2008/6/29 日本選手権終了
どうなる五輪代表選考?
判断基準に五輪方式の世界リスト


 日本選手権が終了し、五輪代表候補が絞られてきた。それを一覧表にまとめてみた。
決定済み 日本選手権内定 A標準
日本選手権2〜3位
(上位はA標準突破者)
A標準
日本選手権2〜3位
(上位にB標準突破者)
A標準
日本選手権2〜3位
(上位に標準未突破者)
B標準
日本選手権優勝
リレー1 リレー2 今後のA標準で
 
100 m 塚原直貴 朝原宣治  
200 m 高平慎士 末續慎吾 斉藤仁志 斉藤仁志
400 m 金丸祐三 安孫子充裕 石塚祐輔  
1500m 小林史和  
5000m 松宮隆行 竹澤健介  
10000m   〃 大野龍二
マラソン 尾方剛  
マラソン 佐藤敦之  
マラソン 大崎悟史  
110 mH 内藤真人 大橋祐二 田野中輔
400 mH 為末大 成迫健児  
3000mSC 岩水嘉孝  
20kmW 山崎勇喜 森岡紘一朗  
20kmW 鈴木雄介  
50kmW   〃 谷井孝行  
50kmW 谷内雄亮  
走高跳 醍醐直幸 土屋光
棒高跳 澤野大地 鈴木崇文
ハンマー投 室伏広治 土井宏昭
やり投 村上幸史  
100 m 福島千里  
400 m 丹野麻美  
5000m 小林祐梨子  
10000m 渋井陽子 赤羽有紀子  
10000m 福士加代子  
マラソン 土佐礼子  
マラソン 野口みずき  
マラソン 中村友梨香  
400 mH 久保倉里美  
3000mSC 早狩実紀 若月一夏
20kmW 川崎真裕美 小西祥子  
20kmW 渕瀬真寿美  
走幅跳 池田久美子 桝見咲智子
やり投 海老原有希  
七種競技 中田有紀  
確実 7人 13人 8人 1人 2人  

 決定済みの7人に加え、日本選手権で13人のA標準突破者が優勝して自動内定した。A標準突破者で日本選手権の2〜3位選手で、上位にはA標準突破者しかいない、というケースも代表が確定的。ただ、競歩各種目に3枠があるかは何とも言えない。
 A標準突破者で日本選手権3位以内に入ったが、上にB標準選手がいるケースが、男子200 m3位の末續慎吾(ミズノ)と110 mH3位の大橋祐二(ミズノ)。末續は200 mというよりも、リレーメンバーとして2位の斉藤仁志(筑波大)とともに選ばれる可能性が高い。また、4×400 mRをどこまで決定するか、何人を南部記念に持ち越すかも予想が難しい。とはいえ、400 m2位の選手を外すとは思えないので、安孫子充裕(筑波大)も明日(6月30日)に決定するだろう。

 以上で31人になり、残るは5人。そのうち何人を明日決定し、何人を南部記念以降の決定に持ち越すのか。
 4年前のアテネ五輪時には、前年の世界リスト50位以内が判断基準の1つになった。そうなると、40位前後の村上幸史(スズキ)や久保倉里美(新潟アルビレックスRC)が有力候補と言える。
 だが、高野進強化委員長は日本選手権終了後に単純な世界リストではなく、各国3人の五輪方式でカウントした場合のリストを準備していると明かした。詳しくチェックしたわけではないが、女子100 mや400 mの記録上位にアメリカやジャマイカの選手が大挙しているようなら、福島千里(北海道ハイテクAC)や丹野麻美(ナチュリル)の選出もあり得る。同様に、男子1500mの上位がアフリカ選手ばかりなら、小林史和の目も出てくることになる。

 一方、南部記念以後に持ち越される可能性が高いのは、男子走高跳と女子走幅跳。それに男子4×400 mRの3人目か。女子走幅跳は南部記念で桝見咲智子がA標準を跳べば、優先的に選ばれる。池田久美子(スズキ)もA標準を跳んでいるので、先に選んでしまうことも可能ではある。男子走高跳の土屋光(モンテローザ)と醍醐直幸(富士通)も同様のケースだが、南部記念に種目はない。
 先ほどの五輪形式の世界リストということを考えた場合、男子1万mの上位はケニア、エチオピア、モロッコなどアフリカ諸国で占められるはず。そうなると、27分50秒台の大野龍二(旭化成)が上位にランクされる可能性がある。レース内容も高く評価できるので、今後A標準を突破すれば代表追加とする方法も考えられる。110 mHの田野中輔(富士通)も同様だ。昨年の世界選手権で準決勝に進んだことも有利な材料だろう。

 B標準突破済みで日本選手権2位になった選手のうち、健闘といえる内容だった選手には、A標準突破で代表追加をしてもいいと思う。ただ、それらを全部認めたら、枠をオーバーしてしまうのだが、実現する可能性は極めて小さい。A標準ならば特例措置を考慮して良いのではないか。


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