2006/2/14 横浜国際女子駅伝
記者発表会&高校生2選手会見

「誕生日のレースですが、いつも通りに自分らしさを出したい」(新谷)
「距離は長くても自分の気持ちに負けたくない。国際大会へのステップに」(小林)
Q.ナショナルチームに選ばれた気持ちは? 目標や、意気込みなどをお願いします。
新谷仁美 すごく嬉しいです。自信にもなります。(憧れの高橋尚子選手の前で)いい走りができればいいな、と思っています。ちょうど誕生日なのですが、いつも通り、自分らしさをしっかり出して行って、その中で世界のトップ選手たちとどう戦えるかを学んで、これからに生かしていきたいと思います。
小林祐梨子 シニアの方たちと一緒に、日本代表に選んでもらえたことは、すごく光栄です。今からもう、ワクワクしています。昨年は国際大会にも多く出場でき、すごくいい経験ができました。挑戦者として、気持ちよくレースができた1年でした。(横浜国際女子駅伝は)トラックより距離が長くなりますが、自分の気持ちに負けず、国際大会へのステップとできればいいですね。
Q.金部長には選手選考の経緯などをお願いします。
金哲彦陸連女子長距離・マラソン部長 全国都道府県対抗女子駅伝で活躍した選手を選考しました。エース区間の1区・9区・2区の区間上位選手を中心に。その結果、10代の選手が増えたわけです。ここにいる2人は1区と2区の区間賞。他のシニア選手が弱かったわけではありません。今回、初めてシニアに混じって走ることになりますが、今後、世界選手権やオリンピックで活躍するようになる、その第一歩としてほしい。2人の他にも学生の第一人者である佐藤絵理選手(名城大)、実業団で勢いのある京セラ、第一生命、天満屋から1〜2名ずつという構成になりました。

「いずれはマラソンを」(新谷)
「高校最後の年も通過点」(小林)
Q.新谷さんは4月から小出義雄監督の下で実業団選手となりますが、社会人として、どんなランナーを目指しますか。
新谷 社会人になったら高校生までとは違って、責任を持って行動しないといけません。高校生は集団行動ですが、社会人は1人で行動します。そういうところを気を付けて、しっかりやっていきたいと思います。4月からは徐々に距離を伸ばして、いずれはマラソンをやりたい。将来の夢であるマラソン・ランナーを目指して、しっかり前を見て、練習と生活に取り組んでいきたいと思います。
Q.小林さんは高校最後の年を、どのようなシーズンにしたいと思っていますか。
小林 高校最後の年ですが、陸上競技としてみたら通過点です。記録にこだわるのではなく、シニア選手と走る機会も増えると思いますので、経験を積む年にしたい。具体的な記録まではまだ、よく考えていません。1つ1つのレースを、気持ちよく、次につながるようにしっかり走りたいと思います。
Q.横浜で日の丸を付けて走ることについて、どう考えていますか。
新谷 あまり深く考え過ぎると頭が回らなくなるので、心の底から楽しく走れたらいいと思っています。笑顔の出るレースにしたい。日本代表ということもありますが、それをプレッシャーと思わず、自分の力に変えていければいいと思います。
小林 横浜は小さいときからずっと観てきた大会です。出られることにビックリしています。走るからにはいいチャンスですから、ダイナミックに、代表ということを意識しすぎず、いつも通りに走りたいと思います。

「小林さんはトラックで、新谷さんはマラソンで、トップレベルに成長が期待できる選手」(金部長)
Q.2人は対照的な動きですが、どう違うといったらいいのか、金部長に解説をお願いします。その違いを踏まえて、2人の将来の方向性や可能性について、どう思っているかお教えください。
金部長 小林さんは元々中距離選手で、800 m・1500mで素晴らしい記録を出しています。動きは欧米人的で、筋力を生かしたダイナミックなもの。その走りを生かしたまま距離を伸ばしてきています。日本のトラックでは今、福士(加代子・ワコール)選手がダントツな強さですが、福士選手を上回るのは小林選手だと思っています。
 新谷選手もスピードがあり、いい動きをしています。どちらかというと、ピッチがスムーズな動きです。佐倉(AC)に来て、小出監督の指導でマラソンを目指していくのだと思います。今のスピードに研きをかけながら成長すれば、2時間20分を切ることもできる選手だと思います。
Q.この大会は最低でも5kmの距離になりますが、小林選手は今の時期に5kmを走ることをどう位置づけていますか。
小林 4.2km以上を走るのは初めてですが、それほど不安ではありません。昨年3000mも8分52秒で走れましたから、その延長線上にとらえて、いつも通りに走りたいと思います。実際、どういうレースになるのかわかりませんが、自信を持って走ったら結果は出ると思っています。トラックは1500mが中心です。今回は5000mの体力をつけ、トラックに気持ちよく移行していきたい。

「憧れでもあるし、いいライバル…」(新谷)
「集中しているときと普段が“えっ?”と思うくらいに違う」(小林)
Q.お2人は相手のことを、お互いにどう思っていますか。
新谷 話したらすごく面白くて…。走っている姿はすごくダイナミックで、きれいなストライド走法。憧れでもあるし、いいライバル……私はライバルだったらいいな、と思っています。同じ陸上、同じ選手として、いい選手だなと思います。
小林 陸上競技の強い選手たちを見てきた中では、ちょっと違う人です。強い選手の中には陸上競技のことしか考えていない、みたいな人もいますが、新谷さんは競技とオフの切り換えが上手いと思います。走る前の集中しているところや練習中の顔と、普段の明るさは「えっ?」と思うくらいに違います。駅伝の2区で1区の新谷さんの走りを見て、最後の最後の詰めが普通じゃなかった。私は中距離がメインですが、長い距離をやろうとしたら、そこが人と違う要素になるのだと思います。


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