2008/1/3 箱根駅伝復路
2つの区間新にそれぞれの意義
@佐藤は
3年連続区間新の快挙
「区間記録は普通に走れば出せるレベル。あまり嬉しくありません」(佐藤)

 佐藤悠基(東海大3年)が7区で1時間02分35秒、篠藤淳(中央学大)が9区で1時間08分01秒と、復路で2つの区間新記録が誕生した。

 7区の記録は佐藤の1・2年時の箱根駅伝の走りから、出せると思われた範囲。昨年10月には1万mで27分51秒65(学生歴代4位)も出した選手である。佐藤自身も「後半の落ち込みがひどすぎた」と言う。下記のように20kmまでの10kmが30分06秒もかかっている。
 5km:14分03秒(佐藤自身の計測)
 10km:28分38秒(テレビ情報)
 20km:58分44秒(テレビ情報)

 しかし、これだけの速い突っ込みをしながら、後半も持ちこたえられたのは佐藤ならでは。Aで紹介している篠藤のラップと比べても、前半の速さがわかるだろう。能力の高さを示したことにもなる。

 佐藤の偉業はタイムよりも、3年連続で区間新を樹立したことだろう。過去には1955〜57年の中大・佐藤光信(3・8・10区)、1991〜93年の早大・武井隆次(1・1・7区)の2人しかいないという。
 佐藤は1年時が3区、2年時が1区、そして今回が8区。小林正幹、渡辺康幸、武井と、すべて早大選手が持っていた記録を更新した。早大が箱根駅伝にとどまらない、レベルの高い取り組みをしていたからこそ、それだけ多く区間記録を保持していたのだろう。
 これはもちろん、偶然の成せる業で、早大の記録を狙い撃ちにしたわけではないだろう。佐藤の1万mは学生国内最高記録だが、歴代1〜3位は竹澤健介、渡辺、瀬古利彦と全て早大の選手が海外で出している。箱根駅伝くらい、早大の記録を破り続けても文句は出ないだろう。

佐藤コメント
「7区と決まったのは往路が終わってから。記録のことは考えず、前を追うことだけを考えました。前半、特に5kmまでが思ったより速くなってしまいましたが、無理はしていなかったので、大丈夫だと思って走っていました。しかし13kmくらいから、ふくらはぎと腿に痙攣が出始めました。後半は特に上りで、力を入れて走れなかった。上手く蹴られなかった感じです。10日くらい前から内蔵の調子が悪く、咳も出ていた。不安のあるなかで走ったことで、今日のような走りになってしまったのだと思います。チームのエースとして、流れを引き寄せるのが復路に回った自分の役目でしたが、果たすことができませんでした。記録は、普通に走れば出せるレベル。あまり嬉しくありません」

学生駅伝2007-08
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