2009/3/7 名古屋国際女子マラソン前日
V候補筆頭は2時間23分27秒を持つ白(中国)
その強さはマラソンに対して“構えない”ことか?
「名古屋は初めてなのでどんな成績になるかわかりませんが、明日は優勝したいと思っています」
名古屋国際女子マラソン前日の会見で中国の20歳・白雪(中国)が、控えめな口調ながら決意を口にした。
今年の名古屋出場選手のなかでは、持ちタイムでは2時間22分54秒のシモン(ルーマニア)が1番だが、1月末の大阪から1カ月強という強行軍。「トップ集団で行ける体の状態ではない」とシモン自身が言う。
そうすると、昨年のアモイ・マラソンで2時間23分27秒(2位)で走り、北京マラソンに優勝(2時間26分27秒)した白が優勝候補筆頭と言えるだろう。
白とはいったい、どういう選手なのだろう。
下記の表からわかるように、初マラソンは2003年で15歳のとき。しかし、翌年の2度目のマラソン後は、3年間出場していない。
その間に世界ジュニア選手権5000mで4位と、トラックでスピードを養成した。北京五輪は1万mで出場している(21位)。
白のマラソン全成績(判明分)
Time |
Race |
Place |
Date |
2:37:40 |
Shanghai Marathon |
4th |
30-Nov-08 |
2:26:27 |
Beijing Marathon |
1st |
20-Oct-08 |
2:33:53 |
Zhengzhou Marathon |
2nd |
30-Mar-08 |
2:23:27 |
Xiamen Marathon |
2nd |
5-Jan-08 |
2:27:46 |
Beijing Marathon |
3rd |
21-Oct-07 |
2:33:51 |
Zhengzhou |
1st |
6-May-07 |
2:42:21 |
Joon Ang Seoul Marathon |
3rd |
7-Nov-04 |
2:37:07 |
Beijing Marathon |
8th |
19-Oct-03 |
※ケン中村氏調べ
トラックでのスピードが十分と判断したのかどうかはさだかではないが、2007年からは再度マラソンに出始め、同年に2レース、2008年は4レースに出場している。
レース数の多さは日本の常識から完全に外れている。
「1年に4レースは自分でも普通ではないと思います。でも、全部のマラソンにちゃんと準備をしているわけではありません」
昨年でいえば、全力で走ったのはアモイと北京の2大会だけだ。
「私はマラソンという種目が大好きなのです。いつも楽しく走れるから。年に4レース走ることができるのも、マラソンが好きだからです」
15歳の初マラソンが、自身の意思だったかどうかはわからない。この2年間で6回もマラソンに出ているのも、なんらかのしがらみがあったのかもしれない。だが、それをこなしてしまうのは、マラソンを特別なものと構えていないからのように見える。これまで走ったマラソン回数を質問すると「自分でもよく覚えていないのです」という答えが、笑顔とともに返ってきた。
若い頃から「マラソンが好き」と話す選手には、スタミナ派の選手が多い。スピードはないが、長い距離をトコトコ走ることが得意な選手である。だが、前述のように、白は日本のトラック選手なみのスピードもある。そして、世界のトップを狙う意欲も。
「将来、表彰台の世界最高の場所に立てるくらい優秀な選手になりたい」
2009年の名古屋が、白のステップの1つになるのだろうか。
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