2007/6/11
Prefontaine ClassicでA標準突破!
8分23秒31
岩水の今季に懸ける思いとは


 3000mSC日本記録保持者の岩水嘉孝(トヨタ自動車)が、Prefontaine Classic(6月10日・米オレゴン州ユージーン)で8分23秒31で4位に入り、今夏の世界選手権大阪大会参加標準記録A(8分24秒60)を突破した。日本選手のパフォーマンス・リストは以下の通り。今回の記録はパフォーマンス日本歴代6位、岩水個人では自己4番目の記録となる。

3000mSC8分27秒未満全パフォーマンス
歴代順位 記録 選手 個人順位 年月日 場所 大会
1 8.18.93 岩水嘉孝 1 2003/8/23 サンドニ 世界選手権予選
  8.19.29 岩水嘉孝 2 2003/8/26 サンドニ 世界選手権決勝
2 8.19.52 新宅雅也 1 1980/7/8 ストックホルム DNガラン
3 8.21.6 小山隆治 1 1974/6/22 ワルシャワ  
  8.22.09 小山隆治 2 1975/7/1 ストックホルム DNガラン
  8.22.54 岩水嘉孝 3 2005/7/8 ローマ ゴールデンガラ
  8.23.31 岩水嘉孝 4 2007/6/10 ユージーン プレフォンテイン・クラシック
  8.23.53 岩水嘉孝 5 2003/6/25 ルツェルン  
  8.23.64 新宅雅也 2 1981/9/5 ローマ  
  8.25.56 岩水嘉孝 6 2003/6/7 横浜国際 日本選手権
  8.25.8 小山隆治 3 1974/7/2 ストックホルム  
  8.25.8 新宅雅也 3 1979/10/28 国立競技場 日本選手権
  8.26.45 小山隆治 4 1975/6/26 ヘルシンキ  
4 8.26.48 内冨恭則 1 1997/10/29 長居 国体
  8.26.77 岩水嘉孝 7 2001/6/9 国立競技場 日本選手権
  8.26.9 新宅雅也 4 1977/10/30 国立競技場 日本選手権

 2003年の世界選手権パリ大会で日本記録で予選突破、決勝でも日本記録に迫るタイムで11位と活躍した岩水だが、その後は停滞期間に入ってしまった。04年のアテネ五輪、05年の世界選手権と予選突破ができない。記録的にも8分25秒未満は1回だけ。頭打ちの状態を打開するため、2007年、2008年と岩水は思い切った強化策をとった。
 兵庫リレーカーニバル優勝後の会見で、3000mSCに懸ける岩水の思い伝わってくるコメントがあったので、A標準突破を果たした今、紹介することにしたい。

岩水の兵庫リレーカーニバル レース後の会見から抜粋
「3000mSCができるのもあと1年。今年は本気で3000mSCに取り組んでいきます」

「世界選手権は今年で4大会目ですが、一番良かったのが2003年のパリ大会。そこから足踏みというか、成績を残せていません。北京オリンピックまであと1年。3000mSCができるのもあと1年。駅伝なども実業団選手としては重要ですが、今年は世界選手権の3000mSCをしっかりと狙いたい。
 パリのときもチームとは別に、高地トレーニングをやらせてもらっていました。今年もこのあとすぐ、菅平とボルダーを拠点にトレーニングをしていきます。日本選手権前に1回、海外でA標準を目指すレースをして、日本選手権で勝って、またヨーロッパの試合に出て、高地で調整していくプランです。
 アテネ五輪もヘルシンキ世界選手権も、自分にとっては駅伝よりの練習をして、そのなかで3000mSCに出ていました。8分30〜40秒のレースならそれでもできるのですが、目指すのは世界です。今年は勝負なので本気で3000mSCに取り組んでいきます。世界選手権をステップにして、北京で1つの区切りをつけるつもりです。その間に日本記録も、もう1回塗り替えたいですから。
 昨年、内冨(恭則・中国電力)さんが引退されました。今まで、内冨さんにいつもレースを引っ張ってもらい、積極的な走りをしていなかった。世代交替というか、自分が責任ある立場になったと思います。後輩たちについてきてもらって、そのことで自分のモチベーションも上がりますし、3000mSCに取り組む意識や姿勢のようなものを、受け継いでいってもらいたい。そういった気持ちが自然と出て、今日みたいに積極的なレースができたのだと思います。昨年との違いでいえば、そこも大きいです」


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