2009/5/17 東日本実業団2日目
三井住友海上2年目の江藤が2種目日本人トップ
「今年一番の目標は世界ハーフマラソンの代表」


 江藤佑香子(三井住友海上)がブレイクしそうな気配だ。
 この日の女子5000mはフィレス(ホクレン)、ドリカ(日立)のケニア勢には届かなかったが、自己記録を10秒以上縮める15分47秒52で3位に。昨年の全日本実業団対抗女子駅伝で苦杯を喫した豊田自動織機の宮崎翔子、永田あやに先着した。前日の1万m(2位・32分54秒64)と長距離2種目で日本人トップの座をゲットしたのである。
「無我夢中で(2種目日本人1位は)意識していませんでしたが、名前を出すことはできたかな、と思います。でも、5000mはもう少しタイムが良かったらな、とも思います」
 5000mは昨年の15分58秒81がベストで、1万mは初レース。大健闘には違いないのだが、両種目とも日本選手権の参加標準記録(15分40秒と32分30秒)を目標としていたのだ。

 取材陣(といっても2名)に初々しい笑顔見せた江藤は、熊本・千原台高から入社2年目。ルーキーイヤーは全日本実業団対抗女子駅伝の4区区間3位、全国都道府県対抗女子駅伝(2009年)でも4区区間3位と、4km前後の区間でまずまずの快走を見せた。しかし、三井住友海上関係者からは、もっと期待できる選手だという話も漏れてきていた。
 筆者の個人的な見解だが、腰高でリズムが良い。本人は「いつも渋井(陽子)先輩の後ろで見て、腰高のフォームを参考にしています」と言う。この日の朝も渋井から「ガッツリ走って来てね」というメールをもらっている。
 好調の理由を問われた江藤は、次のように話した。
「入社した当初は練習ができませんでしたが、2年目に向けて慣れてきて、充実した練習ができるようになってきました。先輩たちとも一緒にご飯を食べに行ったりして、普通に接することができるようになったことも大きいと思います」

 日本選手権出場はならなかったが、“2種目をしっかり走る”という目的は達したと見ていい。東日本実業団の後は札幌国際ハーフマラソンに向けて練習を積んでいく。
「今年一番の目標は世界ハーフマラソンの代表をつかむことなんです。札幌は最後に上り坂がありますけど、1時間9分台を出したい」
 ハーフマラソンで快走。秦由華、土佐礼子、大崎千聖など三井住友海上の先輩たちがブレイクしたパターンを、江藤は踏襲しようとしている。


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