2006/4/22 四大学対校
3年ぶりの自己タイに続き四大学でも快勝
菅井が“技術”に手応え

 3年前、走幅跳で注目された高校生トリオがいた。7m87の高校歴代2位の記録を持ち、世界ユース金メダリストの品田直宏(札幌国際情報大附高→筑波大)。インターハイ2連勝の勝負強さと、7m70(当時高2最高、現高2歴代2位)の記録を持つ今井雄紀(佐野日大高→日大)、そしてインターハイ2位で7m67の記録を持ち、スプリント力などから将来を期待された仲元紀清(中部商高→福岡大)の3人。スプリント力に関しては、品田も10秒42、今井も10秒5台と走幅跳選手としては高レベルにあった。
 しかし、03年秋の国体で優勝したのは、インターハイ4位の菅井洋平(太田工高→順大)だった。“注目のトリオ”を抑えたにもかかわらず、注目度は今ひとつだったように記憶している。

 その菅井が好調である。4月第1週に7m66(+0.9)の自己タイを跳ぶと、この四大学でも7m51(±0)で2位に18cm差をつけた。大学1年時は7m47、2年時は7m41がベストと伸び悩み、関東・日本両インカレでも入賞していない。4月の2試合の結果だけでも、低迷から脱したのは確かだと思われた。
「高校のときは技術練習とかしたことがなくて、走って、調整して、というトレーニングの仕方でした。それが大学では技術練習も入ってきたし、新しい取り組み方をしました。それがなかなかまとまりませんでした」
 2年間の停滞を、このように振り返った菅井。では、今季の好調は技術的につかんだものがあるのだろうか。
「踏み切り前で、あまりブレーキをかけずに走り込めるようになりました。それでも、7m66は意外に感じた記録です。キレの良い走りを心掛けているのですが、それが最後のさばきにつながっているのでしょう」

 今井と仲元は大学入学後に自己記録を更新しているが、高校時代よりもワンランク上がったところまでは達していない。今季、高校時代の記録にどれだけ上乗せができるかが、3年生ロング・ジャンパーたちにとって勝負となる。
「インカレは優勝を狙っていきます。記録的には7m80までは行きたい」
 技術的な手応えが記録として現れ始めたことで、菅井も自信を持って目標を語れるようになった。


大学対校戦2006春季
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