2007/1/14 全国都道府県対抗女子駅伝
記録ずくめだった学生選手の活躍
区間賞は9年ぶり
同一大学から2人の区間賞は史上初
優勝チームに3人は過去最多


 全国都道府県対抗女子駅伝は地元・京都が3年連続11回目の優勝を飾った。3区終了時点で13位と出遅れていたが、4区以降は区間1位・2位(5区)・1位(6区)・1位(7区)と快走し、7区で2位に浮上。8区でトップを奪い、9区で追い上げられたが最後に木崎良子(佛教大)が振り切った。 成績一覧
 中盤でトップ戦線に浮上するのは、選手層の厚さで勝負する京都の得意パターンだが、例年と違ったのは学生選手を3人も起用したことだ。そのうち4区の樋口紀子と7区の小島一恵(ともに立命大)が区間賞。京都チームではないが、5区の中尾真理子(宮崎・名城大)も含め、学生3人が区間賞を獲得した。
 どれも初めてのことではないか、との直感が働いたので、学生選手の区間賞獲得者と、優勝チームの学生選手数を全て調べてみた。

区間賞を取った学生選手全員
大会 区間 選手 大学 記録
1回 1983 1区 深尾真美 大阪 大体大 20′30″
2回 1984 3区 吉田仁美 兵庫 大阪教大 09′55″
3回 1985 8区 田島由紀子 東京 東女体大 10′45″
5回 1987 1区 山下佐知子 鳥取 鳥取大 20′44″
8区 石原愛子 兵庫 東学大 10′30″
6回 1988 5区 岩井都 千葉 中大 13′33″
11回 1993 1区 早狩実紀 京都 同大 19′48″
13回 1995 9区 木村泰子 石川 京産大 32′09″
14回 1996 6区 上野理恵 熊本 順大 13′01″
16回 1998 2区 菅原美和 宮城 筑波大 12′29″
25回 2007 4区 樋口紀子 京都 立命大 12′58″
5区 中尾真理子 宮崎 名城大 13′14″
7区 小島一恵 京都 立命大 12′21″

 学生選手の区間賞は98年の菅原美和(宮城・筑波大)以来9年ぶりだった。このこと自体が驚きだが、学生選手の区間賞はトータルで13人という数字も予想以下。ちなみに実業団選手の区間賞は106人、高校生選手は67人だった。
 同一大学から2人以上の区間賞選手は生まれていなかったが、今大会で立命大が2人を出した(木村泰子、佐藤由美の2人を擁していた京産大も、それをやってのける力はあったと思われるが)。同一大会で3人の学生区間賞選手が出たのも大会史上初めてである。
 優勝チームの学生選手数も下のように少ない。

優勝チームの学生選手数
回数 優勝県 学生選手数
第1回 1983 千葉
第2回 1984 京都
第3回 1985 千葉 0
第4回 1986 鹿児島 0
第5回 1987 神奈川 0
第6回 1988 京都 0
第7回 1989 京都 0
第8回 1990 京都 0
第9回 1991 京都 0
第10回 1992 京都
第11回 1993 大阪 0
第12回 1994 千葉 0
第13回 1995 宮城
第14回 1996 京都
第15回 1997 熊本 0
第16回 1998 埼玉 0
第17回 1999 福岡 0
第18回 2000 長崎 0
第19回 2001 兵庫 0
第20回 2002 京都 0
第21回 2003 兵庫 0
第22回 2004 兵庫 0
第23回 2005 京都 0
第24回 2006 京都 0
第25回 2007 京都

 大会初期に2回あった後は、10回大会の京都・早狩実紀(同大)まで途切れ、13回大会の宮城・斉藤雅子(中大)と、個人が頑張ったケースで学生がメンバー入りを果たした。6回大会から10回大会まで京都チームの5連勝を支えたのは、現シスメックスの藤田信之監督が指導したワコール勢だったし、高校生選手の区間賞最多の14人を誇る立命館宇治高勢だった(2番目に多いのが須磨学園高の7人)。
 14回大会の京都に光畑早苗と光川愛と、京産大の全盛時にやっと2人が優勝メンバー入り。しかし、その後はふるさと選手制度の導入、京セラの京都移転などもあり、学生選手が京都チームにも少なくなっていた。今大会の学生選手の活躍がいかに価値があるかがわかるデータだろう。
朝日新聞「大学生3人、意地の快走 女子駅伝3連覇の京都」記事


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