2008/6/25
日本選手権2008日付別展望
第2日・6月27日(金)

■男子200 m
 大阪GP100 mで日本人トップで走った末續慎吾。「まだ眠っている状態」との高野進コーチの評価だが、狙った試合に一気に上げてくるタイプ。普通の状態なら5回目の優勝も難しくない。
 高平慎士は静岡国際、東日本実業団と20秒6台はいつでも出せるようになり、100 mでも10秒29と自己新。「末續さんに冷や汗をかかせたい」と意欲も高まっている。
 3人目のA標準突破者となった藤光謙司も100 mで自己タイ。脚が壊れる不安がなくなり、前半から思い切り行けるようになった。大阪GP優勝の斉藤仁志も、関東インカレ100 mに優勝。
 曲走路の出口で“勝負あった”だった昨年までとは異なり、勝負が直線に持ち込まれる可能性も。

=陸上競技マガジン7月号記事。以下同

 確かに、末續慎吾と高平慎士以下の差は縮まっているのが現状だろうが、勝敗の行方は末續の状態次第。20秒20前後に仕上げられたら、他の選手が勝つのは難しい。
 いずれにしても、前半のレース展開が要注意。高平は今季、100 mで自己新&織田記念日本人1位。斉藤仁志は元から前半から行くタイプで、関東インカレは100 mで優勝。藤光も脚が壊れる不安がなくなり、前半から攻められるようになった。
 と書いておいて何だが、神山知也(作新学院大)が後半ですごい追い上げを見せる可能性も否定できないのだが。今季のベストが21秒13?
<1日目の予選結果・取材を踏まえて>
斉藤好調。決勝は「前半から突っ込むレース」に
末續は「スピード戻った」。高平は手の内見せず

 1組1位は高平慎士(富士通)が1位通過。20秒81(+1.9)だが最後は“ベタ流し”で、手の内を見せなかった。
 斉藤仁志(筑波大)が2組で20秒37(+2.3)と快走。後半のスーッという感じがこれまでの斉藤になかった走りだった(かなり主観的だが)。本人に確認すると、次のような答え。
「直線の風が追っていたので、コーナーを抑えて直線で風に乗ろうと考えて、予定通りのレースができた感じです」
 それでも、決勝は本来の持ち味である、前半から突っ込む走りをするという。
「自分のレースができずに負けるのは悔しいですし、自分のレースをすれば負けても今後につながります。今まで末續さんには相手にされていなかったので、勝ちたいというよりも、一緒に戦いたい、という方が正確です。これまでは“完敗”ばかりだったので、仮に末續さんが勝っても“辛勝”みたいな言葉で載せてもらえるようにしたいです」

 対する末續も予選後は、今季のこれまでとは違うことを口にした。
「僕はオリンピックで結果を出したい。ここは段階として頑張りたい。若手選手と一緒に走ることがカンフル剤になればと思っています。スピードはもう戻っていて、戻った後の初戦をどうまとめるか、というのが今回の日本選手権。調整のなかで試みた波の作り方があります。オリンピックに対しても使えるかな、という波の作り方です。でも、ここまで試合ではテストしてないので、この日本選手権で目覚めればいいかな、と思っていました」

■男子400 mH
 為末大と成迫健児の、A標準を突破している2人による決戦。為末が左右のふくらはぎを交互に痛め、3月下旬から1カ月半ほど走る練習が中断。ハードリングは6月2日に再開という状態で不安が残る。持ち前の集中力に期待するしかない。
 一方の成迫は好調。大阪GPでは2位に1秒32差、プレ五輪でも1秒近い大差で圧勝した。今季は前半型への変身に成功。“超前半型”の為末がもたつくようなら、3〜4台目あたりから成迫が前に出る展開も考えられる。
 吉形政衡、千葉佳裕、小池崇之、対馬庸佑、河北尚広らが3位候補。前半のハードル間が13歩の対馬が先行し、好調の小池が後半で追い上げる展開か。


