2009/2/1 別大マラソン
コメント集B

三菱重工長崎・黒木純監督
※小林誠治がチーム初の日本人トップ
「福岡の失敗から立て直して1発目で結果を出し、チームに勇気を与えた」
「日本人2位というのは過去、徳永(考志・05年びわ湖6位)と堤(忠之・05年東京国際4位)がやっていますが、1位は初めてです。もう1つの目標であるサブテンも期待したのですが。チーム記録は徳永の2時間10分10秒(05年びわ湖)です。
 今日は勝てるレースでした。そこを逃してしまったのは悔しいですね。世界選手権代表へのアピールとしても、優勝は欲しかった。35kmで前に行ったのがどうだったか、ですね。結果としてですが、あのままでも追いついていました。集団に入ってから仕掛ける方が良かったと思います。ただ、モロッコ選手も余裕がありましたね。
(11月の九州実業団駅伝で敗れて)ニューイヤー駅伝に出られなくなって、個人で勝負をしよう、存在感をアピールしようという流れになりました。九州の敗因は私のオーダー編成ミスです。それと、九州一周駅伝なども含め、負担が大きかったのかもしれません。
 小林はチームのキャプテンであり、駅伝では柱となる選手。それを背負ってしまって、福岡国際マラソン(20位・2時間20分46秒)では力みがありました。九州一周駅伝と九州実業団駅伝のアンカーで、力を吐き出すような走りをしてしまったことも影響していたと思います。調整を見ていても、疲れが取り切れていなかった。
 そこから立て直して1発目で結果を出し、チームに勇気を与えたと思います。
 福岡は2時間21分。それほど疲労感はなく、1週間ジョッグしてマラソン練習に入りました。福岡では冷えた分、(以前悩まされた)座骨に来ましたが、2週間でそれを取り除き、あとはそのまま維持した感じです。走りのリズムというか、調子を作るだけでした。40km走を3回やりましたが、タイムは追わず、後半の切り換えだけを意識してやりました。30km以降を15分台前半に上げました。そこが勝負になると思っていましたし。ニューイヤー駅伝がなかった分、じっくりとできました。
(小林の走りの特徴は)リズムの良さです。レース中は淡々と、自分のリズムでピッチを刻みます。
 世界選手権を考えると優勝が欲しかったのですが、個人としてみたら風のある中で2時間10分台の自己新記録を出し、よく頑張ったな、と思います。福岡までやってきた成果を出してくれました」

林 昌史(ヤクルト)
5位・2時間13分11秒
「今日は優勝ではなく、入賞を狙ってどう走れるか、が狙いでした。下手に痙攣を起こしたりするよりも、自分のペースでと判断しました」

木内敏夫 陸連長距離・ロード特別対策委員長代理
「ベルリン(世界選手権)の選考という意味では厳しい」
「新年になって女子マラソンから上手く続いてくれたら、という期待をしていました。最悪でもサブテン、上手くいけば2時間8分台をと。2時間8分台で来てくれたら、堂々と代表候補と言えたのですが、中間点が1時間05分台とそれほど速くないのに、25kmで折り返すと期待された選手たちがぱらぱらと落ちてしまった。風の影響も、集団の中にいた選手たちはそれほど感じていなかったようですし、2時間10分を切ることができなかったのは残念です。自己新記録を出している選手もいますが、ベルリン(世界選手権)の選考という意味では厳しい。
 トレーニングはきちっとできていると思います。それが結果につながらないのは何故か。もう一度しっかりと検証して、何らかの対策を一生懸命に考えたい。40km走を何回やったとか、あまり型にはめて考えすぎず、色々なことにチャレンジするのもいいかもしれません。選手たちにも、本当のチャレンジという気持ちを持ってもらいたい。
 今回のレースに戻りますが、ペースメーカーもいましたから、流れに乗っかればそんなにきついとは思いません。にもかかわらず、さあこれから、というときに日本選手がいなくなってしまった。そこまでに脚を使ってしまっているのかな、という印象です。優勝したアンナニ選手(モロッコ)も、ラスト5kmがそこまで力強いというか、ずば抜けたラップではなかったと思います。自滅してしまった感じがありました。
 今はもう、多少条件が悪くても記録を出せるレベルが求められています。記録を出していかないと世界では戦えない。速さも強さも、兼ね備えて持っていないと厳しい状況なんです。男子はまだ、びわ湖と東京が残っています。期待したいと思います」

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