2006/2/10 東京国際マラソン
前々日共同会見

「走るからには大会記録、そして日本記録を更新したい気持ちはあります」(高岡)
Q.(代表質問)現在のコンディションと、記録面も含めた抱負をお願いします。
バヨ コンディションはとてもいい。目標は勝つことだが、タイム的にも2時間8分を切りたいと思っている。
ジェンガ 2月初めから富津で合宿をしました。その前は沖縄でした。しかし、1週間前に風邪をひいてしまいました。熱が下がらないので病院に行ったら、インフルエンザだと言われました。大変な時期に体調を崩してしまいましたが、こういうときこそ、どこまで頑張れるのかを(自分でも)楽しみにしています。レースは、どんな形になるかわかりませんが、チャンスが出たときに行きます。
高岡 体調も良いし、調子的にも順調に来ています。目標タイムは具体的には立てていませんが、走るからには大会記録、そして日本記録を更新したい気持ちはあります。タイムよりも、強く思っているのは勝ちたいということです。
コリル ケニアで練習をしてきて、コンディションはいい。タイムは2時間8分を切りたい。
入船 ずっと良い練習が積めて、体調も崩さずにやってこられました。目標は、やるからには優勝することです。タイムは特に考えていませんが、自己新は出したいと思っています。

「インフルエンザで体調を崩し、体調は上がっていない」(ジェンガ)
Q.(代表質問)この大会に向けてどこで、どんな練習をしてきたのか、具体的に教えてください。そして特に、この部分を強化してきた、というものがありますか。
バヨ 11月からタンザニアのアルージャでトレーニングをしてきました。内容はスピード、長距離走、ファルトレイクをこなしてきました。
ジェンガ (昨年10月の)シカゴ・マラソンのあと、東日本実業団駅伝を走って、その後のすぐに、この大会に向けた練習を始めました。ものすごく順調に来て、(ニューイヤー)駅伝でも体調が良かった。でも、先ほど言ったように何日か前に体調を崩して、今のところ上がってきていません。この大会は高岡さんに必ず勝たないといけない、優勝しないといけない。そのプレッシャーはあるので、やばいと思います。
高岡 僕も11月からマラソン練習に入って、山口市の湯田温泉で何回か合宿をやりました。その他は、ホームタウンの防府でトレーニングをしてきました。
コリル 12月からケニアのエルドレットという場所でトレーニングをしてきました。内容はいつもと一緒です。長距離とスピードを組みあわせてやってきました。
入船 11月から、高岡さんとほとんど同じ流れでやってきました。内容的には、これまでと変わらないものですが、その中でいかに余裕を持ってこなせるかを考えてやって来ました。

「世界選手権とオリンピックは意識していません」(高岡)
Q.(代表質問)2007年の大阪世界選手権と、08年の北京五輪に対し、どのように取り組んでいきたいと考えていますか。
バヨ 大阪の世界選手権にはおそらく、タンザニア代表として参加できると思っている。それに向けて十分な練習をしていきたい。北京五輪はちょっと先のことなので、選ばれるかどうかはまだわからない。
ジェンガ 2年前、この大会に優勝すればケニア代表に選ばれると言われていましたから、優勝した後、(代表に選ばれず)つらい思いもしました。世界選手権、オリンピックに対して僕ができることは、結果を残していくことだけです。マラソンの実績を、ちゃんと作っていきたい。
高岡 世界選手権とオリンピックは意識していませんし、現時点で目標と言える対象ではありません。僕は“この大会”と(1つ1つ)ベストを尽くして、レースをするだけです。
コリル 世界選手権とオリンピックには是非とも出場したい。それには、自分の出るそれぞれのレースで、ベストを尽くしていくことが重要です。
入船 目標にはしていますが、タイム、実績ともまだまだだと思います。1試合1試合、先につながるようにレースをしていきたいと思います。

