2009/1/26 大阪国際女子マラソン翌日
渋井が一夜明け会見
東京との違いはストライド(=力み?)
「初マラソンのビデオを見て、大阪城を出てから気持ちよく走っているイメージを持ちました」
Q.一夜明けてみてどうですか。
渋井 意外に疲労を感じています。朝、走ってみて“来てるな”と感じましたから。
Q.脚のどのあたりに来ていますか。
渋井 もう、全体ですね。
Q.込み上げてくるものが、1日たって違いますか。
渋井 うーん。別にないですね。
Q.昨夜は何時くらいまで?
渋井 皆さん、騒いでいましたが、私は12時くらいに降りています。夜景が綺麗なところで和食を食べました。
Q.メールとか電話は?
渋井 メールがたくさん来ていました。50は越えていたと思います。
Q.土佐(礼子)さんへの電話はつながりましたか。
渋井 2回目でつながりました。(イベントの仕事があったため生で見られず)ちょうど、ビデオを見ているところで、15kmとか言っていました。喜んでくれました。
Q.改めて、昨日の勝因は何だったと?
渋井 ……落ち着いて走ったこと、ですかね。
Q.土佐さんから、ここが勝因だったという話は?
渋井 ないですね。ただ、引っ越すときに「あんたは考えすぎるから、考えるな」と言われました。だから、考えるのはやめようと思ったんです。それで中国合宿中に(初マラソンで優勝した)2001年のビデオを見たんですね。やっぱり、シンプルにやらなくては、と強く思いました。
Q.2001年は中盤から独走でしたが、今回は30kmまでは我慢した展開でした。通じるところは何だったのですか。
渋井 とにかく、大阪城を出てから気持ちよく走っていることを、ずっとイメージしてみました。
Q.スローペースという点ではアテネ五輪選考会だった2004年の大阪(9位・2時間33分02秒)がそうでしたが、違いは何でしたか。昨日は「ためるコツ」ということを言っていましたが。
渋井 ハーフまではすごい恐怖がありました。このままスローペースにはまってしまうじゃないかって。でも、折り返して総監督と目が合って、なんとなく今日は違うんじゃないかと思いました。フッと、軽くなった気がして。(前半で)とにかく、疲れないような走りを意識していました。
「記録は狙いたい。でも、世界選手権は勝負に」
Q.後半ペースアップした昨日の走りが、理想ということになりますか。
渋井 なんかなんか、ですね。私は速い選手になりたいので。たぶん、強い選手じゃないので。記録は狙いたいと思っています。
Q.世界選手権は速いコースらしいのですが、勝負重視になりますか。
渋井 ここまで来たら、私もメダルが欲しいので、勝負に徹するかもしれません。
Q.昨日のような展開になることも?
渋井 はい。
Q.総監督は、世界選手権の展開をどうしたいと?
鈴木総監督 世界選手権は肩書きになる。勝ちに行った方がいいと思う。記録は別の所でも出せますから。勝負に徹していくと思いますね。昨日も35kmまでの5kmで、その前の5kmよりも1分05秒も上がっている。世界選手権でも十分、勝負ができると思う。
Q.昨日は2004年と比べて、30km以降の風はどうでしたか(坂本直子が35kmまでを15分47秒にペースアップして優勝したときは追い風が強かった)。
渋井 すごく向かっていました。
Q.3分09秒まで上げたところもありましたが、ノリノリという感じでしたか。
渋井 そこまで上がっているとは思いませんでしたが、沿道からは「また、やっちゃうぞ」という声も掛けられました(笑)。でも、今日は違うと思って走りました。できるだけ、大股で走らないように、ピッチを意識して走りました。
Q.それは、東京の反省から?
渋井 東京ではアップのときから、ストライドになっていました。“走ろう、走ろう”という気持ちの表れで、力みにもつながっていたと思います。昨日は、遅くてもいいから気持ちよくアップしました。
Q.総監督は、今後のプランをどうお考えですか。
鈴木総監督 (渋井の方を向いて)とりあえず、のんびりしないとな。体ができていなかったら、4カ月前に体づくりをして、続く3カ月でやっていくでしょう。
渋井 69日前に1本やっておけばいいかも。※今回の東京と大阪の間隔が69日。
鈴木総監督 失敗したけど、やった効果はあった。ちょっときつかったけどな。駅伝があって、そのあと急にマラソン用のアップダウンをやったから。
Q.今後は、1週間前まで重い状態でも、気にしないでやれそうですか。
渋井 ちょっと調子を落とし気味で来た方がいいのかもしれません。練習で疲れた状態にして。
Q.レース前日の1000mの2分56秒は、自身の感覚より良かったのですか。
渋井 はい。日本に帰って本当に悪かったので、ビックリしました。
鈴木総監督 4日前の5kmがだいぶ行けていた。呼吸が上がらずに15分56秒で行けた。
渋井 火曜日あたりにちょっと脚をやっちゃいました。寒かったせいでピリっと。2〜3日****ますが、もっと慎重になりました。
Q.ベルリンで街として覚えているものはありますか。
渋井 いやー、暗いサングラスをして、こう(両手を狭める)走っていたんで、何も覚えていないですね。でも、縁起のいいところなんで楽しみです。
「やっと勝てたので、これからも勝っていきたい。ここが始まりとしたい」
Q.東京から間を置かないで成功したことが、今後の経験として役に立ちますか。
渋井 …はい。また機会があれば。
Q.練習パターンやレースパターンに引き出しが増え、オールラウンドのランナーになった気がしますが?
渋井 ……
Q.我々が評価することですか。
渋井 はい。してください。
Q.8年ぶりの優勝は日本の女子マラソンで例がありませんし、渋井選手ほど山あり谷ありの競技人生を送っている選手も少ないのですが、ご自身では自分の競技生活はどういうものだと思っていますか。
渋井 こうなってから、調子込まないことじゃないですか(笑)。やっと勝てたので、これからも勝っていきたいですから。ここが始まりとしたいです。(競技生活を)ちょっと濃いものにしていきたいですね。
鈴木総監督 そんなに長くないしな。ロンドンの選考会まであと2年。その結果で、もう1年伸びるかどうか。
渋井 この1〜2年が勝負かな。
Q.中国合宿中に、今回ダメだったら進退も考えると言われたと聞きましたが。
渋井 中国でちょっと、総監督に言いました。普通の話し方でしたが。
鈴木総監督 そういうのは、本人の気持ちだから。それだから、集中してできたのかもしれないし。
Q.世界選手権では土佐さんが銀メダルと銅メダル。渋井さんはエドモントンで4位。
渋井 金メダルしかないですよ!
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