2009/7/5 札幌国際ハーフマラソン
男子は佐藤が日本人トップで1時間02分54秒
同2位に高橋とマラソン代表勢が日本人ワンツー


佐藤のレース後の一問一答
「ベルリンにつながる走りができたかな、と思います」
Q.今日の走りを振り返ると?
佐藤 昨日の会見でも63分前後と言って、そのあたりで走れて(1時間02分54秒)、目標はだいたいクリアできたかな、と思います。最初の5kmが14分06秒で速い入りをしてきつくなりましたが、そこから落ち着いて走って、最後はペースアップできたことで、ベルリンにつながる走りができたかな、と思います。走り終わってイヤな疲れもありません。1つの練習として、1回叩いて、調子が上がってくるんじゃないかと思います。
 今回、何が難しいかというと、ロンドンから短いインターバルで世界選手権に向かう流れのなかで、なかなか調子がつかめずに練習してきたことです。去年、北京五輪で失敗した嫌な思い出も脳裏をよぎったりしましたが、これも自分を成長させるチャンスだと思い、(今回の方針にしている)腹八分でつないでいくことを意識しています。流れが途切れるとチャンスがなくなりますし、大事なところで外してしまいます。確実につないでさえいけば、チャンスも生まれます。
 今後は明日から7月17日まで菅平で合宿しますが、2週間試合が続いたので、質を落として量を踏む練習をします。土台をつくる感じのメニューになります。ベースをつくった後、ニュージーランドのネルソンで7月20日から8月8日まで合宿します。向こうは冬なのでリスクもありますが、暑いなかで練習して疲れを残すよりもいいと判断しました。ネルソンはアップダウンもあるので、しっかりと脚づくりができます。脚ができればマラソンの後半でアグレッシブな走りができ、ベルリンで勝負ができると思います。去年のようなことが2度とないよう、目標が達成できるようにしたい。
Q.世界選手権補欠の高橋謙介選手に追い上げられた点は、どう考えていましたか。
佐藤 正直、負けたくない、という気持ちはありました。日本選手には負けたくなかった。折り返しでは差があって、なんとかなると思いました。坂を上がり始める前に確認すると謙介がいて“ヤバイ”と思ってペースを上げました。そこまで楽をして走っていたとわかって、追い込まないとダメだな、と思って。

「日本選手権では不安がよぎりましたが、今日で良い方向に来ていることがわかりました」
Q.去年はこの大会の時点で疲れてしまっていたようですが、比較すると?
佐藤 去年は“このままじゃダメかもしれない”と感じ始めていました。あれから比べると今年は、逆の方向に行っていると思います。日本選手権はダメで悪い方向に行ってしまっているのかと不安がよぎりましたが、今日で良い方向に来ていることがわかりました。それが収穫でした。
Q.ロンドンから短期間のなかで、手探りのところもあった?
佐藤 もちろんありました。でも、挑戦していくことも大事です。そのなかでも、底力で修正できています。日本選手権の1万mから中1日で30km走をやって負荷をかけて今日、走りました。その流れで軌道修正できたのがよかった。

Q.5km通過が世界記録ペースだったのですが、位置取りについてどう考えましたか。
佐藤 位置取りというか、ケニア人と日本人の壁を作りたくなかった。日本選手の集団で進める選択肢もありましたが、最初の5kmはしっかり入ろうと考えました。2007年は13分50秒で入っていますから、その辺を思い出して走りました。自分から壁をつくるのが嫌だったんです。世界も高速化していて、ロンドン・マラソンでは最初の5kmを、そこも少し下りですけど、14分08秒で入っています。そういう状況のマラソンをやらないといけなくなっています。前半ゆっくり、はありません。ベルリンも速く入った選手が後続をちぎっていく展開にならないとも限りません。今日の入りはベルリン対策にもなったと思います。


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