 為末大の選択が注目される。
 6月14日の福岡大競技会で51秒28。「人生で一番遅いタイムかも」とコメントしたという。大舞台でしかテンションが上がらない選手。復帰戦ということで重要な位置づけであったのは間違いないとしても、その部分でマイナス1秒は計算していい。50秒台そこそこの力はあったと見ている。
 本来であれば世界的にも超前半型の為末が先行する展開が予想されるが、今季の成迫健児はかなりの前半型になっている。五輪代表を考えたとき、最低でも2位は確保したい(3位以下でも選ばれる可能性が皆無ではないが)。
 成迫についていくか、やや前半を抑えるか。
 自身の力を発揮するには、やはり前半から行く方が良いと判断するのか、今季の成迫の状態から、そこまで飛ばすと終盤で失速すると判断するのか。
 A標準の優勝者以外の五輪代表は、各種目で枠の取り合いとなる。確実に2枠があると考えられていた種目だが、陸連は“今季のA標準を優先する”という規定を6月になって打ち出してきた。その辺も、為末の決断に影響するかもしれない。
 と書いておいて何だが、状況を客観的に見て判断を下すことはないのではないか。最近の記事に“本能で”というコメントがあったが、以前から北京五輪は、“本能でメダルを取りに行く”と為末は話している。前半から行くスタイルに戦略性を持たせたり、動きをあれこれ考えたり、新しい歩数を試したり、という“計算できる”部分を頑張るのは昨年まで。今年は計算できない、自身の本能的な部分に懸ける。以前からそう計算していたのが為末である。
<1日目の予選結果・取材を踏まえて>
予選は2組1位で50秒87
注目される為末の“決勝の走り方”

◆レースの感想
「まあまあという感じ。だいたい想像したレースができました。3日前くらいから体調が上向いてきて行ける感じがありました。今日、一歩目を踏み出した感じも良かったので、大丈夫だと。それでも前半を行ってしまうと最後に力つきる不安があり、省エネを心掛けて走りました」
◆決勝をどう走るか(テレビ用インタビュー時)
「状況的に厳しいが、日本選手権は6回優勝している。チャンスがちょっとでもあるなら優勝を狙っていきます。オリンピック代表を狙うとか、消極的なレースをしても意味がありません。成迫君も良いようですが、優勝を目指して走りたい」
◆決勝をどう走るか(ペン記者用インタビュー時)
「前半をすごくかっ飛ばすレースはできないでしょう。48秒台は厳しい。49秒いくつかになると思います。(成迫のイン・レーンが良いか、アウトが良いか)どちらも嫌ですが(笑)、願わくば見ない方が良いですね。自分の思う通りのレースをして、それよりも速く走られたら仕方がありません。相手に合わせ過ぎて力を出せないのがよくない」

■男子ハンマー投
 腰椎の捻挫で今季初戦が日本選手権になった室伏広治。慎重を期しての試合選択だけに、負けるような状態で出てくることはない。14連勝は固いところで、焦点は記録になる。五輪本番まで2カ月を切っていることを考えれば、80m前後は期待したい。
 だが、本当に重要となるのは投てきの“内容”。これは室伏自身にしかわからない部分で、競技後のコメントにも注目したい。
 2位が予想される土井宏昭が、東日本実業団で73m38の好記録。「シーズンイン当初は手振りだったものが、身体で振れるようになった」と技術的にも良いようだ。3位候補の野口裕史が今季は苦しんでいる。3選手が70mを越えれば史上初の快挙なのだが。


 室伏の最近の記事を見ると、技術的な手応えは悪くないようだ。あとは、実戦という部分がどうか。
 来年の世界選手権を目指す土井宏昭はB標準が目標。74m30と30cm上がったが、今季は悪くても71m台と安定しているし、陸マガ記事にあるように東日本実業団では73m38。土井自身も技術的な手応えを感じているようで、期待できそうな雰囲気がある。
 野口が4月4日の順大競技会では69m71だったが、その後は65〜66m台が3回。
 室伏の国内の試合はそれほど多くない。ハンマー投選手にとって、それなりの観客数のなかで投げられる、数少ないチャンスということになる。ここで頑張らないわけにはいかないだろう(力みすぎてもいけないのだが)。


