2009/12/6 福岡国際マラソン
日本人トップは9位の下森で2時間14分42秒
“最後のレース”という気持ちで練習を大きく変更


レース後の一問一答
「日本人トップという響きはいいと感じていますが、評価されるタイムではありません」
Q.結果をどう受け取っていますか。
下森直 タイム的には自己記録を更新でき、最低限の目標は達成できて良かったのですが、スタートラインに着いたときに目指していたのはサブテンでした。2時間10分くらいは出したかった。まだまだ力が足りなかったということです。後半の粘り強さが必要です。
Q.この記録では日本人トップと言っても…?
下森 日本人トップという響きは、自分のなかではものすごくいいと感じていますが、評価されるタイムではありません。
Q.何回目のマラソンですか。
下森 自分でも正確には覚えていなくて、6回目か7回目なのですが(あとで7回目と判明。自己記録は2006年びわ湖で14位になったときの2時間16分24秒)。福岡は今日が2回目で、アテネ五輪選考レースだったときの福岡が初マラソンでした。

「今回は練習で走った距離にこだわらず、自分の感覚だけで走り込みました」
Q.自己新記録を出せたのは、良いコンディションをつくって来られたから?
下森 早い段階で、夏前から身体づくりを始めて、苦しい思いをしながら練習をやってきました。スタートラインには不安のない状態で立てて、あとはやるしかないと思ってスタートしました。
Q.今までのマラソンの記録がよくないのは、練習期間が短かったため?
下森 練習もあったかもしれませんが、過去のレースは全て20km以降のスタミナ切れでした。まったく動かなくなる状態を経験してきて、今回はそれを出さないようにしようと思って、そのための準備をしてきたつもりです。今回も動きは鈍りましたけど…。
Q.自己新は何が上手くできたからだと思いますか。
下森 やっていなかった練習といいますか、地味な走り込みを積み重ねてきました。極力、後半ばてないような、地味な練習を少しずつです。
Q.どのくらいの距離を走り込んだのですか。
下森 日誌に距離はつけないようにしました。感覚で、どれだけ走るか判断しました。
Q.過去に、距離にこだわって失敗した経験がある?
下森 日本のトップ選手は月に1000kmとかよく聞きますが、それにとらわれてやっていた時期がありました。そこだけ追い求めてしまった。今回はそういうのを取り払って、自分の感覚だけで走り込みました。何かを変えてみないといけないと感じていました。

「この福岡が集大成という思いで取り組んできました。次があると思うと甘えが出ます」
Q.(質問不詳)
下森 この福岡が集大成という思いで取り組んできました。今までと違う準備をしないと、今までと同じ結果になってしまう。せっかく強い思いでやるなら、変えてみようと思いました。
Q.今大会を選手生活のピリオドにという考えだった?
下森 そう考えて臨んだレースでした。次があると思うと甘えが出ます。甘えが出たら、ずるずると行ってしまいます。
Q.それがレース中に表れましたか。
下森 焦らずに30kmまで走れたと思います。前半から落ち着いて、落ち着いてと言い聞かせられました。
Q.下森選手は出場されませんでしたが、11月23日の九州実業団駅伝に優勝したことが、今日の下森選手の日本人1位に、今日の結果がニューイヤー駅伝にとつながっていきそうですか。
下森 自分はここ数年間はマラソン中心で、この1年間も駅伝は1本も走らず、マラソンに専念させてもらってきました。駅伝は若い選手たちで十分に戦えます。九州実業団駅伝の優勝に自分は勇気と弾みをもらいました。その勢いをつぶしちゃいけないと。今日のことを弾みに、元旦も戦っていけるとチームのみんなが思ってくれたらいいのですが。
Q.次のレースの予定や、今後の目標は…?
下森 そこは正直、考えていません。今後のことは何も考えずに今日のレースに臨みましたので。


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