2009/4/26 兵庫リレーカーニバル
MTC新加入の菅井が7m87
悪コンディションのなか自己記録に3cm差


 強風と低温(16.5℃=正午)のためどの種目も低調に終わった今年の兵庫リレーカーニバル。男子800 mで大会新が生まれたものの、各種目の上位選手のなかで自己新記録を出した選手は皆無だった。
 そんな停滞ムードのなか男子走幅跳に優勝した菅井洋平ミズノ)が唯一、自己記録に迫るパフォーマンスを見せた。

 荒川大輔(大阪陸協)と同記録のトップでベスト8に入った菅井だが、3回目までの最高は7m67にとどまっていた。4回目に入って品田直宏(濃飛倉庫運輸)が7m70でトップに立つと、最終跳躍者の菅井のジャンプがそれ以上に伸びた。7m87(±0)は昨年2度マークした7m90の自己ベストに3cm差と迫る快記録だった。

「3本目までは力の入らない助走で、走り込めない踏切でした。4回目は身体が動いて踏み切れました。4本目だけでした。今日は記録狙いだったので、標準記録(B:8m05、A:8m15)が切れなかったのは残念ですが、コンディションが悪いなかで自己ベストに近い記録を出すことができ、去年よりも力がついていることを確認できました」

 昨年の7m90は大分国体と田島記念。ともに10月の試合で特に大分国体は、今大会と同様、低温の悪コンディションだったという。「寒さには苦手意識もありますし、対策としては冷えないようにしていることくらいですが…」と、他の選手と“有意差”を感じているわけではない。しかし、この日の結果を見る限り、菅井が寒さに強いのは確かだろう。あるいは、力的に抜け出た存在になっているのか。シーズンインしたばかりなので、簡単に決めつけることはできないが…。

 走幅跳で世界選手権の標準記録を破っているのは荒川1人。菅井本人も言っているように、標準記録を破ることが走幅跳選手全体の最優先課題となっている。昨年は追い風3.0mで参考記録となったが、日本選手権で8m13を跳んでいる。
「A標準を跳ぶには(今日のように4本目でなく)前半から流れを作ること。あとは助走の完成度だと思います。今はまだ接地に力がなく、フワフワしてしまっています。もっと深く接地して、前に進む感覚が出てくるといいのですが」
 数字だけを見るとまだまだということになるが、この日の悪コンディションを考えると、その可能性は十分にあると思える菅井の跳躍だった。


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