2008/6/30 北京五輪代表発表
醍醐、池田は南部記念で“再チャレンジ”
A標準外ではやり投の村上、リレーの斉藤&安孫子が選出


 日本陸連は30日、前日までの日本選手権の結果を受け、北京五輪代表選手を発表した。すでにマラソンの男女6人とハンマー投の7選手が決定済みだったが、今回、日本選手権で自動内定した13人を含む24選手が追加された。JOCとの折衝で決まった陸上競技の枠は36人(男子25、女子11)。残りの4枠は南部記念後に決定される。

●醍醐、池田の扱いについて
 A標準突破者では醍醐直幸(富士通)が日本選手権で2位、池田久美子(スズキ)が3位と敗れたが、上位選手は標準記録未突破。陸連の判断で選出することも可能だったが、今回は見送られた。しかし、ここまでの実績を考慮し「再チャレンジを認める」(高野進強化委員長)ことになり、予定になかった男子走高跳も南部記念に加えられ、その結果を見ることになった。
 南部記念で求められる結果について「最低優勝できればいいのか、記録が悪いとダメなのか」という質問に、高野委員長は次のように答えた。
「醍醐は今年、選考会(静岡国際)で2m27を跳んでいることは評価できる。それと日本選手権、南部記念の3つの試合で評価したい。池田は今季、記録を出していませんから、当然、記録的な判断も出てくる」
 女子走幅跳で日本選手権優勝の桝見咲智子(九電工)が標準記録を突破したときの選考の可能性については「女子走幅跳は入賞ラインにある種目という位置づけ。それなりの対象になってくる」(高野強化委員長)という説明がなされた。

●B標準突破選手の追加と、男女枠の微調整について
 B標準では男子やり投の村上幸史(スズキ)だけが「村上が日本選手権で投げた79mは世界選手権の*位を越えている。雨と条件も良くなかったなかで、3投目までに投げたことも評価できる。他のB標準突破種目の記録と比較しても、世界で戦える」(高野強化委員長)という理由で選ばれた。
 ただ、B標準のなかでも南部記念で行われる種目は、そこでレベルの高いパフォーマンスを見せれば、残り4枠に入ってくる可能性がある。
「女子短距離は今年、日本記録も出ています。南部記念を見て判断したい」
 400 mの丹野麻美(ナチュリル)ら、女子でA標準を目標にしている選手もいる。女子は10人が選ばれているため残り1枠という現状だが、南部記念の結果次第では男子から女子に枠が1つ移動する可能性もあるという。

●リレー代表の選考について
 男子4×400 mRは400 m1・2位の金丸祐三(法大)と安孫子充裕(筑波大)が選出されている。400 mHの成迫健児(ミズノ)の起用も濃厚だが「最低限あと1人は追加する」(高野委員長)という。だが、選手の頑張り次第では「南部でA標準を何人も破ったらどうするか」という問題が生じる可能性もある。
 6月に追加された選考基準に「リレー種目のみの補欠要員は基本的に選考しない」という注釈があり、斉藤仁志(筑波大)の位置づけを確認する質問も出た。
「A標準選手が全部を占めてくれれば補欠はあり得ません。斉藤は20秒37(+2.3 日本選手権予選)を出すなど、A標準に匹敵する選手という扱いです」
 女子4×100 mRで記録を狙うため「今後さらにヨーロッパに派遣することはない」(高野委員長)という。女子4×400 mRは7月16日の時点で出場資格(指定大会の2レース平均で世界16位以内)に入れば、36枠にプラスして派遣が可能になる。B標準を突破している丹野が南部記念の結果で代表に入っていなくても、リレーで代表になれば個人種目にも出場できる。

●南部記念実施外種目について
 男子1万m日本選手権2位の大野龍二(旭化成)や女子3000mSC2位の若月一夏(TOTO)ら、B標準突破選手が今後、海外遠征などでA標準を突破しても選考されない。
「JOC登録の関係で基本的に、日本選手権がタイムリミット。南部記念で行われる種目は例外で、それ以外は事実上不可能」(澤木専務理事)

●競歩種目の追加の可能性について
 競歩は今回、各種目とも日本選手権の2位選手まで選ばれたが、3位選手も全員がA標準を突破している。
「世界ランクを考えたら競歩は増えてもいいが、歩型などがあり特殊な種目。だが、4枠残っているし、他の種目が期待されている目標に届かなければ再考する。しかし、種目間のバランスを考えるとぎりぎりという気がしている」(澤木専務理事)


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