したい」と述べた。

 1983年にスタートした横浜国際女子駅伝は日本の女子長距離黎明期に、全国都道府県対抗女子駅伝とともに普及と強化の双方の役割を果たしてきた。
 80年代にはクリスチャンセン(ノルウェー)、モタ(ポルトガル)、スレーニー(米国)、カザンキナ(ソ連)という世界のスター選手が来日し、世間の注目を集めた。
 五輪や世界選手権と同じ日本代表とは言えないが、日本選手たちも“国際経験”を積むことができた。また、地域選抜も7〜8チーム参加でき、地方の高校生や指導者が、国際大会の雰囲気を経験できたこともよかった。

 90年代は日本が主役になった。
 1990年に初優勝したときは健闘だった日本だが、93年に2度目の優勝を果たすと、95年から99年まで5連勝を達成。高橋千恵美(日本ケミコン)、田中めぐみ(あさひ銀行)、小鳥田貴子(デオデオ)、千葉真子(旭化成)らの、五輪・世界選手権の日本代表選手たちが活躍し、かつての外国スター選手たちに代わって注目を集めるようになった。
 また、90年台前半までは記事の見出しが毎年のように“ヤングニッポン”だった。高校生や高校卒業直後の選手が活躍するが、その後は育たない女子長距離界の傾向を象徴していた。だが、90年台後半からは、弘山晴美(資生堂)や早狩実紀ら、20歳台半ば以降の選手たちが活躍するようになった。その年齢までしっかりと成長しないと、世界では戦えないことの裏返しだった。

 2000年以降はロシア、エチオピア、ケニアが強力チームを編成するようになったこともあり、日本の優勝は02年と05年の2回だけとなった。
 だが、世界にチャレンジする日本選手の姿勢は貫かれている。2000年大会の1区で野口みずきが区間賞、4区では渋井陽子(三井住友海上)が区間新(区間2位)で走った。その後、1万mとマラソンで日本記録を更新する2人が同じチームで走ったのが、今になって振り返ると暗示的だった。
 02年の優勝時には、その年にトラック2種目の日本記録を出す渋井と福士加代子(ワコール)のコンビが、ともに区間新の走りで2位以下を圧倒した。1区の山中美和子が、3月の世界クロカンで4位に入賞したのも、長距離界では高く評価された。
 06年以降はロシア、エチオピアが強力すぎて歯が立たない状況が続いている。それでも、06年6区区間賞の新谷仁美や、08年1区区間賞の小林祐梨子(豊田自動織機)らの若い力が、世界に挑戦する場と位置づけて奮闘している。

日本が勝てば優勝回数単独トップだが、本命はロシア
 今年の日本チームは
渋井陽子(三井住友海上)
加納由理(セカンドウィンドAC)
小林祐梨子(豊田自動織機)
小島一恵(立命大)
木崎良子(ダイハツ)
清水裕子(積水化学)
浦田佳小里(天満屋)
 というメンバー。
 写真は会見に出席した大会イメージソング「桜」を歌うFUNKY MONKEY BABYS
 スピード派もいればスタミナ派もいる。日本代表経験がある選手もいれば、これから代表入りしそうな上り調子の選手もいる。年齢的にも30歳の加納から20歳の小林までいる(2人とも須磨学園高出身)。色々な意味でバランスの取れたチームといえるだろう。
 横浜国際女子駅伝との接点という視点でも、それぞれの時期に、それぞれの立場で横浜に関わってきた選手が集まった。
 この日の会見では加納が「2005年はチームが優勝し、自分も区間賞を取れて良いイメージの大会」と言えば、02年大会に優勝している渋井も「日本代表で優勝できて、嬉しかった大会」と振り返った。小林だけが「3回連続で出て優勝の経験がありません。一度、特に今年はファイナルなので、優勝を味わいたい」と話した。

 優勝回数では日本とロシアが9回で並んでいる。ファイナルを優勝回数単独トップにして飾りたいところだが、今年もロシアが強い。
 北京五輪1万m5位のコノワロワと、同6位のアビトワの2人が1万mで30分30秒台の記録を持ち、ザドロジナヤは5000mで14分40秒47。脇を固める選手たちも15分10秒台の選手で、優勝候補の大本命だ。ケニアも15分10秒台の選手を4人送り込んでくる(マサシという名前の選手もいるが…)。
 だが、ロシアといえども、100%の力を毎回出せるわけではない(出せる確率は他の外国に比べて高いが)。
 個人的には、会見に出席しなかった選手たちがしっかりと走れば、日本にも可能性はあると思っている。短い区間に起用されそうな清水や、将来性を買われている小島たち。彼女らがロシアやケニアに差をつけられない走りができれば、日本女子長距離の今後につながるファイナルとなる。


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