2008/12/20 全国高校駅伝前日
有力校監督コメント
A
西脇工高・渡辺公二監督

「目標タイムや順位はまったく考えていません」
「4区で並んでいれば5、6、7区では負けません」

「故障者もいないし風邪ひきも、胃腸障害の選手もいません。そういうときは悪くないんです。
 オーダーは県大会の5、6区を入れ替えました。長い距離は新庄弟の方が強い。5区は若干上っているので、ピッチ走法の津田(光介)の方がいいでしょう。その点6区は、上り下りもありますが、下りの方が長い。コンパスのある新庄弟の方が向いています。長い短い、上り下り、向かい風追い風。大きな大会ほど適材適所を考えた結果です。
(外国人選手が1区を走れないことになったことで起用区間に影響は?)そんなことを考える余裕はまったくありません。ウチのオーダーはよそがどうこうというのはまったく関係ありません。留学生が3区でも、特に変更があるわけではありません。
 目標タイムや順位はまったく考えていません。設定タイムは選手に考えさせて出させて、それを突破したらもっといいわけです。
 佐久長聖の1区は、トップで行かなくてもいいのでしょう。集団について10秒前後の差で渡せば、3区で確実に前に出られるわけです。ウチの1区は佐久長聖に着いていかないといけないでしょう。流れに乗って、先行逃げ切りじゃありませんが、先行してかつ、追いかけるようなイメージです。
 3区では冷静な走りが必要でしょう。
 3区の志方も7区の新庄兄貴も、ロードに強いですし、冬になって強い。走りが切れています。パッパッパッと。新庄は去年も区間賞を取っています。アンカーまでもつれたら負けないです。それまでに追いつけないくらい離されたら勝てませんけれど。
 できれば、3区の志方で並んでいたいですね。大変ですけど。
 4区で並んでいれば5、6、7区では負けません。
 まあ、勝とうと思っていないわけですから。勝とうと思ったら疲れますから」

「2時間3分台はたまたま。高校記録の頃のチームの方が数段上です」
「(マークするのは)自分の心です。それしかありません。2時間3分台とか出していますが、たまたま県大会で出て、たまたま近畿大会で出ただけで、そこまでのチームではありません。同じ条件で走ったら、佐久長聖や仙台育英なら2時間2分を切ったのではないですか。
(高校最高の2時間03分18秒をはじめ2時間3分台を3回出した1997〜98年頃のチームと比べて西脇工高全国大会&2008年県・近畿大会成績一覧)あの頃のチームの方が数段上です。今は小粒ですね。人間的にも、当時の選手たちの方が上でした。あのメンバーは2時間2分台が出せましたから。
 どうして出せなかったのかというと、2区以降を全部、抑えさせたからです。1区と3区にケニア選手が起用できた時代でしたから、1人で取り返そうと思ったら必ずオーバーペースになる。
 1区で遅れても2区、4区、5区で少しずつ取り返していく。そして6区で並ぶ。3km区間なら0.5〜0.6km、それ以外の区間は最初の1kmを抑えさせました。ゆっくり行って、体が温まったら行く。ところが、5区とか6区で本来の力よりも20秒くらい悪かったりしたのです。最初を抑えたら最後まで上げられなかったパターンです。結局70%か80%の力しか出せなかった。
 人間的というのは、今の選手は何かったらすぐに緊張する。日本海駅伝で20秒勝った相手に、県大会で3秒負けたりする。良い流れなら乗って走れますが、崩れると焦ってしまう。近畿で全区間で区間賞が取れたのは、兵庫で全国への切符を取っていたからでしょう。
 選手にかける言葉で一番良いのは、『80%でいいよ』と話すことです。一番リラックスさせられる。前の日も『明日は80%で良いよ』と声を掛けると一番ぐっすり眠ることができる。『明日は行くぞ』と監督が言うようだと、みんなガタガタになることもある」


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