2006/12/23 全国高校駅伝前日
区間エントリー決定
仙台育英の4連覇にストップをかけられるか?
“仙台包囲網”の有力校監督コメント


西脇工高・渡辺公二監督
「1区で40秒差以内ならチャンスもある」
「選手たちにプレッシャーはない」

「1区にケニア選手が4人もいる。1人、2人なら抑え気味に行くこともありますが、4人もいたら、誰か1人が飛び出したら残りの3人もついて行くので、差は開くでしょう。そこで1分以上、300 m開いたらダメです。40秒差以内ならチャンスがある。3区は三田君(豊川工)よりも、今は八木の力が上。(2人で競る形になっても)主導権をとって前を追うと思います。1区で40秒差なら2区で20秒つめて、3・4区でトップに立てるかもしれません。そう、計算通りに上手くはいかないのでしょうけど。
 今年のうちは片手(5番目前後)のチーム。でも、駅伝は何があるかわからない。それがタスキリレーの妙味でしょう。タスキの重さが思わぬプレッシャーとなることもあります。その点、今回のウチにそれはありません。選手たちの表情は普段通り。プレッシャーも感じていません」

豊川工高・渡辺正昭監督
「2、3区で追い上げて、4区で前に出たい」
「西脇工と胸の差の勝負をすることが一番の目標です」

「とにかく優勝争いをしたい。置いて行かれて、2、3位を走り続けて終わるのでなく、競り合って、どのくらいの力なのかを試してみたい。(相手も)そう簡単に追いつけるメンバーではありませんが、先頭を走らないといけないと重荷を背負って走る選手と、思いきって追いかけられる選手とでは、違いも出ます。勇気を持って、楽しんで走ってくれたらいい。今年は負けたらどうしよう、追いつけなかったらどうしよう、という雰囲気はありません。悔いなく思いきって走ろうと思います。力むことなく、焦ることなく、平常心で来られています。
 展開は2、3区で追い上げて、4区で前に出られたら、という走りができたらと思っています。そのためには、1区で1分20秒差以内でつなぎたい。1分30秒開くと、4区に渡ったときに45秒ちょっと残ってしまいます。みんなでちょっとずつ借金を返して、4区に30〜40秒差で渡せたら、4区がのびのび走れると思う。
(6〜7番目の選手は)生徒たちが選んだメンバーです。豊川工に来て4年目くらいからずっと、メンバーは生徒たちに決めさせています。今日の練習が終わって話し合いをさせて、オーダーを書かせる。私はそれを提出するだけなんです。生徒たちはお互いに性格や普段の行いなども分析している。競り合いに強いのは誰で、1人で走れるのは誰と、お互いがわかっています。
(シーズン前半の三田の不調は)貧血気味だったのが原因で、気合で持ってくるタイプだけに、そのときに動かないと余計に空回りしてしまう。本人にデータを示して、家の方にも協力してもらい、しっかりと食べさせました。あとは気持ちの問題なので、調子が上がり気味のときに試合に出して、本人が手応えをつかんできました。自分で乗り越えて来ましたね。
 三田と八木君(西脇工)では、三田が最初に脚光を浴びて、それに対して八木君が絶対に勝ってやる、という気持ちになって、今は八木君の方が強くなっています。でも、直接対決ではまだ、三田が一度も負けていません。2人が競ることになったら面白いですよ。2人とも前に行くタイプ。2人で追いかけられると思います。
 西脇工の選手は本当に良く駅伝を知っている。今回は1、2、3区と西脇工が揃えてきたので、3区までは西脇工と並んで走りたい。目標タイムは2時間03分59秒。(西脇工記録の)2時間03分18秒までは無理でしょう。一番の目標は、アンカーが西脇工と一緒に競技場に戻って来て、胸の差で勝負がつくレースをすることです」

佐久長聖・両角速監督
「攻撃型オーダーの1区・永田起用」
「1区での差は50秒がリミット」

「岡本(考平)が外れたのは、他の選手が良かったから。最後の4000mも岡本が離れたわけではない。代わりに長い区間を行けるのは山本しかいません。短い区間ならば、岡本よりも他の選手の勢いを買った。
 1区の永田は不安がないと言ったらウソになる。(シンスプリントのため)トラックは北信越インターハイが最後で、その後レースに出ていません。北信越駅伝が5カ月ぶりのレース。無難に行くなら1区・高野だが、攻撃型のオーダーを組んだ。すでに2、3、4、5位は取っている。選手たちもこの1年間、優勝を目標にやってきました。1区・永田が上手く行けば、という思いがある。
 1区は過去、初出場の年こそ区間13位でしたが、それ以外は全部29分台と失敗していません。慎重を期して、しっかりした選手を起用してきた。1年間の取り組みの中でも、1区をしっかりと育ててきた。永田は2年生までは国体入賞、世界ユース、アジア・クロカンと大きな舞台を経験している選手。記録も昨年、14分05秒まで行っている。今年は13分45秒くらいまで行って、佐久長聖の名だたるランナーたちと肩を並べられたはずだった。なんとか頑張って欲しい。
 選手たちには2時間3分台を出さないと勝てない、と言っています。過去、2時間3分台を出して負けたチームはありません。2時間2分、1分が出たときも、2位は2時間4分とかかかっています。2時間3分台を出すための各区間の割り振りは考えてあります。豊川工さんも西脇工さんも同じだと思いますが。今年は5・6・7区は自信がある。上手く行けば6・7区で逆転できます。そのためには1区での差は50秒がリミットでしょう。
 2時間03分35秒プラスマイナス20秒の範囲で優勝だと、選手たちには話しています。2時間1〜2分ならお手上げ。相手があっぱれです」


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