2009/9/6 日本インカレ
day3

男子棒高跳
史上初の学生5m50台トリオの対決
笹瀬が5m50の学生歴代5位タイ&大会新


 学生記録(5m56)保持者の荻田大樹(関学大4年)、5m55の歴代2位を持つ鈴木崇文(東海大4年)、5m50を持つ笹瀬弘樹(早大2年)。史上初めて、5m50台の記録を持つ3選手が一堂に会したインカレとなった。荻田と鈴木が昨年、今年と2シーズン連続で大台越えに成功しているところに、今年7月の台湾遠征で5m50を跳んだ笹瀬が加わった。

 期待に違わず、5m40から巴戦の様相を呈した。
 5m20から跳び始めた笹瀬が5m40を2回目にクリア。世界選手権帰りの鈴木は5m30を2回目に成功すると5m40はパス。5m20を2回目に成功した荻田が、5m40を3回落として最初に脱落した。
 笹瀬と鈴木の静岡決戦となったが、次の5m50の1回目の跳躍で、鈴木が脚に痙攣を起こしてしまう。世界選手権の疲れがあったのかもしれないが、もともと痙攣の多い選手。今季からハイソックスを着用するなど対策を講じているが、最後のインカレの勝負所で出てしまった。
 試技順が後の笹瀬も1回目を失敗。鈴木は勝敗的にはパスをする必要がなかったが、回復の時間を稼ぐために2回目以降をパス。
 一方の笹瀬は好調で、自己タイとなる高さを2回目にクリアした。「来年を見据えて5m60は跳びたかった。60を跳べば勝利もついてくると思っていた」と言う笹瀬は5m55をパス。
 その高さで鈴木が勝負を挑んだが、2回失敗して笹瀬の初優勝が決まった。世界選手権を経験した鈴木は、「負けてはいけないところで負けてしまった」と、先輩の前で悔しがったという。

 笹瀬も学生新の5m60は越えられなかったが、初優勝を飾った。
「まずは嬉しいですね。昨年は僕が勝てなくて、早稲田の多種目優勝ができなかった。今年は早稲田を背負って頑張れたと思います」
 澤野大地の大会記録に並んだが? という質問に対し、次のように答えた。
「大会記録は意識していませんでしたが、崇文君と荻田さんの前で跳べたことに意味があります」
 記録で先行されていた2人に追いついたが、海外の小さな大会で出しただけでは、周囲に与えるインパクトが小さい。ライバルたちの前で跳ぶことが重要だった。

 今季前半に5m50台が跳べなかったのは、「助走スピードを上げることばかり意識してしまったこと」がよくなかったと分析する。
「助走と踏み切りをつなぐ部分がおろそかになっていました。台湾遠征くらいから、上げた助走スピードはそのまま、以前からやってきた基本をもう一度思い出して、踏み切りへのつなぎがよくなりました。今日の5m50もそこが上手くいきました」

 ライバル2人の前で5m50を跳べたことで、「落としすぎてしまった。気持ちを入れれば5m60も跳べたかもしれない」と反省する。そのくらい、3人の対決で神経が消耗した。
 だが5m60も、今の力では全てが上手くいかないと難しいとも自覚している。
 現在、16.5フィートの長さで、フレックス17.2の硬さのポールを使っている。握りは4m60前後。“抜き”は90cmだが、現在のポールの反発で1mを抜くのは難しい。
「今年中に4m70を握れるようになったら、5m60も跳べると思うんです」
 まずはスーパー陸上で、その課題に挑戦する。


寺田的陸上競技WEBトップ