2006/4/22 四大学対校
45秒台への期待が高まった太田
400 mで四大学3連勝&“対校戦”2週連続優勝


 15日の東海大・日大に続き男子400 mに優勝したのは東海大4年の太田和憲だった。記録は先週が46秒74で、今回が46秒56。自己記録の46秒33には届かなかったが、セカンド記録を0.02秒更新した。46秒56は四大学の大会新。過去に伊東浩司、簡優好、堀籠佳宏ら日本代表選手も優勝者に名を連ねる大会である。
「現時点の目標は45秒台ですが、今はアベレージを上げることが重要です。昨年は47秒前半がコンスタントに出せましたが、先週、今週と2回とも46秒台を出せました。アベレージは上がっています」

 これまでの太田は“派手さ”に欠けていた。昨年ユニバーシアードに出場したが、400 mでは準決勝止まり。同じ東海大の山口有希(現大阪ガス・ジュニア日本記録保持者)が銅メダルを獲得した陰に隠れた。4×400 mRでは堀籠佳宏(現富士通)や成迫健児(筑波大)が世界選手権から合流し、実績では一番下だった。そして今季の学生400 mには、日本インカレ優勝者の成迫だけでなく、日本選手権優勝の金丸祐三(法大)も加わる。
「成迫と金丸は世界選手権にも出ていて、自分より上の存在。でも、負けたくない気持ちはあります。合宿とかで一緒になることもあって、仲は良いのですが、グラウンドではライバルです。そこはしっかりと意識していきます」

 太田の100 mのベストは10秒88(高校3年時)で、200 mは21秒28(大学2年時)。決してスピードがある方ではないが、最後の直線の強さは以前から目を引くものがあった。この四大学では200 m通過が22秒5(手元での計測)で、前半のスピードにも進境を見せた。
「いつもは(200 m通過が)もっと遅くて、それでタイムがなかなか出ません。終盤はどっちにしろきついので、前半でもっと稼がないといけないと思っています」

 太田の記録で価値が高いのは、4×400 mRでは46秒2で走っていること。これが2〜4走でのタイムではなく、1走での記録。助走のつく2走以降とは違い、通常の400 mと同じか0.2〜0.3秒ほど遅くなるのが1走である。45秒台の力はあると見ていいだろう。
 昨年まで、東海大では4走・山口、1走・太田が固定されていたし、ユニバーシアードでも太田は1走だったが、「今年はアンカーをやるかもしれません」という。
 ラップこそ46秒5とそれほどでもなかったが、この日の4×400 mRでも最後の直線で順大を圧倒。他校にとっては驚異のアンカーとなりそうだ。


大学対校戦2006春季
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