2006/4/17
陸連強化委員会記者懇談会から
いくつかの話題を抜粋


アジア大会のメダル目標数
澤木委員長 釜山(02年)では金メダル5個を目標に掲げたが、2個しか取れなかった。ただ、メダル総数はバンコク(98年)が24個で釜山も24個。12月と制約を受ける時期でもある。金メダルを4ないし6個、トータルでは24個を目標とした。目標数を達成できれば嬉しいが、現状は厳しい。ブロック毎では短距離で3個、ハードルで1個、跳躍で1個、投てきで1個として、4ないし6個に落ち着かせたい。

アジア大会の選手団人数と、エントリー期限について
澤木委員長 間近にならないと発表されない。JOCとは4月末に1回目の交渉をする。冬季オリンピックでも色々な状況があった。それを踏まえてJOCが編成方針を打ち出す。陸連としては秋に選考会を指定しているが、9月24日のスーパー陸上が辛うじて間に合いそうだ、という感触を得ている。

世界選手権の地元枠(標準記録未突破種目も1人出場可能)と、選手団の規模について
澤木委員長 従来はB標準でも派遣してきた。ただ、真剣に戦う選手と、そうでない選手がいる、という論もあった。突破していない選手を地元枠で出すことは、両刃の剣的なところもある。これは議論をしていく。5月の専任コーチ会議などで意見を聞いていく。
(選手団の人数については)標準記録突破者の状況を予想して、それを元にしての検討はしていない。もう少し時間をもらってから考えたい。

08年北京五輪の選考に関して
澤木委員長 大阪世界選手権の一般種目入賞者で、日本人最上位者を代表に内定したい。条件としてはオリンピックA標準を破っていること。(世界選手権時に破っていなくても)世界選手権後に破れば、その時点で内定する。ただ、ケガや故障などで、本番で力を発揮できない状態になったら、内定を取り消す。これはまだ理事会の承認を得ていないことだが、5月の専任コーチ会議までに周知徹底を図りたいので、この場でお話しすることにした。
 世界選手権の入賞は、あり得ないくらいに難しい。シーズン中のピーキングがしっかりできなければ、できることではない。その実績を評価するということ。

癌と闘病中の女子砲丸投日本記録保持者の森千夏選手について
等々力投てき部長 10年前、陸上競技のなかで世界から一番遠かった種目。オリンピックに出るまでになるとは、投てき関係者も思っていない時期があった。森は日本人の中では大きいが、アジアでは小さい方で、世界ではもっと小さい。単身、中国に行って合宿するなど、努力を重ねてあの実績を残した。本当に苦しいところから、今のレベルにもってきた。彼女のやってきたことは、本当に大きいと思う。豊永(陽子)や市岡(寿実)と競り合えたからだが、先陣を切った彼女の評価は高い。陸上界に、その歴史に名を残していく選手だと思う。
澤木委員長 不可能と思われた扉を開いた選手。誰があの種目でオリンピックに出られると思っただろう。未知の扉を開いた。4月3日に退院したが、(これからも治療に莫大な費用がかかるので)強化委員会でも森を応援したい。バックアップするための口座を開設する。ウェッブなどでしっかり告知したい。


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