2008/2/24 横浜国際女子駅伝
“最強”メンバーでなくともエチオピアが圧勝
2位に1分54秒差は現行コースで最大

 エチオピアの圧勝だった。2位の日本に1分54秒差。純粋な選手権駅伝ではないので、タイム差は“どの国、どの選手を招待するか”に左右されるが、今回のエチオピアは関係者の予想を上回る強さだった。
 区間賞を獲得したのは2区アヤレウ、4区ゲタネ、6区ハルンの3人。3人ともプログラムの記録欄が空欄の選手たち。ゲタネは04年、05年と今駅伝に出場しているが、1区6位、2区3位とそこまで目立った戦績ではなかった。

 そんな選手たちが桁違いの快走をする。
 2区のアヤレウは最初の1kmを2分45秒(テレビによる)と信じられないスピードで入り、2km過ぎに24秒先に出た赤羽有紀子(ホクレン)に追いついた。さすがにオーバーペースだったようで7km付近で赤羽に引き離されたが、終盤もなんとか持ちこたえて区間賞。3区での逆転の布石となった。
 4区ゲタネは区間2位(小島一恵・立命大)に56秒差、6区のハルンは区間2位(松山祥子・大阪薫英女学院高)に58秒差をつけた。

 2区のアヤレウなど、駅伝としてはどうだろう? という疑問符がつく走りだが、本人は「距離のことは知っていましたが、自分の成績よりもチームの成績のことを考えて、あの走りになった。後になって最初の走りが響きましたが、エチオピアとして、後ろを走るのはよくない」と、ケロリと言ってのける。
 日本チームの長沼祥吾監督も「エチオピアの2区の選手に世界を垣間見た。3区の選手も脚が長いしピッチもある。オリンピックになったら、そういう選手がどれだけいるのか」と、あきれ顔。3区の湯田友美(ワコール)は、「エチオピア選手に抜かれてしまいましたが、歩幅もリズムもまったく違った。世界との違いを感じました」と改めてアフリカ選手のすごさを実感した。

 エチオピア・チームの監督は「エチオピアにはもっと強い選手たちもいるが、今回のメンバーも国内と国外で結果を出している選手たち。この大会で勝てると思って選抜した」と誇らしげに話した。


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