●女子200 m
 100 mの福島千里、200 mの信岡沙希重、400 mの丹野麻美と、3種目の日本記録保持者による三つ巴の争いになりそう。
 静岡国際と東日本実業団に優勝した福島が優位に立っている。しかし、丹野も東日本実業団では福島に0.04秒差の自己タイ。信岡は静岡国際予選で23秒79で走った後は、4×100 mRに集中している。
 トップスピードに乗るのは福島が一番早い。50〜100 mで信岡が詰められるか。そこでも福島が差を広げるようだと、大差で直線に出る。直線のスピード持久では丹野が強いが、昨年の日本選手権では信岡がフィニッシュ直前で抜き返している。
 白熱した展開とともに、日本記録更新も期待できる。


 陸マガ記事を書いた後に丹野麻美が400 mに専念することを表明し、エントリーもしなかった。最新の新聞記事によると、福島千里も100 mに絞る可能性が高いという。高橋萌木子も200 mに出るかわからない。これは、タイムテーブルの組み方への配慮に欠けたことが一因と言えるのではないか。この件は別に記事にしたいと思う。
 上記2選手が出ないとなると、信岡沙希重が断然優位に立つ。静岡国際の後半で福島千里を追い込んだ中村宝子が、どこまで信岡を追い込めるか。
<1日目の予選結果・取材を踏まえて>
福島、高橋が欠場し、信岡&中村でワンツーか
 3組目の福島千里(北海道ハイテクAC)と高橋萌木子(平成国際大)が棄権するなど、欠場者が多く、どの組も有力選手は力を温存して通過した感じ。そのなかでも1組1位の信岡沙希重(ミズノ)が23秒66(+1.4)でトップ通過。同組2位の中村宝子(慶大)が24秒03で全体でも2番目。決勝もこの2人のワンツーとなる可能性が高い。24秒19(+0.9)で2組1位の和田麻希(龍谷大)、同組2位で100 mのスピードのある渡辺真弓(ナチュリル)がどこまで2人を脅かすか。

●女子1万m
 絶好調なのが渋井陽子で、兵庫リレーカーニバル、東日本実業団と31分20秒前後の自己2、3番目の記録を連発。日本記録を出したのは02年。「使えなかった筋肉が動いてきた」という自己分析だ。
 昨年のうちにA標準を突破していた赤羽有紀子は、駅伝や3月の全日本実業団ハーフでも快走。トラックは日本選手権に合わせて、無理せず確実に歩を進めている。その過程で31分36秒54を記録。
 6連勝中の福士加代子が、3月に故障をして練習不足。今季初レースは32分を要したが、日本選手権までには立て直すだろう。
 福士がA標準未突破だが、レースは夜に予定されている。自身でペースメイクができる選手なので、普通に走れば破るだろう。


 陸マガ記事を書いた数日後のホクレンディスタンスチャレンジ深川大会で、福士加代子が31分30秒94とA標準を突破。日本選手権直前に“記録狙い”のレースを2連戦すること自体、かなり無理な話である。過去の例では失敗するのが大半だったが、それをきっちりとクリアしてしまうのだから恐れ入る。そのくらい、高いレベルでトレーニングとレースをしてきた蓄積がある。優勝候補筆頭に推すべきだろう。
 ただ、昆明から帰国した際の渋井陽子の記事からも、手応えが十分伝わってくる。織田記念の前の昆明合宿では、実はそれほど高いレベルの練習ができず、帰国後に一気に上がってきた。今回は合宿中からできているということで、日本記録を出した2002年に似た状態になっている。トレーニングや“身体の動かし方”は違ってきているが、それだけに期待もできる。
 赤羽有紀子にもやりそうな雰囲気がある。他の選手が今季に入ってから“頑張った”部分があるのに対し、昨年A標準突破に成功した赤羽だけが、冬期から今季のトラックと全て、日本選手権だけに照準を合わせてやれてこれている。兵庫リレーカーニバルの31分36秒54は、その過程で出した記録なのである。
 というように、3人に焦点を当てた記事が大半と思われる。松岡範子、宮内宏子らの代表未経験組は、そういった報道に惑わされず、位負けをしないことが重要だろうか。好調の馬目綾の目もある。


