2007/9/30 スーパー陸上
外国勢に一太刀浴びせた成迫の2位
“先行逃げ切り型”に手応え
冷たい雨に見舞われてしまった。15時の気温は17.5℃。さらに、ホームストレートは向かい風だ。記録は望むべくもない。こういうときこそ、戦いぶりが問われる。日本人優勝者はゼロだったが、最も善戦したのが男子400 mHの成迫健児(ミズノ)だろう。
タッチダウンタイムは1台目こそ6秒1とやや遅めだが、2台目までは3秒8と、晴天時と変わらないスピード。前半型で世界選手権優勝のクレメント(米国)、ワールド・アスレティック・ファイナル優勝のプラウゴ(ポーランド)に大きく先行した。200 mを過ぎて後半型のジャクソン(米国)がつめ始めたが、ホームストレートに入っても成迫がトップ。ジャクソンに抜かれたのは10台目を越えてからだった。
ジャクソンの49秒80に対し、成迫は49秒92。「(成迫と)全日本実業団と同じレーンだったことを生かした」と言う杉町マハウ(日本ウエルネス)が50秒05で3位。4位・プラウゴ、5位クレメントは50秒台後半。クレメントは「世界選手権の疲れがあった」とコメントしたという。
「1歩前に進みたいということで、先行逃げ切り型を試しました。(世界選手権などの)準決勝をギリギリで通のでなく、圧倒して準決勝を通過したいので。前半でもう少し余裕をもって今日くらいの通過ができるようにしたい」
控え所でかなり長い時間、うなだれていた。力を出し尽くしたからだったのか、それとも、悔しさからだったのか。この大会で、外国勢に一太刀浴びせる気概を最も感じさせた走りだった。
3位・杉町のコメント
「僕が2レーンで成迫が3レーンというのは全日本実業団と同じ(成迫が48秒99で優勝。杉町は50秒34で4位)。その経験を生かし、前半で離されても慌てずに行きました。実業団では前半12歩を使って離されました。特にカーブがそうなんですが、まだ逆脚が上手く行きません。今日は雨だったこともあってオール13歩。クレメントが遅い、とか、200 mで周りを見る余裕もありました。
12歩を使うと前半はつけても後半が疲れます。13歩なら前半で置いて行かれますが、後半で追い上げられる。12歩で行くなら逆脚を上手くすること、13歩なら前半を速くすることが課題です。前半12歩で行くのがベストですが。
世界選手権は、ブラジルの一番大きな試合で0.01秒差で負けて、代表になれませんでした。追いつけそうでしたが、寒くて動かなかった。2人ともB標準しか切っていなかったので、1人しか代表になれなかったんです。もちろん、北京五輪が目標で、今日もA標準を狙っていました。雨が残念です。来週の国体で天気が良くて、気分が乗ったら狙います」
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