2007/10/5 秋田国体1日目
新記録&好勝負の少年A男子ハンマー投
弓田が65m63の高校新
男子ハンマー投は新記録が生まれ、なおかつ好勝負が展開された。
3投目終了時点の順位は以下の通り
1位 61m15 高橋大地(山梨・身延高)
2位 61m08 野中直道(京都・園部高)
3位 60m37 弓田倫也(栃木・文星芸大附高)
3人の中では試技順が最初の弓田が4回目に62m73でトップに立った。だが、直後に野中が63m15で弓田を抜く。高橋は順位こそ3位のままだが61m85と記録を伸ばした。
次の5回目に、弓田の65m63が飛び出した。昨年のインターハイで吉田浩二(八幡高)が出した64m54を更新する投てき。次の野中もそれに迫る距離が出ていたがファウル。野中は6回目に65m10を投げ、昨年までの高校記録を上回った。
高校投てき史に残る好勝負だったが、優勝した弓田は勝負よりも自身の記録に集中していたという。
「(野中の)63mの投てきは見ていましたが、自己記録だけを狙っていました。周りは意識しませんでした。(高校記録を)やっと超えられたので、嬉しいことは嬉しいのですが、まだ1試合残っているので、そこで自己新を出して優勝したい」
弓田は栃木県高校新人戦にオープン参加し、65m90と今回を上回る記録を残している。会場自体が非公認の場所だったため公認記録にはならないというが(球技場との兼用で栃木県内関係者も問題視しているとのこと)、自身の中では自己記録は65m90という認識だ。それを、日本ジュニア選手権で上回りたいというのだ。
低い重心と速いスピード、特徴的な弓田のターン
弓田の特徴はヒザを大きく曲げ、低い重心でターンを始めること。1年生の冬に「ヒザが高いと指摘されて、低くすることを意識してやってきた」と弓田。そして、非常に高速なことも目立つ。3・4回転めは重心が浮いていくが、崩れずに投げきることができる。
自身の特徴について弓田は、次のように話した。
「4回転の選手はみんな、3・4回転目にスピードが上がりますが、自分は速い入りでも他の選手と同じように、リズムを上げていきます。自分の場合、(武器は)スピードしかないのですが、加速していくと、1回転毎にヒザが伸びていきます。その分、低く入らないといけません」
投てき関係者(高校の指導者)からも「普通の選手では投げられない動きです。あのスピードで3・4回転目に腰が浮いたら回れません。バネがあって運動能力が抜群の上、バランス感覚にも優れているからできるのだと思います。あのスピードでも脚さばきができて、軸がブレません。一般的には勧められない投げ方ですが、彼にとってはプラスとなっている」と、高く評価されている。
その一方で、次のような指摘もある。
「ハンマーを“動かす”というよりも“引っ張る”投げ。6kgなら今の動きで投げられますが、一般用の重量になったときに苦労をします」
弓田自身、16ポンドではそれほどの距離は投げられていないというし、来年以降についての指摘の声は届いている。
「苦労はすると思いますが、僕はハンマー投を楽しんでいきたいと思っています」
具体的な対応策ができているわけではないが、ハンマー投に対する姿勢は固まっているようだ。
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