2007/12/12 東海大共同取材
佐藤悠基コメントをテーマ毎に整理して紹介
「設定タイムを守っていけば、結果として前を追っていけると思います。20kmをトータルで考えて、一番力を発揮できるタイム設定にしたい」

■自身の成長を感じる点について。
佐藤 昨年との違いはそれほど実感していません。あのタイム(1万mで27分51秒65の学生歴代4位)は、去年でも出せたと思います。レースで出せなかった、ということです。今年も(それほど)タイムには出せていませんが、力はついたと思います。去年は練習での波が大きく、悪いときは途中でやめていました。今年は悪いときでも、悪いなりにしっかりと課題をもって走れた。きついときに頑張る力がついたと思います。秋もまだまだ、自分の力を全て出し切れていません。箱根ではその分も、しっかりと表現したいですね。夏場は去年までと違って、しっかりと走り込みましたが、ハイペースで押し切る練習ではありません。追い込んだなかで身体をどう動かすか。もう一段階をどう動かすか。箱根であれば、きつくなってからもう一度頑張る練習にはなったと思います。

■2007年シーズン前半が良くなかった原因について。
佐藤 練習では走れていたのに、試合では結果を出せませんでした。色々と余計なことを考えすぎたのだと思います。去年までは攻めの走りができたのに、今年は守りに入ってしまった。期待されているから結果を出さないといけないとか、選手権は必ず勝たないといけないとか。それが走りに表れてしまったと思います。高校の頃は(同学年のワンジルやモグスに)“どこまでついていけるか”“あわよくば”という気持ちで向かっていきました。今年はそれができなくなってしまっていました。あとは、ハイペースは得意なのですが、スローペースのレースが多くて、急なペースアップに反応できませんでした。スローな展開は好きじゃありません。

■過去2年と11月以降の出場試合を変えたことと、甲佐10マイルの結果(5位・46分35秒)について。
佐藤 箱根の1カ月前あたりでレースに出て、ピリッとした走りをしておきたかったんです。甲佐は普通に余裕を持って、そこそこのタイムで走れたと思います。調子は良くもありませんでしたが、そんなに悪くないことは確認できました。箱根に向けて良い感じでここまで来ていると、確認できたレースでした。(11月の)国際千葉駅伝に出られれば一番良かったのですが。過去2年間は千葉に出ていたので、調整していくリズムが少し変わりました。箱根当日にどうなっているかわかりませんが、ちょっと考えていく部分があります。

■過去の箱根駅伝について。
佐藤 2回とも何かしら課題が残り、100%満足できなかった。会心の走りじゃありませんでした。前回の1区も終盤で痙攣を起こしてしまって。原因としては調子が良すぎたこともあって、20kmを、普段は体感していないペースで走ったからだと思います。そこまで対策ができていなかった。ただ、ペースを落とせば痙攣しなかったかといえば、それはどうなっていたかわかりません。1年生のときの3区は、初めての20kmで不安が大きかった。きつくない区間がいいな、と思っていたら、大崎コーチの配置と上手く合ってくれた感じです。一応、区間新のペースを目安にはしましたが、設定していたというほどではありません。2年生の1区はとにかく、最初から行って離せるところまで離すつもりでした。設定は特に考えていませんでした。区間新は2回とも、狙いに行ったというより、ついてきた感じです。

■今回の箱根駅伝への抱負。出場区間について。
佐藤 チームが勝てる区間配置をしてもらって、そのためならどの区間も行きます。10区間、どこの区間でも気持ちの準備はしています。直前になって慌てないように。5区も6区も、行けと言われれば行きます。上りが好きというわけではありませんが、苦手意識はありません。5区の**はしています。6区はやっていませんが、5区の逆ですから頭には入っています。箱根駅伝は全日本大学駅伝で学んだこともありますから、その反省を生かしてやりたい。今年は設定タイムを守っていけば、結果として前を追っていけると思います。20kmをトータルで考えて、一番力を発揮できるタイム設定にしたい。もしも追う展開になったとしても、“追わなければいけない”とは考えません。どの区間でも区間新で走れば、チームに良い影響を及ぼすことができます。参考程度にはしていきます。(直接対決したい選手は)特にはいませんが、モグス選手とはまだ、ロードでは一緒に走ったことがありませんから、走ってみたいですね。どんなペースで行くかわかりませんが。

■北京五輪について。
佐藤 それほど出たいとは思っていません。今年の大阪世界選手権は、出たいという気持ちが強くて空回りしてしまいました。北京に向けては、そういった強い思いは抑えるようにして、いつも通りにトラック・シーズンを迎えられたらいい。自分の力を発揮できれば代表に近づくのは確かだと思うので、力を出し切ることを第一に考えます。それが結果的に北京につながれば良いと思っています。


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