「ヘルシンキでは世界と戦う気持ちが足りなかった」(入船)
Q.高岡選手と入船選手は、ヘルシンキ世界選手権で満足のいく結果ではありませんでした。その反省、改善すべき点などは何でしょうか。それと、ユニフォームが変わりましたし、練習拠点も4月から東京に移ります。気持ちの上でプラスになる部分はありますか。
高岡 ヘルシンキへは“世界一になりたい”という思いで臨みましたが、その気持ちを持って一生懸命に取り組めた。それは収穫だったと思います。しかし、レースの流れに上手く乗ることができず、4位という結果でした。改善すべきは、練習でどうこうする部分ではありません。練習としては、同じものをやってきました。ユニフォームと練習拠点のことは、マイナスに考えても仕方ありません。色んなことに興味を持って、またやっていけたらいいと思います。
入船 世界選手権は高岡さんと尾方(剛・中国電力)さんに比べ、世界と戦う気持ちが足りなかったと思います。僕も代表が決まってから、世界で戦う気持ちを持つようにしましたが、2人は何年もかけてそこを積み重ねて来られたわけです。自分も世界選手権を走ることで、世界と戦う気持ちを持つことができたのが良かったと思います。ユニフォームと活動拠点のことは、このレースにどうこう影響することではありませんが、防府としては最後のレースになるので、防府の皆さんに忘れてもらわないようなレースをしたいです。
Q.コリル選手は(2時間4分台を出したあと)、最近よくないようですが、何か原因があったのでしょうか。それと比べて、今はどういう状態でしょうか。
コリル (最近の)2レースはロンドンもシカゴも故障があった。今は十分に回復しているので、日曜日は良い走りができると思う。
Q.高岡選手は12月末に脚を痛めましたが、現状はどうなのでしょうか。それによって、練習はどう影響が出ましたか。
高岡 12月にケガがありましたが、1週間休んだだけで済みました。その後は順調にトレーニングができ、今は不安はありません。痛みとかもありませんし、レースに全力で臨めます。

「2002年のシカゴの高岡さんはすごかった。勝って申し訳ないと思ったくらい」(ジェンガ)
Q.ジェンガ選手は、2002年のシカゴ・マラソン(2時間06分16秒の同タイムでジェンガが2位、高岡3位)で、高岡選手がすごいレースをしたと話していましたが、改めて振り返るとどんな印象ですか。
ジェンガ 改めて思い出すと、昨日のことのような気がします。当時、日本のマラソンでなかなか結果が出せなくて、監督からシカゴをやってみないかと言われて、ハイと答えて出場しました。28kmから高岡さんがすごいスパートをしました。そのとき余裕はありましたが、ハヌーシ選手もいたし、僕も当時はいいタイムを持っていなかった。でも、高岡さんになかなか追いつけなくて、39kmでハヌーシがスパートしました。高岡さんはその前にいます。僕も前を追いました。僕の大好きな駅伝のような感覚です。向かい風も強かったのですが、群馬(ニューイヤー駅伝)のことを考えたら大したことはありません。41kmくらいで高岡さんに近づいて来ましたが、28kmからそこまでずっと、前を走っていたのです。追い抜いたら悪いかな、とも思いましたが、レースです。気が付いたら胸の差で2位になっていました。ちょっと申し訳ないことをしてしまったと思いましたが、そういったすごいレースでした。

「一番意識しているのは高岡さん。高岡さんも私を意識していると思います」(ジェンガ)
Q.今回のレースで一番マークする選手、意識する相手は誰でしょうか。
バヨ 特に名前を挙げてこの選手、という相手はいない。レースは実際に走ってみないとわからない。みんな、十分にトレーニングをした状態でレースに出ると思うので、前にいる選手は全員、マークをして走りたい。
ジェンガ 2003年、04年、05年と東京で勝った選手が出ます。また、世界のコリルもいるし、入船さんもいる。誰が出てくるのかわかりません。それでも、これは言わなくてもおわかることですが、一番気にしているのは高岡さんです。高岡さんも私を気にしているでしょう。シカゴでは2002年、04年と僕が勝たせてもらいました。言葉にはしなくても、お互いが気にしている相手です。
高岡 ジェンガ選手と言った方がいいのでしょうか(笑)。そういう気持ちも少しありますが、期待を裏切って申し訳ありませんが、レースに出るみんなです。理想は、チームメイトの入船とトラック勝負ができればいいと思います。
コリル 今の段階で誰が、とは言えません。みなさん万全で来ているようですし、このメンバー以外にも強い選手はいます。日曜日がどのような状態になるのか、わかるのはフィニッシュラインです。
入船 特にマークする選手はいません。レースの流れで周りを見ながら行きたい。今回はレベルが高いメンバーなので、そういう選手たちを近くで見て、次につなげられるものを学びたいです。


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