2009/6/14 日本学生個人選手権3日目
女子100 mHで城下が13秒42の関東学生新
100 mのスピード向上がハードルの記録に直結?
女子100 mH優勝の城下麗奈(青学大)が13秒42(+1.7)の関東学生新(※)。新人の紫村仁美(早大)も13秒78と悪くなかったが、0.36秒と大差をつけた。
城下の自己記録は昨年の日本選手権で出した13秒48。昨年は本大会でも13秒49の大会新を出している。ともに6月開催で、その後の記録更新が期待されたが、シーズン後半は9月、10月、11月と13秒5台にとどまった。
記録を知った城下は喜びを爆発させた。
「あんなに喜んだのは初めて。今年は織田記念がまあまあ(2位・13秒48・+2.1)で、本当は学生記録(13秒38)も出したかったのですが、予選、準決勝(13秒69と13秒62)と全然ダメでしたから。準決勝まで悪かったのは、リード脚が遅かったからです。どうしたら速さを出せるのか思い出せなくて。ずっと指導をしていただいている陣(貞夫)先生(YNUS陸上クラブ)にチェックをしてもらって、リード腕をしっかりと振り下ろせとアドバイスをしていただき、思い出すことができました」
城下は学生5年目。今季のユニバーシアードの代表を目指したかったことと、「1年半、故障で走れなかったというのも大きな理由」で学生を続けることにした。授業を週に1コマだけ残し、今年は競技に集中できる環境になっている。通常の授業料の半額程度にはなるが、「本当に、親に感謝しています」と謙虚になっている。そういう選手は、競技に対する姿勢も前向きだ。
「2カ月前まで一般の就職活動もしていましたが、織田記念で走る楽しさを再認識して、日本選手権までは就活はしません。来年も続けられる環境にできればいいのですが」
日本選手権は寺田明日香(北海道ハイテクAC)と石野真美(長谷川体育施設)の2強の争いといわれている(井村久美子は出場しない予定)。
「2人に離されての3位、4位ではなく、近い位置で3位争いをするのが目標です」
技術的には今、「ハードリングを走りに近づけること」に取り組んでいるという。
「抜き脚が着いたときに、遠くにもっていきたいと思っているんです。そこを意識しすぎて、今日はリード脚が遅くなってしまったんですが、目指す動きとしては走りに近い動きです」
大会初日の100 mでは追い風参考だが12秒01と、自己記録を0.07秒上回った。自己記録を0.20秒縮めた昨シーズンも、100 mの方も0.20秒速くなっている。
「そこまで厳密に関係ないとは言われますが、私は100 mのスピードがハードルの記録短縮につながっていると思っています」
100 mの記録が速くなっても、ハードルの記録が縮まらない選手もいる。ハードルの記録に結びつけられるということは、それなりの技術があるからだろう。
※学生記録は13秒38で福島大の茂木智子と池田久美子の2人が持つ。13秒41の川上小百合(筑波大)は当時大学院生だった。関東学連は院生と学生を分けているため、城下の13秒42が関東学生記録となる。学生歴代リストは公認のものにはならないが、陸マガなどの集計では院生も含めているので、城下の記録は学生歴代4位
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