●女子400 mH
 転倒でもしない限り、久保倉の2連勝は確実。問題はA標準の55秒60に届くかどうか。
 昨年は5月に55秒71の日本新を出した久保倉だが、今季は1台目のハードルに足が合わずに苦しみ続けた。しかし、5月のプレ五輪では55秒94。「スタートして3歩くらいをしっかり押せるようになった」ことで、1台目の入りに成功した。2度目の55秒台は日本選手初の快挙である。
 2位争いは、6月8日には57秒02と学生歴代2位を記録した青木沙弥佳が有力。あるいは、前日本記録保持者の吉田真希子の巻き返しがあるか。学生では関東インカレ優勝の田子雅、日本学生個人選手権2位の津留加奈が58秒台を記録している。

 特に新しい情報はない。注目はやはり、久保倉が1台目をきっちり入ることができるかどうか。条件が良ければ青木の学生記録(56秒73)更新も可能性が出てきた。
 下のリストのように今季は学生選手に58秒台が続出。昨年58秒52の金田一菜可ら、予備軍も多い。決勝に進出した8人全員の60秒切りは2004年に実現している。今年は8人59秒切りができそうな予感がある。過去では2006年の6人が最多。
女子400 mH今季リスト
記録 選手 生年 所属 学年
1 55.94 久保倉里美 82 (新潟アルビ)
2 57.02 青木沙弥佳 86 (福島大)
3 58.17 田子 雅 88 (中 大)
4 58.19 吉田真希子 76 (ナチュリル)
5 58.48 上田 千暁 87 (都留文大)
6 58.73 津留 加奈 87 (早 大)
7 59.11 野村 有香 87 (筑波大)
8 59.40 金田一菜可 86 (福島大)
9 59.43 北島 絢子 86 (東学大)
10 59.59 山本 望 89 (早 大)
11 59.86 若林 愛 85 (住友電工伊丹)
12 59.95 赤司このみ 89 (立 大)
<1日目の予選結果・取材を踏まえて>
予選から記録狙いに行った久保倉が56秒30
「今日の失敗を修正して、決勝ではA標準を突破したい」

 1組目の青木沙弥佳(福島大)が57秒69と、1着取り(4組1着+4)ということもあって積極的なレース。2組では久保倉里美(新潟アルビレックスRC)が完全に記録狙い。2位に圧倒的な差をつけてフィニッシュし、もしやと思わせたが、惜しくも56秒30。3組のレースは見られなかったが吉田真希子(ナチュリル)が58秒84で1位、4組は上田千暁(都留文科大)が積極的なレースで58秒58。3組3位の若林愛が59秒93をマークしながら決勝に進めなかった。
 決勝でもA標準を目標に走る久保倉の優勝は動かないだろう。青木が久保倉に迫ると学生新となる。予選で59秒台の3人のうち、田子雅(中大)には余裕があったので、決勝で58秒台は出せそう。3組で2位の金田一菜可(福島大)もなんとかなるのではないか。決勝全員の59秒切りを実現するには予選1組で59秒80の北島絢子(東学大)の頑張りが左右しそうだ。
◆久保倉コメント
「55秒台が出たかな、という感じでしたが、前半で詰まったのがマイナス点。課題としていた1台目は上手くいきましたが、2台目で詰まってしまいました。浮いたというよりも、途中で刻みました。(200 mでも詰まった?)というよりも、バックストレートが全部詰まりました。前半ばかり練習していたので気負いすぎたのかもしれません。もう少しゆとりをもって入れれば良かったのですが。A標準は狙える状態だと思います。今日失敗したところを修正して、決勝ではA標準を突破したい」

