2009/2/21 熊日30kmロード前日
初30kmが注目される三津谷、
「頭を使ったレース」(森下監督)が目標
トラックの雄、三津谷祐(トヨタ自動車九州)が明日(22日)の熊日30kmロードで、初の30kmに挑む。17時からの開会式に出席した三津谷が、明日への意気込みなどを語った。
同学年のライバルである大野龍二(旭化成)は欠場するが、
「大野が出ても出なくても目標は同じ。しっかり勝ちにいきたい」
と、モチベーションは変わっていない。
初30kmに向けての練習は、
「練習量が増えているというより、内容がしっかりとこなせている」
感じだという。
「毎年この時期は、ニューイヤー駅伝が終わってケガをしていることが多いのですが、駅伝に出なかった分、12月から1月にかけて、合宿などですごく良かった」
1月の全国都道府県対抗男子駅伝は、スピード練習や調整練習なしで3区区間賞を獲得したという。
30kmなので、マラソンのような走り込みをすることはない。この時期の通常のトレーニングに、30km走を少し入れた程度だと森下広一監督はいう。同監督の初30km(1990年の熊日30kmに1時間30分47秒で優勝)のときもそうだった。
「三津谷の場合、感覚的なところで長い距離がわかっていないので、一度35kmをやりたかった。それを1月末に予定していたのですが、それだけが軽い故障でできなかった」
練習中に長い距離への適性がわかる内容があったわけではない、という。
「今回のレースが、それを見る試しの機会ということになる。まだまだ体力がないので、30kmの試合を組まないと練習でも距離を踏めないから」
入社時には将来的にマラソンを、という話はしたが、現時点で森下監督と三津谷の間で、いつのマラソンに出るという話はしていない。
「ただ、明日の30kmをマラソンをやるための30kmにするのか、トラックをやるための30kmにするのかを考えて走れ、という話はしましたよ」
トラックのための30kmであれば、持ち味のスピードを生かして、周囲をねじ伏せるような走りでいい。だが、マラソンをやるための30kmは、それではダメだという。
「マラソンなら頭を使うレースをしろ、と言っています。臨機応変に動くことで、余力を残して勝つ。そういうパターンを持つようにしないと。三津谷はマラソンもやれるじゃないか、というレースをしてほしい」
結果としては、「最低限勝つことが、頭を使ったことになる」というが、「1時間30分台というところでは、三津谷としては物足りない」とも。1時間29分前後を期待しているようだ。
ただ、森下監督はマラソン転向だけをプッシュしているわけではない。
同監督が1時間29分台を口にしたのは、5km15分ペースでレースが進むことを前提としている。25kmまでは余裕を持って走り、そこから切り換えて残り5kmを14分そこそこで走る。
「そうなればトラックでもマラソンでも、どっちにも行ける」
三津谷自身は30kmの走り方について、次のような言い方をしている。
「後半、しっかりと勝負ができ、30kmが終わった後に12.195kmをどう走れるか、イメージを持って終わりたい。明日のフィニッシュでは出し尽くしても、次に練習をすれば、もう12.195kmが走れるようなイメージです」
三津谷のなかでは、マラソンをやるためという前提で、30kmを走ると決めているようだ。
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