2008/2/12 横浜国際女子駅伝記者発表会
“ヨコハマ”に6年ぶりの学生選手
立命大・小島が国際舞台に意欲


 横浜国際女子駅伝の選手発表会兼共同会見(写真。一緒に写っているのはAKB48)が、汐留めの日本テレビで行われた。一番の注目は、学生の小島一恵(立命大)が日本チーム入りしたことだろう。周知のように、女子長距離における学生は、実業団に完全に水を空けられている。手元の資料では補欠で走らなかった選手までは調べられないが、小島が出場すれば02年藤永佳子(筑波大→資生堂)以来、6年ぶりのこととなる。

「日本チームで走れることは、すごい喜びです。日の丸は遠い存在でしたが、選ばれたからには思い切って走りたい。タスキをもらった順位を落とさないように、上へ上へと目指していきたいです」

 共同会見では謙遜気味に話したが、小島の最近の実績は、選ばれて何の不思議もない。
 トラックでは
日本インカレ:1500m3位(日本人2位)、5000m3位(日本人2位)
ユニバーシアード:5000m5位
5000mのベスト記録:15分40秒12

 という成績で、実業団選手に比べ見劣りがしたが、駅伝シーズンに入って明らかに力がアップした。
全日本大学駅伝3区<9.1km>区間1位(区間新。区間2位の木崎良子に20秒差)
全国都道府県対抗女子駅伝9区<10km>区間3位

 特に都道府県駅伝は32分04秒の好タイムで、区間賞の野口みずき(シスメックス)に11秒差、赤羽有紀子(ホクレン)に僅か2秒差という健闘。世界選手権代表の脇田茜(豊田自動織機)を4秒抑えた。
 全日中は800 m優勝&1500m2位で、高校時代も中距離でじっくりとスピードを培ってきた。それが、この駅伝シーズンで10kmの距離もこなせるようになった。

 現在2年生の小島には、五輪イヤーと世界選手権イヤーが1年ずつ、在学中に巡ってくる。
「オリンピックは目標としては高いのですが、行けるところまで頑張りたい。(学生選手でも代表に)なれます。学生も力はあります。皆さん弱いというイメージを持っていると思うので、それを変えていけたらと思っています。記録は5000mの学生記録を更新したいです」
 京産大の木村泰子が95年に出した15分17秒53のことだが、北京五輪のA標準は15分09秒00。その点、1万mは同じく木村の持つ学生記録が31分47秒76でA標準は31分45秒00。1万mの方が可能性があるようにも思えるが、成長過程や練習内容から感じる部分は、当事者にしかわからない。

 オリンピックの5000m以上の種目に出場した学生選手は、過去にいない。世界選手権は91年東京大会3000mの早狩実紀(同大)と、95年イエテボリ大会1万mの木村だけ。国内の選考を勝ち抜く確率を冷静に予測すれば20%もないが、今の小島から感じられる可能性はもう少し高い。

 なお、日本チーム選手は下記の通り。

赤羽有紀子(ホクレン)
辰巳悦加(ノーリツ)
吉川美香(パナソニック)
勝又美咲(第一生命)
湯田友美(ワコール)
小島一恵(立命大)
小林祐梨子(豊田自動織機)


 中距離選手が多いのが懸念材料だが、この駅伝は10km区間が2つある他は、5〜6kmが4区間という構成。スピードで押し切りたい意図だろう。
 その他、地域選抜の関東に脇田茜(豊田自動織機)と那須川瑞穂(アルゼ)、近畿に小崎まり(ノーリツ)と木崎良子(佛教大)、中国四国に森本友(天満屋)、九州に扇まどか(十八銀行)と宮内洋子・宏子姉妹(OKI)と強豪選手が加わった。


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