●女子走高跳
 02年には5人、04年にも4人が日本選手権で1m80のバーを越えていたが、前回はついに青山幸1人に。福本姓になった今季も、安定して1m80を跳んでいるのは彼女だけ。3連勝の可能性は高い。
 注目は記録。昨シーズン、30歳台選手では初の1m90に成功したが、今季も大台が期待される。そのときは1m91の五輪B標準にバーが上がっているだろう。
 福本に続くのは東日本実業団で1m80を跳んだ藤沢潔香か。同学年の米津毎も、昨年、1m80を越えている。学生では関東インカレに1m76で優勝した大浦暁絵、九州インカレ優勝の佐藤芳美、日本学生個人選手権に1m77で優勝した若杉麻衣子らが候補。3位が1m80を越えると活気が出てくる。


 若杉が5月にも1m78を跳んでいるのが判明。今季のセカンド記録では藤澤を上回っているが、明らかな差といえるものではない。“2位争いに勝った2位”よりも、“優勝争いに敗れた2位”の方が価値が高いケース。福本に勝てばもっと価値が上がるのだが。
 福岡大・佐藤はエントリーしてこなかった。同じ日に行われる走幅跳に絞った形だ。


●女子走幅跳
 池田久美子の4連勝は堅い。昨年乱れてしまった技術を修正するため、今季は慎重に1つ1つ確認するように試合を進めている。静岡国際は6m51、大阪GPは雨のため6m46にとどまったが、感触的には6m60台だった。日本選手権では6m70〜80が目標になる。
 今季はウエイトトレーニングを行うタイミングや、腹筋の鍛え方などを変更。日本記録を跳んだ2年前とは違うやり方で挑戦する。
 踵の痛みで試合から遠ざかっている花岡麻帆も、6月14日の記録会で復帰する。走る練習はずっとできていたので、6m30〜40は期待できるという。
 今季6m55の桝見咲智子、6m46の佐藤芳美がどこまで池田に迫るか。


 中村宝子(慶大)が関東インカレに優勝。出場すれば面白い存在だったが、同日に行われる200 mを優先した。
 桝見咲智子、岡山沙英子の2人が今季、僅かだが自己記録を更新。池田久美子との差は縮まっているが、直接対決では池田に勝てていない。2000年以降、この種目は花岡麻帆と池田のどちらかが勝ち続けているが、2人とそれ以外の選手との差は以下の通り。

2強とそれ以外の選手との差
差(cm) 選手
2000 10 山本絵理
2001 53 羽生美保子
2002 6 羽生美保子
2003 51 桝見咲智子
2004 43 佐藤友香
2005 35 佐藤友香
2006 25 岡山沙英子
2007 14 桝見咲智子
 池田が復活し始めた2000年と、腰痛に苦しんだ02年以外は大差がついている。それでも、佐藤友香、岡山、桝見の頑張りで、その差は少しずつ縮まっている。昨年の桝見の14cm差は、大健闘といえた。そして今年は……。


●女子砲丸投
 豊永陽子が兵庫リレーカーニバル、静岡国際、大阪GPと日本選手間では今季も無敗。日本選手権の連勝も“4”に伸ばしそうだ。
 現在のテーマは「グライドで跳ぶのではなく、早く脚をつくこと」。スタンディングへの準備でタメを作るのが狙いだという。
 目標は17m20の北京五輪B標準。そのレベルで代表入りするのは難しいと認識しているが、「可能性がゼロではない以上、挑戦したい」と前向き。
 2位候補は白井裕紀子だが、静岡国際では5投目に15m30を投げ、一度は豊永を逆転している。6投目には15m34の自己新。豊永に隙あらば番狂わせも狙える力を付けてきた。学生では横溝千秋、佐藤あずさが15m台に挑む。


 日本記録保持者の森千夏が体調を崩し、市岡寿実が引退した2005年以降は、豊永陽子の1人舞台が続いている。しかし、2位選手との差は下の表のように縮まっては来ている。ただ、B標準挑戦に闘志を見せる豊永が17mラインに復帰すれば、再度、その差が開く可能性もある。
 選手層の薄い種目は必然的に、個人の頑張りにレベルが左右される。

豊永と2位選手との差
差(cm) 2位選手
2005 2m06 山野辺 薫
2006 1m01 白井裕紀子
2007 0m61 美濃部貴衣


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