2007/4/21 日本選抜和歌山大会
青山、1m83にとどまるも高さはそれ以上
“クリアランス”をしない理由は?

 青山幸(大阪陸協)の1m86は、腰の高さは十分に浮いていたが、抜き脚で引っかける失敗を繰り返した。マットに寝そべり、何がいけなかったのかをイメージする。
「高さは十分。(3本目は)振り上げる脚をしっかり引き上げるように意識しましたが、つぶれてしまいました」
 前述したように1・2回目も高さは出ていたので、空中姿勢を修正すればクリアできたかもしれない。
「86をぎりぎりで跳ぶのがいいのか、90を跳ぶために、もっと浮かせることを考えるのがいいのか…」
 結論を迷うことはなかった。
「86を跳ぶ練習をしてきているのではありません」

 アジア大会が12月にあったため、例年のような冬期練習を行なったら、シーズンに間に合わないと判断。「技術練習も継続した」という。
「3歩助走で1m75、5歩で1m80が跳べていましたから、手応えはあります。最初の試合から1m90を越えて、その高さはいつでも跳べるようにしておきたいと思っていました。標準記録(Bは1m92)も大事ですが、いつでも跳べる安定性も大事です。どんな状況にも対応して、小さな試合でもきっちり1m90を跳ぶ力をつけるのが課題でした」
 和歌山では、風の方向がめまぐるしく変わった。その状況でも、「重心だけは最後まで乗せていこう」と意識することを心掛けた。

 それでも、「1m86くらいはクリアしたかった」と、悔しそうな表情を見せた。「振り上げ脚が1本も、しっかり振り上げられなかった。力の使い方が噛み合っていません」
 記録が悪かったのは3月の練習中に足首を捻挫し、1週間の安静を強いられたことも影響した。その後の上海合宿では痛みが出なかったが、帰国後に少しぶり返した。
「3〜4月に跳躍練習ができていないので、これから試合に多く出て、6月の日本選手権に合わせていこうと思います」
 4月末の静岡国際、5月の茨木市民大会、関西実業団と転戦して課題を克服していく。


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