2009/6/25 日本選手権1日目
4連勝の福本、“引退”ではなく…
エスビー食品は9年ぶりのトラック代表
田幸監督は駅伝出場に意欲
女子走高跳は福本幸(大阪陸協)が1m85をクリアして4連勝。自己新となる1m82で食い下がった三村有希(関西大)を抑えた。
「今日の試合は世界選手権を目指した試合。そこまで挑戦できない状況でも、日本選手権は1年で一番緊張しますし、記録も出したい試合。1カ月前からノートにもカウントダウンを書き込んでいました」
世界選手権を狙えないというのは、助走の最後で内傾するところに狂いが生じ、その修正が間に合わなかった。5月の関西実業団で「補助助走が5歩では1m90は狙えない。2歩足して行けるかもしれない」と気づいた。
その試合は雨がひどくなって試せなかったが、その後に1m85に成功。
「新しい助走にチャレンジして3試合目。本当は日本選手権にきちんと合わせないいけないんですが…」
教員としての生活を優先しているため、難しい部分もあるようだ。
それとも関連するが、4月の日本選抜和歌山大会の際に、今季いっぱいで引退と報じられたが、福本によれば違うニュアンスだという。
「引退ということなら、昨年からそれに近い状態。こういうことを言っていいのかわかりませんが、そろそろ子どもも欲しいという話をさせていただいたんです。競技生活は、教員生活をやりながらどこまでできるか、というスタンスです」
エスビー食品・田幸寛史監督は、駅伝出場の意向であることを明かした。
男子5000mでは入社2年目の上野裕一郎が優勝し、初のトラック世界大会代表切符を手中にした。瀬古利彦、新宅永灯至、金井豊、遠藤司、渡辺康幸、平塚潤、花田勝彦、武井隆次、西田隆維、国近友昭とオリンピック、世界選手権の代表を輩出してきた名門チームだが、トラックの代表は2000年シドニー五輪の花田が最後。
5000mでは新人の竹澤健介も標準記録を狙って積極的なレースを展開。3000mで上野にかわされたが、最後まで粘りきって2位を確保し、エスビー食品がワンツー・フィニッシュ。昨年から名門チームの陣頭指揮をとる田幸寛史監督はレース後、これも2000年を最後になった駅伝出場を計画していると話した。
「ずっと検討してきたことなのですが、戦力が整わなかった。9人しかいないので、ケガ人が出たら出場できませんが、(名門チームとして駅伝で負けられない意識もあるが)エスビー食品も昔とは違う。失敗をしてもいいじゃないか、という考えです。強化という点でもプラスにできると思っていますし、今日のように観客の少ないなかで走る現状も変えたい」
若手戦力の加入で、9年ぶりのトラック代表に加え、9年ぶりの駅伝出場が実現しそうな雰囲気になってきた。
寺田的陸上競技WEBトップ
|