2009/5/24 関東インカレ最終日
金丸、4×400 mRで自己最速ラップも
「今日は出し切った感じがしていません」
44秒台はユニバーシアードか?
4×400 mRの法大は3走まで7番手。昨年はインカレ2冠を達成した法大だが、宮沢洋平(現富士通)らが抜けたことと、同じ最終日に400 mH決勝を2人が走っていることが影響したようだ。金丸祐三がバトンを受けたときには、トップの筑波大とは3秒25(寺田の非公式手動計時)差。筑波大とは少し離れたところに4〜5チームが固まっていたが、金丸はその集団からも4〜5mは離れていた(慶大だけ少し後ろだったかもしれない)。
金丸はバックストレートで徐々に差を詰めて行った。
「前半、目の前に固まっていた。もう少し詰めて、ラストで(筑波大とも)勝負できたらよかったのですが。横田(真人・慶大)に着いてしまって出られませんでした」
ホームストレートで東海大、中大、慶大との争いから抜け出したが、2位を争う順大と早大には2〜3m届かなかった。
「今日は出し切った感じがしません。酸欠ももも割れもありませんから」
それにもかかわらず金丸のラップは44秒32(非公式手動計時)で、過去最速だった4月の東京六大学(44秒54=非公式手動計時)を上回った。東京六大学はシーズン初戦で、そこまで速い動きができるわけではない。今大会も前半は出し切っていない展開だったにもかかわらず、ここまでのタイムが出ている。
今季から取り組んでいる新しい動き(※)が背景にある。
「まだ試行錯誤している段階ですが、結果が出始めていると思います。前半が楽に進んでいる感じがしますが、欲を言えばもう少しスピードが出てもいいかな、と思っています。(44秒台を出すには)200 mを21秒4〜5で通過し、200 mから300 mまでを今よりも0.1秒、最後の100 mも0.1秒速くしたい。そうすれば、44秒8から9は出せる計算になります。日本選手権でも一応狙いますが、日本選手権は勝つレースをする必要があります。ユニバーシアードで狙いたいですね」
そういえば、44秒78の日本記録保持者の高野進が、日本人初の45秒台(45秒86)を出したのが、1983年のユニバーシアード(エドモントン大会)だった。
自他共に“44秒台近し”を認める選手になっている金丸。ただ、44秒78の日本記録となると、そう簡単にはいかないと感じている。
「日本記録はよっぽど条件が揃わないと出せません。まずはアベレージを上げていくことです。今年44秒台を狙って出して、その経験を生かして来年、日本記録につなげたい。自分もまだ、向上させる余地はあります。自身を鍛え、実力をつけた上で狙いたいですね」
※静岡国際の際に「接地時間を長くして、タイミングをとらえていく。スピードは物足りない感じもするのですが、高いスピードを出しながらも力を温存できます。ピッチアップしないでも最後まで行けますし、タイミングをずらした中でも上手く地面をとらえられると、これまでと同じスピードも出せますしコントロールもしやすい。本当に400 mのためのフォームです」と説明している。
1位・筑波大のラップ、2位・順大は全員が4年生
金丸の快走が目立った4×400 mRだが、好選手を多数抱える筑波大や、成長株の廣瀬英行と800 mの横田真人を擁する慶大なども注目されていた。
筑波大4選手のラップ(非公式手動計時)は以下の通り。
46秒62:1走・佐藤慧太郎
46秒18:2走・安孫子充裕
46秒71:3走・田中暢人
46秒32:4走・石塚祐輔
1走はナショナルチームでも46秒前後を要する。ルーキーの佐藤が健闘した。
慶大の廣瀬との位置関係はチェックできなかったが、オープンとなる100 mで筑波大の安孫子がトップに立った。しかし、安孫子にいつもの前半のスピードがなく、早大の浦野晃弘がバックストレートで前に出た。ホームストレートで抜き返されたものの、1年生がここでも頑張りを見せた。
安孫子がリードを奪って以降は筑波大の独走に近かった。
早大との2位争いに0.01秒先着したのは順大で、400 mH優勝の吉田和晃を2走、同2位の今関雄太を4走に配した布陣だが、400 mでの決勝進出はゼロということを考えると大健闘だろう。メンバー4人全員が4年生。各学年からメンバーが出ている方がチーム力の継続性は良くなるが、全員同学年というのもインカレらしい。
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