2007/11/18 東京国際女子マラソン
野口が大会新の2時間21分37秒で快勝!
レース後の一問一答


「オリンピックやベルリン・マラソンより、倍うれしいかもしれません」
Q.じわじわと喜びも湧いてきていると思いますが、どのようなお気持ちですか。また、レースプランなど、どのように考えていましたか。
野口 もうホントに、このレースに勝てて嬉しいです。目標だった大会記録も更新でき、二重の喜びです。ひょっとしたらオリンピックやベルリン・マラソンより、倍うれしいかもしれません。レース前にあの人が調子良い、この人も良いと聞いていましたし、オリンピック切符もかかっていて、大丈夫かな、と不安になったところもありました。その分、幸せな気持ちです。
 レースプランは最初は余裕を持っていこうと考えていました。もう少し速いのかな、と予想していましたが、折り返しまで向かい風もあって、その分、予想よりもタイムが落ちてしまいました。スパートは自分の感覚で行きました。コスゲイさんや渋井さんの動きを見ながら走っていて、25km過ぎから2人とも上げようかという感じで走っていて、離れないようにしようと考えていました。30km手前では、この辺で上げないといけないだろうな、という感じで、自分でスパートしました。

「自分の感覚というか、“前に出ろ”と何かが降りてきた」
Q.(質問不詳。コスゲイ選手について)
野口 怖かったですね。彼女、すごい元気な走りをしていて。結構ストライドが大きくて、着いてくるところも力強かった。ちょっと怖いなと感じました。でも、自信を持って、自分を信じて走りました。
Q.自分から仕掛けたのは3回ですか。
野口 ラストのところですね。イメージ的に仕掛けたのは。
Q.離れたり追いついたりしたところもありましたが。
野口 あれはスパートではなく、給水をとったりとか、少しでも有利な位置で走った方が取りやすかったので。
Q.36kmでは?
野口 あの辺で仕掛けないとやばいなあと思っていましたし、自分の感覚というか、“前に出ろ”と何かが降りてきたというか。

「バランスマットに乗ったり、左右のバランスを広瀬コーチにチェックしてもらった」
Q.走りのバランスがよくなったということですが、自分でもわかりますか。
野口 故障を2回経験してから、バランスマットに乗ったり、左右のバランスを広瀬コーチにチェックしてもらってきました。だいぶ、バランスよく走れるようになったと思います。サンモリッツやクンミン(昆明)でも、そういう手応えを感じてトレーニングができました。それを生かせたのが今日のレースでした。
Q.一度、5kmのラップが17分台に落ちましたが、不安はなかったですか。
野口 17分台に落ちたところはまだ、みんないたときですし、無理に上げようとは思いませんでした。周りの他の選手の動きを見ながら走っていました。もう少し行っても上がらなければ、自分でと思っていましたが、まだ、そこまで上げなくてもいいところ。別に焦りませんでした。

「自分しかできないトレーニングをやってきた自信がありました」
Q.大会新記録を意識したのはどのあたりからですか。
野口 大会記録は目標にはしていましたが、実際走り始めたら向かい風だったりしたので、あまり意識しませんでした。ラスト5kmあたりからです。タイムを見て計算をしました。
Q.30km手前では意識をして引き離しに行ったのですか。
野口 影を見て少し離れかかってきたので、この辺でスパートをかけた方がいいと思って。
Q.2年ぶりのレースでしたが、どんなことをレース中に考えましたか。2年間のこととか。
野口 2年間のことという感じでは思い浮かべませんでした。とにかく合宿でやってきたことは、自分しかできないトレーニングをやってきた自信がありましたから、“大丈夫大丈夫”と暗示をかけて走っていました。すごく充実したトレーニングができたし、故障もありませんでした。1、2回、体調が悪くなったこともありましたけど、それを除けばほぼ100%、思うように走れました。自信をもって走ることだけを考えていました。
 あとはサンモリッツで友人になったイタリア人のおっちゃんのことを思い出していました。すごく気にかけてくれていた人なんです。オッタビオって言うんですけど。良い報告がができてよかったです。

「(北京は)今のモチベーションをそのまま持っていけたら、行けそうな気がします」
Q.これで北京五輪代表が当確になりましたが、今後オリンピックに向けてどんな気持ちで取り組んでいきますか。
野口 確定はしていませんが、もしも北京代表が決まったら、強い選手がいっぱいいるので、またさらに、今まで以上の練習をしていきます。
Q.オリンピック2連勝を目指しますか。
野口 はい。今回も国内の3大オリンピック…じゃなくて、3大マラソンを勝つことが目標でもありました。それができてよかったし、クリアできたので、もしも北京に決まったら、それ(2連勝)を目標にしていきます。
Q.改めて、北京に向けて抱負をお願いします。
野口 中国の周さんとか、強いライバルがさらにいっぱいいます。もしも代表に確定したら、そういった選手に負けないよう、強い気持ちでトレーニングに励みたいと思います。
Q.今の野口さんなら、周選手などライバルと比べ、ここだったら勝てる、こういうレースなら勝てる、というものがありますか。
野口 今のモチベーションをそのまま持っていけたら、行けそうな気がします。体はもうちょっと頑張らないといけないかもしれませんが、気持ちは今すごく充実しているので、この気持ちで行けそうな気がします。
Q.4年前と比べ、今の方が強いと自分で感じられる部分は?
野口 トレーニングを通してなんですが、明らかに、以前の私とはまた別の私になれているかなって思います。マラソンに対する気持ちとか、練習への気持ちとか、本当に強くなっています。年齢は全然関係ないんだなって思います。


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