2007/1/20 全国都道府県対抗男子駅伝前日
区間エントリー決定
箱根駅伝1・2・3区区間賞選手が2強から出場
長野は上野&佐藤、兵庫は竹澤&北村
カギを握るのは長野の高校1年生コンビか
全国都道府県対抗男子駅伝の区間エントリーが行われ、現場に来ている長距離関係者の予想も、長野と兵庫の2強対決ということで一致した。
シニア選手区間は長野が3区・上野裕一郎(中大)、7区が佐藤悠基(東海大)。兵庫は3区・竹澤健介(早大)、7区・北村聡(日体大)。箱根駅伝の1・2・3区の区間賞選手がV候補2チームに揃った。箱根駅伝という尺度だけではなく、5000mでは竹澤が、1万mでは佐藤が06年の日本リスト1位なのである。
高校生区間(1・4・5区)は兵庫が有利。全国高校駅伝3区区間賞の八木勇輝(西脇工高2年)が5区、1区区間14位の谷野琢弥(西脇工高3年)が1区、中山卓也(須磨学園高2年)が4区に配置された。
対する長野は高校生区間が未知数。5区が踏ん張りどころと予想して全国高校駅伝3区区間2位の高野寛基(佐久長聖高3年)を置いたが、残りの2区間は1年生という布陣。1区は直前にメンバー入りした村澤明伸(佐久長聖高1年)で、4区は千葉健太(佐久長聖高1年)。全国高校駅伝では村澤が5区で区間3位、千葉が2区で区間4位と、3km区間で活躍はしているが、兵庫の3人と比べると劣勢は否めない。
1年生2人の起用について、佐久長聖高の両角速先生は次のように話した。
「村澤は14分24秒で高1歴代でも上位の記録を持っていますし、セカンド記録も14分30秒で安定感もある。千葉は去年の優勝メンバーで、(中学生区間の)6区で区間2位。2人とも今後の佐久長聖を担っていく人材です。頼れる先輩2人と一緒に走る機会なので、(上野と佐藤に頼る結果になっても)ダメモトでいいからやってみろ、と言っています」
7km区間の1区が14分30秒ペースでも村澤はついていくはずだ。
長野の高校1年生コンビの出来が流れを左右するが、4連勝のかかる長野としてはできれば、3区で一度先頭に立っておきたいところ。4・5・6区で兵庫に前に行かれても、アンカーの佐藤に射程圏内でタスキを渡すのが勝利への方程式。
長野の西澤民雄監督は「10秒くらいなら落ち着いて行けるが、20秒となるときついかな」と予想するが、兵庫の永里初監督は「1分以上あれば嬉しい」と言う。佐藤自身は「10秒くらい後ろから追うのがいいのですが、20〜30秒差なら」と話す。
北村と佐藤が何秒差でタスキを受け取るのか、が大きな焦点になる。そして、「箱根の後もしっかりと練習は積めている」という佐藤がどんな調子なのか。明日のレースの見どころは多い。
兵庫・永里初監督コメント
「1区は混戦で、3区の竹澤と上野君ではそれほど差はないでしょう。4・5区の13kmでどう戦えるかが、勝敗を分けるでしょう。高校生の練習を見ると良い雰囲気ですね。谷野が県、地区、全国とずっと1区をやっているので今回も1区を任せ、八木の方が1人で走れるタイプなので5区にしました。4区ではまだ独走になっていないと想定して、今の中山君なら、そういう展開の方が向いていると判断しました。(北村に)1分以上の差で渡れば嬉しいが、1分以内だったら佐藤君は追ってくるでしょう。広島や福岡あたりと一緒に前でペースを上げて、長野だけ後ろで走る展開になればいいのですけど。昨年、油谷(繁・広島)君が丸山(敬三・長野)君を引き連れて上がっていったように、駅伝には流れもある。前半は5〜6チームが一緒に行く可能性もある。駅伝の流れがどちらに傾くかも、勝敗を左右するかもしれません」
長野・西澤民雄監督コメント
「高野を1区にする予定でしたが、村澤が走れるようになってきた。兵庫の5区が強い選手が来ることを想定して、それに対抗できる高野を配置した。(3区でトップに立つのも)なかなか厳しいのですが、3区が終わったところでリードしていたい。4・5・6区ときつくなりますが、そこを耐えて、佐藤に射程圏内の距離で渡したい」
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